都市圏交通のバス事業の再編について [一般質問(2005年2月)]
質問
(平野みどり)
次に、都市圏交通のバス事業の再編についてお伺いいたします。
平成23年春の全線開通を目標に、九州新幹線博多―八代間の工事が進められています。それまでに、利用者本位の――利用者本位というのが大事だと思いますが、都市圏公共交通に抜本的に改編していくことをちゅうちょしている余裕はありません。
そもそも、バス4事業者の赤字は、5年後の2010年には21億円に達し、事業そのものが立ち行かない事態が懸念されています。そういう意味では、県が座長を務めている熊本都市圏バス路線に関する検討会議において協議されてきた市営バス路線の民間への移譲などの競合路線の整理、路線の見直し、そして運行体制そのものの検討に、いよいよ本腰を入れなければならない段階と考えます。
そんな中、昨年12月には、熊本都市圏の公共交通問題を考える自転車・バス・電車が主役のまちづくり円卓会議の市民のメンバーの皆さんが、潮谷知事と幸山市長に、バス事業の再編に向けた提言を提出されました。
この提言では、民間3社の共同運行に向けた熊本公共交通連合――これは仮称でありますが、の設立を含む具体的かつ抜本的な改革案が提案されています。その中では熊本市交通局の民営化も提言され、波紋を呼んでいるところですが、毎年実質 15億円の赤字を出し続けている市交通局のあり方にも踏み込まざるを得ない段階であると私も認識しています。
このことについては、熊本市長にだけ英断を強いるのではなく、民間3事業体を含め、現実的にどうすみ分けていくか議論しなければなりませんので、県のリーダーシップも不可欠です。なぜなら、熊本都市圏の交通問題は、言うまでもなく、熊本市と熊本市内に行き来する周辺自治体の住民約100万人の問題であるからです。
そして、仮に、熊本市のバス事業が何らかの形で公的な事業として残るとすれば、少なくともドル箱路線はできるだけ民間に譲って、市内の交通利便性が悪いエリアを新たにカバーしていくなど、公的な事業体として税金を投入することに納得が得られるような展開が期待されています。もちろん、再編に当たっては、市交通局で働く職員を路頭に迷わせてはなりません。職員の不安と混乱を回避させるようなやり方に十分配慮しなければならないことは言うまでもありません。
いずれにしましても、残された時間は6年しかありません。新幹線開業時には、利用客の利便性を第一に配慮された新たなバス運行体制が既に整備を終えているように、これから前向きで具体的な協議をスピードアップしていく必要があります。
来年度以降の進め方と、また課題はどの点にあるかについて、地域振興部長の御所見を伺います。
答弁
地域振興部長(鎌倉孝幸君)
熊本都市圏の交通網の整備につきましては、九州新幹線の全線開業をにらんで、喫緊の課題と認識しております。
路線バスにつきましては、利用者数が昭和45年ごろのピーク時に比べて6割以上減少しております。現在も毎年約3%程度減少していることから、事業者の経営が悪化していることは御承知のとおりです。平成16年度の熊本都市圏の路線バス全体の赤字額は約10億円となっております。このまま利用者の減少が続きますと、5年後には21億円、御指摘のとおりでございます。さらには、10年後には30億円近くに達する見込みでございます。
県民の生活交通基盤であります路線バスを将来にわたって確保していくためには、一刻も早く、その抜本的な見直しに取り組むことが不可欠と認識をいたしております。
このような観点から、平成15年度に、県、九州運輸局の担当部長、熊本市の交通事業管理者及び担当局長並びにバス事業者の役員クラスで構成いたします熊本都市圏バス路線に関する検討会議を設置いたしまして、競合路線の整理、バス路線網の見直し及び運行体制の見直しについて協議を進めているところでございます。
このうち、競合路線の解消策として、昨年6月に川尻市道線から市営バスが撤退した結果、対象路線における市営バスの赤字削減や民間バスの黒字転換など、全体で1億2,000万円の収支改善が実現したところでございます。
これについては、熊本市及びバス事業者において、等間隔ダイヤへの見直しなどによって利便性を確保した上で、沿線の住民説明会を開催し、利用者の理解のもと実現したものと思っております。本年4月には、川尻国道線、池田大窪線及び野口健軍線の3路線についても競合の解消が実現する予定であります。事業者の収支の改善がさらに期待されております。
1例を申しますと、競合の最たるものとして、手取本町、バス事業者4社で、1日に 2,800台のバスが往復しております。こういう現実というのを極めて――先ほどお触れになりました環境問題に対してでも、そういう観点からも、しっかり乗客の方の利便性を確保しながら、どう再編するかというのは非常に大事な要素だと認識しております。
県としては、さらに熊本都市圏の路線バス全体について、運行体制を含めた抜本的な見直しを行うことが必要と考えており、本年度、県と熊本市及びバス事業者とで共同で行っております運行体制見直しに関する調査におきまして、路線バスの共同運行やバス事業者の再編のパターン及びその効果について整理を行っているところでございます。
このようなバス事業の根幹にかかわる見直しは、事業者としての経営判断を要する重要な事柄であることを認識し、関係機関のトップによる合意づくりが肝要と考えております。その際には、直接バス事業を行っていない県の役割が公平のもとに期待されていると認識しております。
先月開催した第6回検討会議におきまして、そのような考えに立って、4事業者体制の見直しの必要性も含めて問題提起を行うとともに、トップ会談の開催についても提案を行ったところでございます。
県としましては、県民の重要な生活交通手段であります路線バスを将来にわたって守っていくという観点から、本年度の調査結果を踏まえて、軌道と路線バスを有する公営交通の守備範囲のあり方、現在の経営環境における民間バス事業者3社体制のあり方など、さらには、議員御指摘のとおり、バス事業の従事者の不安と混乱を来すことのないように配慮、念頭に置きつつ、熊本都市圏の路線バスの抜本的な見直しについて、関係者との協議を平成17年度も引き続き積極的に進めていきたいと考えております。
(平野みどり)
知事、そして直接協議に出ておられる鎌倉地域振興部長のリーダーシップを本当に期待しております。かなり踏み込んで、バス――ただ調整するだけでなく、県がリーダーシップをとってやっていくんだということを強く言っておられました。17年度、さらにスピードアップをして協議を進めていただきますように切にお願いいたします。そして、市営バスの皆さんたちが、本当に不安にならないように、やりがいを持って新たなバス事業に入っていけるような、そういった配慮もぜひ必要だろうというふうに思っております。
地球温暖化に関しましては、先ほど言いましたように、自家用車がふえたということ、何よりもこの自家用車を公共交通に移していく、そういったことをぜひとも6年後には実現させていきたいというふうに思っています。