児童虐待防止対策、DV対策に関する熊本市との連携について [代表質問(2005年9月)]
質問
(平野みどり)
次に、児童虐待防止対策、DV対策に関する熊本市との連携について伺います。これもやはり熊本市との連携です。
熊本県においては、中央児童相談所と八代児童相談所において、児童虐待相談に対応しています。児童虐待相談件数は、ほぼ全国の伸びと同じ推移でふえ続けています。平成16年度には、全国での相談件数は、10年前の平成7年度と比べ12 倍の3万3,000件に増加しており、本県では約11倍の307件の相談となっています。
307件の内訳は、43.7%が身体的虐待、ネグレクト、これは育児放棄といいますが、37.1%、あと、心理的虐待が15.9%、性的虐待も3.3%あります。このうち29件は職員による立入調査を必要とし、さらにそのうち18件が県警援助要請が必要であったケースとなっています。
このように、児童虐待への社会の認識が深まってきたため、第三者による相談や通告も含め、虐待されている子供の保護が進んできました。しかし、一方、一つ一つのケースは複雑な背景を持ち、職員の大変さは想像にかたくありません。もう命がけだという話も聞きます。
さて、中央児童相談所で対応している児童虐待の相談件数の約65%が、実は熊本市の児童に関する相談です。児童虐待が疑われると、熊本市から中央児童相談所に相談、通告があり、学校、保育所等関係機関への調査を行い、相談を受け、必要な場合は一時保護がなされます。
実は、昨年の児童福祉法の改正により、それまで都道府県と政令市が設置することとなっていた児童相談所が、子育て支援から要保護児童対策まで一貫した児童福祉施策の実施という観点によって、平成18年4月1日より、中核市程度の人口規模30万を有する市も、政令で児童相談所の設置が認められるようになったのです。人口66万の熊本市の場合は、政令市を目指している点からしても、今後中核市であっても児童相談所の設置が必要と思います。本県としても、熊本市以外の地域での潜在する児童虐待の相談や保護に対応する体制を強化していくことができます。
また、同じく、昨年の配偶者暴力防止法改正により、都道府県が設置する婦人相談所その他の適切な施設において運営されてきた配偶者暴力相談支援センター、通称配暴センターといいますが、ここを市町村もみずから設置することができるようになり、支援センターは、その業務を行うに当たっては、必要に応じ民間団体との連携に努めるものとされました。
県の人口の3分の1を有する熊本市であり、児童相談所、配偶者暴力相談支援センターにおける相談も熊本市に集中している点からしても、これから政令市を目指す熊本市にとっては設置を検討していく必要があると思っております。その際、熊本県としては、ノウハウや専門家の養成も含めて支援していく必要があると思います。
健康福祉部長と環境生活部長に御所見を伺います。
答弁
健康福祉部長(原田正一君)
児童虐待防止対策に関する熊本市との連携についてのお尋ねでございますが、現在、熊本市におきます児童相談につきましては、県の中央児童相談所において管轄をしております。
お話にもありましたけれども、中央児童相談所におけます平成16年度の相談実績のうち、熊本市に係る相談は約4割、児童虐待に限って申しますと6割強を占めている状況でございます。また、その件数も年々増加傾向にあります。
一方、これも御紹介ありましたけれども、昨年の児童福祉法改正に伴いまして、ことしの4月から、新たに市町村が児童相談の窓口として位置づけられますとともに、平成18年度からは、中核市程度の人口規模を有する市も、希望すれば児童相談所を設置できることとされました。
県といたしましては、このような状況を踏まえまして、まずは、熊本市における相談窓口機能の充実のため、昨年の12月に、県の中央児童相談所が熊本市の保健福祉センターと連絡会議を設置しておりまして、支援を行っているところでございます。
今後、仮に熊本市が児童相談所を新たに設置する場合は、体制の整備、特にその中でも相談対応に当たります専門的な人材の育成が重要であると考えております。
県といたしましては、熊本市の意向も踏まえまして、これまでに蓄積をいたしました児童相談対応のノウハウを生かし、人材育成などその体制整備にできる限りの協力を行っていきたいと考えております。
環境生活部長(上村秋生君)
DV対策に関する熊本市との連携についてでありますが、県では、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法の平成14年4月の施行と同時に、女性相談センターの中に配偶者暴力相談支援センターを設置し、被害者からの相談に応じたり、情報提供や一時保護に当たっているところでございます。
当センターが受けた相談件数は、年々増加傾向にあり、平成16年度の相談実績は全体で約750件、うち熊本市に係る相談は約4割という状況になっております。
昨年12月、DV防止法が改正され、市町村でも同様のセンターを設置することが可能となったため、県では、熊本市を含めた全市町村に対して、担当課長を集めた会議などを通じて周知を図ってきたところであります。
今後、熊本市が配偶者暴力相談支援センターを新たに設置される場合には、県としても、必要となる人材の養成などについて、できる限りの支援、協力をしてまいりたいと考えております。
(平野みどり)
児童相談所と配偶者暴力相談支援センター、配暴センターの設置を、ぜひ熊本市でもやってほしいという思いを私は持っております。やはり、熊本県全体――県はほかにもカバーしなければいけないわけですので、一極に、熊本市に集中しているこの業務が少し軽減されたら、周辺への支援がもっと充実するわけですね。何よりも、熊本市の政令市を目指すということを支持されている議員さんたちも多いと思いますけれども、こういった一つ一つの機能を中核市であることでできるのだったら、やっていくことによって、政令市になっていきなりやらなければいけないという状況から、段階を踏んでいけるというふうに思っています。そういう意味でも、政令市になることを支援するという観点からも、こういったセンターなどを、児童相談所、児相ですとか配暴センター、こういうものを中核市で置ける、市町村で置けるということでしたら、積極的に熊本市にはやっていただきたいというふうに思っています。
担当の方からは、そういうものを設置される場合は支援をしますという御答弁でしたけれども、本当はやってほしいのですというのが、何か行間から私なんかは感じとれるところですが、そういう意味で、熊本市がしっかりこういった支援をできる体制づくりを今後されていくことを、私たちも支援していきたいというふうに思っております。