女性の働きやすい環境づくりについて [一般質問(1999年6月)]
〔平野みどり君登壇〕
○平野みどり君
ありがとうございました。
私、十年間車いすで生活をしておりますけれども、私が今まで投票した経験で言いますと、最初に実家の方で投票したのは湖東中学で、ここはスロープがどうにか横からついていたんですけれども、あと、今の学校も含めて二カ所は段差がありまして、そしてスロープがなかなかつけられないというような状況があるようです。技術的につけられないかどうかは専門家の判断にゆだねなければいけないところもありますが、もしもそれが不可能であるとすれば、これはやはりマンパワーで解決するしかないというふうに思います。しかし、現実、私が投票しておりまして、階段の前に立ちますね、そしたら、だれも係の方たちは中に入っていて見えないんで、周りに来た方たちに、済みません、中の方を呼んでいただけますかと言わなければいけな い現状があるんですね。そして、もちろん呼ばれたら快くおりてきてくださって、四人ぐらいで抱えて上げていただくわけですけれども、一々その投票所に来ていた一般の方に、済みません、中の方を呼んでくださいませんかと言わなければいけないということは、投票権をきちんと守っているということにはならないと思います。ですから、ぜひ、そのマンパワーで解決する部分は、高齢の方たちもおられますので、ちょっと支えてあげて会場に入っていただくようなこともあると思います。必ず係の方が一人外にいて、会場内とのやりとりをして連絡をしていただくような、そういう体制をとっていただきますように心からお願いいたします。
それから、将来的な投票の可能性ですけれども、今まさに電子時代ですので、私たちが一人一人記名しているような方法が、この十年ぐらいでごろっと変わってしまう可能性もあるというふうに聞きます。 実際、埼玉県の川口市で、今回統一地方選挙と並行して模擬的に電子投票の試みがあったそうです。その結果はまだ出ていないようですが、この十年間で大きく変わっていくだろうということで、だれもが投票できる権利、これは今後もきちんと守っていくように行政としても考えていただきますようよろしくお願いいたします。
さて次に、介護保険についてお伺いいたします。
去る六月九日、十一日両日に、熊本県によるホームヘルパー派遣など在宅サービスを提供する事業者の指定説明会が開かれ、八百五十七事業者、約千八百人が参加されたと聞きます。社会福祉法人、医療法人は言うまでもなく、これから福祉の分野で道を見出そうというさまざまな業界や新規事業者からも高い関心が集まっているようです。 このように、本年十月からの介護認定の開始、来年四月の施行に向けて、介護保険への準備や取り組みが本格的に動き出しました。一部に、介護保険棚上げや実施延期などの声が上がっているようですが、これまで国や都道府県、とりわけ実施主体である市町村の大多数が、地方財政厳しい中、予算と時間をかけて準備してきたことを考えると、このような声は国民を翻弄させるだけの無責任な声であり、平成十二年のスタートは変わらないものと信じます。
先般、日本世論調査会が実施した介護保険に関する世論調査によれば、六七%の人が介護保険導入には賛成でした。しかし、制度の仕組みは全く知らない、余り知らないと答えた人が五七%にも上っておりました。そんな中、県及び市町村を通じての介護保険についての広報や説明会が少しずつ始まっています。 去る六月五日土曜日の午後に、私の校区で行われた熊本市保健センターによる説明会に参加してみましたが、広い会場に三十人ほどの中高年の方が来られただけでした。四十歳以上の方々は保険料支払いが始まりますし、家族に支援や介護が必要な人が出始める年代でもありますが、まだ
まだ参加が少なかったようです。制度が決して簡単ではないだけに、一度では十分理解が進んでいないようで心配になりました。情報不足から来る制度への不信を助長しないためにも、県も含めて、説明会、相談会等をこれからも頻繁に開くことが急務であると感じております。
さて、介護保険スタートに向けて、さまざまな分野で準備が進められていると思いますが、本日は二点に絞ってお尋ねいたします。 まず第一に、介護サービス事業の適正実施を行うための事業者の指導についてです。
深刻化する雇用不安の払拭と民需による自律的な経済の回復を目指し、政府は、七十万人の緊急雇用対策と産業力強化対策を決定いたしました。福祉分野での人材育成、雇用確保は、介護保険を目前にしながら、まだまだサービスや福祉従事者の数が充足していない市町村もあることから、歓迎すべきことであると考えます。福祉分野における今回の緊急雇用対策と介護保険の関連性から言えば、民間セクターが福祉分野に参入し、雇用を生み出し、さらに介護保険利用者のニーズにこたえる商品開発が進み、住宅改造を含むバリアフリー関連工事のマーケットが拡大していくと考えられます。したがって、一過性の雇用対策にとどまらず、産業構造の転換をも期待される方向性であると期待しています。
