障害者プランの策定状況と地域福祉への取り組みと教育について [一般質問(2000年9月)]
○平野みどりさん
時間がなくなりましたので、質問を二つさせていただきます。一部割愛しますので、御容赦お願いします。
障害者プランの策定状況と地域福祉への取り組みですけれども、福祉改革をめぐる論議の中で、措置から契約へと いう制度改革が中心テーマとなって、社会福祉基礎構造改革論議が行われております。その中で、五月二十九日に、 参議院本会議にて社会福祉法として改正するなど、計八本の法改正がなされました。その中で、やはり官僚集権制と施設中心の政策体系から、分権と当事者参画及び地域支援中心の政策体系への論議がとうとう深まらないまま、利用の仕組みをめぐる論議に終始してしまったことはとても残念です。
これから地方分権の時代です。地方分権が単に霞が関からそれぞれの地方自治体に権限が移譲されるだけになるのではないかという危惧がありますが、そういう点、しっかりと地方自治体としても考えていかなければならないと思います。措置から利用契約型への移行が進められる時代にあっては、各市町村で選択し契約できるだけの十分なサービス基盤が整備される必要があります。ところが、市町村障害者基本計画、いわゆる障害者プランの策定済み自治体は、本年八月二十九日の時点で、やっと六三・五%に達し、数値目標を備えた計画となるとさらに少なくなります。懸念されるのは、これまで措置の仕組みの中では、国や都道府県が中心となって進めてきた障害者施策についての経験やノ ウハウが十分蓄積されていない市町村行政に一転移譲されるという点です。
翻って、熊本県の障害者プランですが、残念ながら、最下位の九・六%の達成状況であると発表されました。
二点、健康福祉部長にお尋ねします。障害者プラン策定状況をどのように分析されているか、そして、市町村を今後どのようにバックアップして地域福祉を進めていかれるのかをお尋ねします。
次に、教育についてお尋ねします。いじめ、不登校、中途退学など山積する教育問題について、今議会でもさまざまな角度で議員の皆さんが論議してこられました。まさに教育県議会の様相を呈しています。その中で、中退問題を取り上げるとすれば、先日の氷室議員の御指摘のとおり、熊本県の公立及び私立高校の中退率は二・六%と依然として高く、千七百三十八名の生徒が学校を去っている現状があります。
その前段の根源的原因として、今日の学力重視の高校入試による輪切りと、その結果としての不本意入学や遠距離通学の問題があります。高校中退率二・六%は、子供自身が主体的に新たな進路を求めて変更したように思いがちですが、それは正しくはありません。そんなことも関連して、ここ数年、もともと勤労学生の教育の場であった定時制、通信制を選択する生徒がふえてきています。総合学科へのニーズもふえています。
一方、進学校や一部の職業高校ですら、有名私大や国公立大学の進学者数アップのために、課外が恒常化しています。これも幸山議員が指摘されたとおりです。教師も、そして生徒ですら疲労しています。そういった生徒の多くは、自分の将来や職業について、じっくり考えたり、情報を得たり、みずから調べたりするなどして、学習への動機づけを得ることが極めて不十分な実態があるようです。む しろ、受験偏重教育の中で、いかに他人より点数や偏差値をとるかが学習の動機になっている現状は否定できません。この状況をどのように転換していくかが今日の教育の大きな課題であり、本来子供が持つ学ぶことへの喜びを取り戻していく教育へ変えることに知恵を出し合っていかなければならないと思います。
さきの高野議員の代表質問で、長野教育委員長がお答えになりましたように、近々、熊本県教育委員会による教育改革大綱が示されるようですが、まさに改革が必要な状況であることは明らかです。また、教育会議を立ち上げ、議論を深めていくとも答弁されましたが、ぜひその教育会議を、教育研究者、保護者、現場の教職員、財界人、医療関係者、教育委員会関係者、その他必要と思われる方々から成る教育改革会議として、現状の教育課題の解決に向けて、踏み込んだ論議の場にしていただきたいと思います。
子供は、だれも皆、本来みずからの力で自立していく可能性を持つ存在であると思います。子供の学ぶ力をつけていく、そういう教育にしていきたいというふうに思います。 教育に関しては、人それぞれの経験を含めて、人間の数だけ考えや思いがあると思いますけれども、今回の教育会議では、高校と大学、中学と高校との連携、さらに情報公開などを含めて、開かれた教育の議論の場になるようパブリックコメントを導入するなど、新しいやり方も考えていく必要があると思います。
いずれにせよ、熊本独自の具体的な教育改革の必要がもう待ったなしの状況です。論をまつまでもありません。教育長の断固とした意思をお聞かせください。
それから、男女平等教育への取り組みですけれども、男女混合名簿については昨年六月も質問いたしましたが、後ろ向きな教育長の答弁でとても残念でした。ジェンダーフリーを進めるために、男女混合名簿はとても重要だと思いますが、教育長の答弁を改めて求めたいと思います。よろしくお願いします。
○副議長(村上寅美君)
健康福祉部長田中明君。 蠇蠇残り時間が少なくなりましたので、簡潔に答弁願います。
〔健康福祉部長田中明君登壇〕
○健康福祉部長(田中明君)
障害者プランにつきまして、 これまで、市町村の障害者プランの策定につきまして、策定マニュアル等を市町村に提示したり、さまざまな支援をしてまいりました。しかし、その策定率が全国最低であることについては、県の市町村に対する働きかけが他県に比べておくれたことにも一因があると考えております。 今後、市町村が障害者プランの必要性を十分認識して、 早急に着手するよう取り組んでまいる所存です。
方式としましては、複数市町村が広域的な障害者計画を策定する方法を重点的に進めてまいることといたしております。 次に、一連の社会福祉基礎構造改革が行われまして、社会福祉に関する事務が市町村に移譲されます。そのために、業務が円滑に実施されまして、障害者の方々の生活支援に支障を来さないよう、これからも情報提供あるいは職員の研修といった議論と技術面からの支援や広域的な観点からの調整を行ってまいります。
〔教育長田中力男君登壇〕
○教育長(田中力男君)
まず、教育会議についてでございますが、中学と高校との連携、さらに高校と大学との連携、それぞれ大事であると思っております。今後さらに学校相互間の連携を深めていきたいというふうに考えており ます。 教育会議につきまして、御意見、御提言をいただきました。この教育会議における議論の進め方につきましても御意見をいただきましたが、どのような手法が効果的なのか につきまして、県民の意見の取り入れ方も含めて、今後さまざまな角度から検討を行ってまいりたいと考えております。
それから、男女平等教育の取り組みについてでございますが、学校における名簿につきましては、教職員の意見等を参考にいたしまして、最終的には校長の権限において作成されるものでございます。男女混合名簿に関しまして は、市町村教育委員会にその趣旨を十分説明するととも に、今後協議してまいりたいというふうに思っております。 今後、教育庁職員及び教員に対しまして、さまざまな研修の中で、男女平等についての意識を一層深めてまいりたいと考えております。
○副議長(村上寅美君) 昼食のため午後一時まで休憩いた します。 午後零時十三分休憩