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中国等帰国生徒、外国人生徒への支援について [代表質問(2005年9月)]

・日本語習得のための支援体制について
・高校入試に際する配慮について

質問

(平野みどり)
 次に、中国等帰国生徒、外国人生徒への支援について伺います。
 親に伴われて来日する日本語を話せない子供たちが近年増加をしているのですけれども、その中国等帰国者の家族として、また、親が日本人と結婚した等の理由で子供たちは来日しています。現在、熊本市内の小中学校に通う中国帰国・外国人児童生徒は毎年平均約130名で、日本語の指導が必要な約40名が黒髪小学校の日本語教室や本人の在籍校で日本語の指導を受けています。
 当初は、熊本市内の公民館で放課後を利用して、見かねた日本語指導者がボランティアで行っていました。その後、熊本市教育委員会により、週1回の白川中、大江小への日本語指導員の派遣がスタートして、その後指導員が3名に、訪問校が4校にふえるなど、徐々に前進してきました。
 そして、平成11年、12年度に、文部科学省の外国人子女教育受入推進地域の指定を、さらには平成13年から18年まで、帰国外国人児童生徒とともに進める教育の国際化推進地域の指定を受けたことによって、黒髪小学校が日本語指導センター校になり、現在、専任の教諭が3ないし4名、指導協力者が4名で、センターでの指導や在籍校での訪問指導を行っています。
 日本語を習得すると一口に言っても、事は簡単ではありません。日常生活言語としての日本語は、子供たちのことですから、1年ほどで比較的早く使えるようになります。しかし、母語もままならない――母語というのはマザーランゲージですね。要するに、自分の母国語もままならない段階で、教科内容がわかる程度に日本語を習得していくには、平均4年ないし5年はかかると言われています。その間の日本語指導が適切かつ十分に行われなかったがために、本人の能力とは別に、学習についていけないとなれば、本人の精神的安定や発達や成長にも影響が大きいと思われます。
 したがって、黒髪小学校の日本語教室をさらに拡充していくとともに、熊本市内やその周辺以外に住んでいる児童生徒への日本語の支援に全県的に取り組む必要があると思います。各学校現場においては、黒髪小学校日本語教室で行われている中国等帰国生徒や外国人児童生徒への支援体制の周知――知らない学校も多いんですね。周知と、各学校での指導に当たっている先生への日本語習得指導についての研修が必要です。日本語を教えるということを経験していない先生たちにとっては、やはり研修が必要なわけです。
 熊本県での現状の把握と支援の取り組みはいかがか、お尋ねいたします。
 次に、高校入試に際する配慮について伺います。
 高校進学率が今98%を超えております。将来日本で社会人として生きていくために、帰国生徒及び外国人生徒たちも高校進学を強く希望しています。しかし、高校入試のハードルは決して低くありません。
 これに対し、県教育委員会は、高等学校入学者選抜要項に「10 海外帰国生徒等の取扱」という項目の中で「選抜に当たって特別の配慮をすることができる。」としています。個別には時間延長などの対応がされてきていますが、受験する側としては、それらが具体的に明文化されていないことにより、情報が必要なところに正しく伝わっておらず、初めから高校入試をあきらめている人もいる現状です。
 そこで、本県における中国帰国生徒及び外国人生徒の実情に合った県立高校入試に際しての時間延長などの特別な配慮を設けること、また、数校に特別入学枠あるいは推薦枠を設けることの2点について、今後どのように対応されるか、教育長に伺います。

答弁

教育長(柿塚純男君)
 まず、日本語習得のための支援体制についてでありますが、県教育委員会では、当該児童生徒の学力を保障し、個性を伸ばすため、学習支援体制等の充実を図ることは極めて重要であると認識をしているところでございます。
 このため、先ほど平野先生の御質問の中にもありましたように、熊本市の黒髪小学校に3名、また、菊陽町の武蔵ヶ丘小・中学校にはそれぞれ1名の先生を加配の上配置し、外部人材を活用した指導協力者とともに、日本語指導に当たっているところでございます。
 黒髪小学校におきましては、日本語指導に加え、夏季休業中に中学生に対して教科等の集中指導も行っており、また、武蔵ヶ丘小・中学校では、教育相談やTTなどによる学習支援活動にも取り組んでいただいているところでございます。
 また、私ども毎年、県内の帰国・外国人児童生徒の受け入れ状況を調査するとともに、国主催の日本語指導研修会に関係教員を派遣し、指導力の向上及び研修成果の普及等に努めているところでございます。
 今後とも、市町村教育委員会と連携しながら、支援あるいは支援体制の充実を図ってまいる所存でございます。
 次に、本県の高校入試における海外帰国生徒等への特別配慮についてでございますが、具体的な規定を設けず、時間延長や面接を選考資料の一つとするなど、一人一人の受験生の実態に即して柔軟に対応してきたところでございます。しかしながら、本制度について十分知られていないという指摘もあることから、この制度の内容や趣旨等について、今後改めて周知に努めてまいりたいと考えているところでございます。
 また、特別入学枠等については、それ以外の受験生への影響も考慮しながら、慎重に検討を進めてまいりたいと考えております。
 今後とも、高校入試が受験生や保護者等に一層信頼されるものとなりますよう努めてまいる所存でございます。


(平野みどり)
 外国人の子供たちが本当にかなり日本に来ています。皆さんも日常的にいろんなところで、ああ、この子は外国人かな、中国の子供でしたら、やはり日本人とほとんど顔が変わりませんのでわかりませんけれども。本当に子供たちというのは吸収力というのがすごくありますので、日本語を日常的には話せるようになるのですけれども、物を書いたり読んだりすることに対しては、本当に母国語がまだしっかりとしてないうちに日本に連れてこられてというか、来てしまって、そして日本語をしっかりと習得していくということの難しさというものがあるというふうに思います。
 実は私ども、5月の終わりから6月にかけて、デンマークに視察させていただきましたけれども、デンマークも移民が多い国なんですね。きちんと移民の方々が、労働者としてデンマークに貢献してもらえるような教育をしっかりと進めています。
 まずやるのは、デンマーク語の習得、これをしっかりとさせます。と同時に、かの国がすばらしいなと思ったのは、例えば、イスラム圏から来た子供たちには、イスラムの文化もしっかり教えて、そして言語も習得させる。なぜならば、やはり親の世代とのコミュニケーションがとれないということが家庭の破綻につながったりするからですし、自分のアイデンティティーというのをしっかり持って、デンマーク人として大人になっていくというようなことを保障するからなのです。
 まだ日本語を――日本においては母語の教育、つまり中国から来た子供に対しては、中国語や中国の文化、歴史に関しての指導をするということも不十分な状況で、日本語すらまだ熊本県全体でどれだけフォローされているのかというのはわからない状況ですけれども、今御答弁にありましたように、取り組みは前向きに進んでいると思いますので、現場の実践をされている先生方との連携の中、どこがまだ足りないのかというようなことをしっかりと把握しながら取り組んでいっていただきたいと思います。
 それと、高校入試制度はことしから変わりましたけれども、新たなこの入試制度に、もう本当についていけないという子供たちがいるようです。入試というのは、決して日本人の私たちですら楽なものではありません。ましてや、母国語でない子供たちにとっては、何らかのハンディを与えるといいますか、配慮をするということは必要ではないかなと思います。その子の日本語の習得力にもよりますけれども、個々にきちんと対応していただけますように、重ね重ねお願いいたします。


お問い合わせ 平野みどり事務所 860-0066 熊本市城山下代4-7-28 
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