さて、民間の業者が介護保険に参入してくることにより、利用者本位のよりよいサービスを提供することに競争が進んでいくことは望ましいことですが、一部市町村において訪問調査を委託された際には、ケアマネージャーがみずからの関連する団体や業者が利益を得やすいように、調査において認定が重くなるように意思を働かせたりしては困ります。したがって、これまでも、そして今後もケアマネージャーの育成や教育が大切になってくると思いますし、さらに、介護保険に参入してくる事業体やケアマネージャーの健全な働きをチェックするという意味でも、第三者機関による客観的監督が極めて大切であろうと思います。いかが認識しておられるか、お尋ねいたします。
次に、地域福祉支援体制整備事業と生活支援員についてお尋ねいたします。
痴呆性高齢者、知的障害者、精神障害者等が権利を侵害されることなく、みずからの能力に応じてできる限り自立した生活を送れるように支援することを目的とする権利擁護のための日常生活支援の事業である地域福祉支援体制整備事業を十月からスタートさせることとし、熊本県は本定例県議会で予算を審議いたします。
自己決定能力が低下している方々の生活を生活支援員がサポートしていくという制度であり、何らかの手助けがあれば自立が可能であるという方々にとっては必要な制度であると考えます。しかし、福祉サービスの利用援助から、それに伴う金銭管理なども援助することになっており、生活支援員とのトラブルが起こらないように、信頼のおける制度運営が極めて大切であると考えます。
この地域福祉支援体制整備事業において、特に介護保険と関連する生活支援員の業務はどのようなものであるのか、そして、事業の実施主体が熊本県社会福祉協議会、いわゆる県社協とされておりますが、これから生活支援員にどのような人を選び、どのように研修していくのか、また、トラブル防止策についてどうお考えていらっしゃるか、健康福祉部長にお尋ねいたします。
〔健康福祉部長宮本慶二君登壇〕
○健康福祉部長(宮本慶二君)
介護保険に関しまして二点のお尋ねでございます。
まず、第一点目の介護サービス事業の適正実施を行うための事業者の指導についてでございますが、介護保険制度におきましては、民間活力の活用を一層促進することとされており、多様なサービスの提供主体が介護サービス事業者として参入してくるものと期待されており、ケアマネージャーは、その事業者の職員として活動することになっております。 このため、ケアマネージャーが所属いたします介護サービス事業者等に対し、良質なサービスの提供が行われるよう適切な助言、指導を行うとともに、利用者からの不満や苦情に適切に対応していくことが、介護保険制度への信頼を確保し、介護保険事業の円滑な運営を図る上で重要であると認識しております。また、介護サービス事業者は、事業者みずからが提供するサービスの質について自己評価を行い、その質の向上に努めることとされており、県におきましても、必要に応じ指定事業者の検査を行い、指定の取り消しを含む適切な措置を講じることとされております。
さらに、保険者である市町村において、事業者に対する介護サービス利用者の苦情の相談を受けつけるほか、苦情処理を行う機関として、国民健康保険団体連合会が、事業者に対する必要な指導を行うこととなっております。このような介護サービス事業者に対する助言、指導を通して、ケアマネージャーの活動についての公平、公正が担保されるものと考えております。 今後、制度の施行に当たりましては、利用者本位のサービスが提供されますよう、ケアマネージャーも含め、介護サービス事業者に対する助言、指導を行い、事業の適正な実施について努めてまいります。
次に、地域福祉支援体制整備事業についてでございますが、この事業において、生活支援員が介護保険に関する業務として行う内容は、要介護認定申請の援助、要介護認定に係る訪問調査への立ち会い、指定事業者を選択する際の援助、利用料の支払い、利用に伴う金銭管理等でございます。
生活支援員につきましては、まず、援助の対象となります痴呆性高齢者、知的障害者等の方々を十分に理解し、かつ福祉サービスを利用するに当たっての知識と技術を持っている方が選ばれる必要があると考えております。このため、地域福祉支援体制整備事業の実施主体であります県社会福祉協議会は、生活支援員に対し国が定める内容の研修を実施することとされておりますので、この研修が適正に行われるよう指導してまいります。
また、トラブルを防止し、利用者にとって安心して利用できる制度とするため、対象者の要件に該当するかどうか、契約の内容の適否と疑義が生じた場合の審査等を行うものとして契約締結審査会を、また、実施主体の監視、必要に応じた実施主体に対する提言、利用者から苦情の申し立てがあった場合に必要な調査等を行うものとして運営監視委員会を設置することとなっております。
県といたしましては、直接利用者と接する生活支援員の活動や委員会の適正な運営等を通して、ひとり暮らしの痴呆性高齢者や知的障害者等の方々の権利が擁護され、地域で自立した生活が送れることを目的としておりますこの事業が定着するよう努力してまいります。