海洋異変について [代表質問(2001年2月)]
2.海洋異変について
(質問)
いかに水門を開け、干潟を取り戻すかという議論を一日も早く深めるべき
九州農政局の統計によれば、ノリを除く、有明海の漁獲高は、79年の13万6千トンをピークに、しだいに下降線をたどり、一部例外はあるものの、ついに98年には2万7千トン台まで落ち込んでいる。2000年の統計は、恐らく2万トン前後に止まるのではと予測されています。本県に関して見れば、77年の7万6800トンをピークに、99年には5千800トンと、実に、20年で1割に満たないまでに減少している。かつての豊穣の海、有明海の漁獲高を著しく変化させたのは、アサリ、タイラギなどの貝類が壊滅状態になったことであり、貝類は、水質浄化力が高く、海の腎臓の役割を持っていることを考えれば、有明海の水質が汚濁し、豊かではないことの証明でもある。
地球温暖化による近年続く海水温の上昇、生活雑排水等河川から海に流れ込むリンや窒素や有機物等による富栄養化、筑後川、菊池川のダムや堰による水質水量の変化他、いくつも重なった環境負荷に、とどめを刺すかのような、諫早湾の潮受け堤防建設による干潟の減少ではないか。
さて、県民クラブでは、有明海視察後の2月13日に、潮谷知事に「有明海海洋異変に関する申入書」を提出した。本県においても、県水産研究センターが中心となり、原因究明が行われていくものと期待しますが、その際、行政の研究機関・研究者や大学の研究機関、そして、海を肌で知っている漁業者の皆さんも含め、実効性のある対策に向けての研究を、更に進めていく必要があると考えます。しかし、その一方で、水俣病の研究者である原田正純先生が指摘される水俣病の重い教訓を忘れてはならない。つまり、科学的な解明を待ってからでは、手遅れになりかねないため、不確実性が残る中で行政として迅速に意思決定をするかということです。もはや、水門を開けるかどうかの問題というより、いかに水門を開け、干潟を取り戻すかという議論を一日も早く深めるべきだと考えるが、どのようにお考えか知事にお尋ねする。
活力ある海を守り、取り戻すための研究や研究スタッフ増員を!
また、このような緊急事態も含めて、今後しばらく水産資源と環境に関わる時限的な調査研究の必要性が続くと思われます。昨年から大きな被害が出ている八代海の赤潮調査や、今般の有明海の異変に関する調査等、次々とタイムリーな対応が必要になり、人的な配置も含め十分な予算が必要であると思いますが、単独で1千万円の漁場環境調査費を予算化では不十分ではないか。
漁港の整備は進んだが、活力ある海を守り、取り戻すための研究や研究スタッフ増員など、ソフト面に充てる費用を一層充実させる必要性がある。どのように認識し、今後どう取り組んでいくのか。
(答弁:林務水産部長)
有明海、八代海における漁場環境の変化については、大きな課題と認識し、これまで以上の積極的調査、研究が必要と考える。既存の事業の見直しと重点化を進めつつ、H13年度から「有明海漁業生産力調査事業」、国と関係3県共同の有明海の総合調査など、漁場の回復に向けた調査、研究を実施していく。現在の水産研究センターや関係部局、大学等と共同研究を推進し、資質の向上を図り、海の再生という本県水産業界の期待に応えていきたい。