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財政再建と県政運営について [代表質問(2001年2月)]

1.財政再建と県政運営について
(質問)

 本県は、いかなる理由で今日の財政危機に陥ってきたか。

 平成13年度末には、我が国の国・地方合わせた長期債務残高は666兆円にもなろうとしている。借金大国である我が国が引き金となって、世界的な大恐慌の危険性すらあると指摘する経済学者もいる程、深刻な状況。県財政も厳しい局面を迎え、財政健全化期間を平成13年度から17年度までの5年間とし、このうち、はじめの三年間を「緊急集中期間」として、歳入・歳出の量的削減目標が示された「財政健全化計画」が立てられた。
 まず、本県は、いかなる理由で今日の財政危機に陥ってきたかということを、もう一度捉えておく必要がある。そして責任の所在が、どこにあるかということも重要な点である。
 このことについては、昨年末、知事も言及されたが、建設、農業土木において、集中的な国の補助事業に付き合わされてきたことは、紛れもない事実。もちろん、国体関連施設整備事業等ハコ物の建設が続いてきたことも要因である。そもそも、財政に赤信号がともりつつあった熊本県にとって、身の丈にあった施設規模であったか多くの県民が疑問を感じている。責任の所在はどこにあるか。チェック機能を果たしてこなかった議会にも重大な責任があり、国の経済対策に追従した前福島知事他歴代のリーダーにもある。更には、景気対策の名の下に、地方財政をとことん疲れさせてきた国の責任も大きい。
 だからこそ、私たちは、今後、健全な体質の地方自治体として再生を図るにあたって、今一度、国と地方の関係をしっかり見つめ直し、地方の主体性を持って、県政運営を行っていくのだという、決意を持たなければならないと考える。
 昨年、4月に地方分権一括法がスタートし、次々に権限が委譲されてきておりますが、地域の裁量で事業展開が進められるよう、地方への財源を求める声も一層強くしていかなければなりません。同時に、これまでと変わらないしくみや考え方で、県政を動かしていっていいのかという、職員の危機感も必要。手持ちの事業にしがみついてはいないかも問い直す必要もある。
 また、地方の時代の健全な県政運営を着実に進めるためにも、これまでの「補助事業に伴い肥大化した組織(土木、農業土木等)」にメスを入れるなどの、抜本的な組織改変も含め検討する段階にありはしないか。

客観的判断を加える予断のない第三者と徹底した見直しを!

 さて、今回の財政健全化においては、歳入において県税収入確保や県有財産の売却も促進することになり、およそ110億円確保の量的目標が示されました。また、歳出においては、全課、全事業において「聖域なく見直す」という知事の方針の下、削減努力がなされており、緊急集中期間は一般事務経費の30%が削減など、物件費94億円がカットされる。また、昨年末から論議が起こっていた一般職員の給与の2%カットを含む人件費の75億円も削減された。
 しかし、県民が最も注目しているのは、いかに公共事業削減に切り込むかである。もちろん、県民に最も身近な、生活基盤整備の公共事業まで削減せよと言わない。必要な公共事業が様々あることは言うまでない。
 今回、財政健全化計画の中で、10億円以上の大規模事業がAからDまで、5段階のランク付けがされたが、この試みは評価できる。しかし、財政を圧迫している大規模事業のうち、見直しや中止や休止が、ここで対象となる全340事業のうち、わずか14事業であることは少々信じられない結果である。緊急集中期間中にでも進めるべきものか、そもそも客観的に判断して必要な事業どうかも含めて、更に精査しながら再検討を要する。
 その際、自分が進めている事業を休止または中止を視野に見直すのはなかなか難しいと聞く。ならば、客観的判断を加える予断のない第三者と、この任務にだけあたる県職員を含めたチームを立ち上げ、徹底した見直しを進めるべきではないか。

公共事業偏重で進められきた県政から、福祉や教育予算を充実させ、新たな活性化を図る県政へ

 また、今回の見直しで今後の検討課題と思われるのは、メリハリをつけるべきだということです。一律の削減や見直しを、機械的に全部署の全事業に適用させていいものかということです。確かに、長年漫然とした事業の進め方をしていたのならば、それを見直し、効率化やスリム化を図ることは、どの分野においても必要なことであり、それ自体を否定するつもりはありません。しかし、平成13年度当初予算では、介護保険に伴い高齢者福祉サービス等、民生費が対前年度1.9%伸びたとは言え、ここ10年の公共事業の伸びとは比べものにならない程度。また、教育費については、様々な課題を抱え、研修の充実等が期待されながらも、伸びるどころか削減されている。これでは、残念ながら、21世紀を展望する新たな舵切りが感じられないと言わざるを得ない。
   公共事業偏重で進められきた県政から、福祉や教育予算を充実させ、新たな活性化を図る県政へと、シフトする時期ではないか。厳しい予算編成の中で、平成13年度、知事は、児童虐待やドメスティックバイオレンス対策、また男女共同参画を県民あげて進めるための、県民交流プラザにかかる予算等が立てられた。その他、時代の要請に応える適格な判断は評価したい。しかし、根本的な県財政の体質改善や機構改革なくしては、これから更に増えていくと思われる民生関連のニーズには応えられないと思います。
 公共工事依存の時代は、明らかに終わったのです。産業構造の変革は、県だけで取り組むには限界もあるが、福祉・教育の重点化など「人を真ん中」に置いた事業の推進と、そこから産まれる新たな産業や雇用の支援へと、舵を切る必要がある。
 財政再建と21世紀を切り開く県政運営には、知事自らがリーダーとして、国の論理に振り回されない主体性と展望を持って、抜本的な県政の構造改革とそれに呼応する予算配分に取り組むべきであると考える。そこで
①職員の意識改革と抜本的な組織改編について
②大規模公共工事の見直しについて
③抜本的な構造改革と予算配分について、 所見を伺う。  

(答弁:知事)

①「国に指示を仰ぐ」から「住民の意見を起訴に自ら判断する」意識が必要。私自らその考え方や姿勢を示し、意識改革や能力開発に積極的に取り組む。また、地方分権、県民ニーズの多様化や増大、社会経済情勢の変化に的確に対応できるよう、既存の組織・機構や事務事業全般にわたり点検を行い、簡素で効率的な執行体制の整備に取り組んでいく。
②事業の優先度をしゅん別し、重点化を図る観点から、事業推進の在り方について検討を行ったもので、事業の中止、休止等計画の大幅な見直しを行うことだけを目的としてはいない。結果をオープンにした試みについて、県議会や各方面から意見をいただき、継続的に検討を行っていきたい。
③これまでも福祉、教育、環境の分野に目を配りながら運営してきたが、経済の停滞が長期にわたる中、本県は、県内経済は公共投資に依存する度合いが高かった。財政健全化計画に基づき、補助公共事業は9.7%、単県公共事業は20.2%と大幅な削減を行った。一方、九州新幹線整備に要する経費等を確保し、「子ども総合療育センター」の機能充実など重点化を図っているところ。準用再建団体に陥ることなく、財政健全化の道筋を付けて参りたい。今後の予算編成に当たっては、県民や地域のニーズを把握した上で、真に必要な事業を計上していきたい。


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