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インクルーシブな教育について [代表質問(2001年2月)]

(2) インクルーシブな教育について

一人一人の成長の中で、必要なニーズにどう対応していくか

 次に、障害児教育について伺います。インクルーシブな教育またはインクルージョンとは、1994年にスペインのサラマンカで開催された「特別なニーズ教育に関する世界会議」で採択された「サラマンカ宣言」を支える考え方です。つまり、子どもが個別の教育ニーズを持つことを踏まえて、障害のある子どもだけでなく、すべての子どもを学校で包み込むこと(インクルージョン)を教育の原則とするという考え方であり、今や、先進諸国のみならず、世界的な動向となっている考え方です。
 さて、日本では1979年以来、障害を持つ子どもは、盲学校・聾学校・養護学校で就学するとした、養護学校の義務化が実施されてきた。しかし、地域の学校で地域の子どもたちと共に育ち合いたいという、子どもや親の思いがノーマライゼーションの進展とともに、着実に広がりを持ってきた中、サラマンカ宣言から6年経つ昨年11月、文部科学省の諮問会議である「21世紀の特殊教育の在り方に関する調査研究協力者会議」の最終報告「21世紀の特殊教育の在り方について~一人一人のニーズに応じた特別な支援の在り方について~」を発表し、これまでの方針の転換を明らかにした。分けるのではなく、共に生きる、共に育ち合うという教育を求めて運動してきた私たち当事者にとっては、やっとここまできたかという思いだ。これから、制度的な裏付けの下に、盲・聾・養護学校との連携の中、地域の学校へと選択肢が広がっていくことは歓迎すべきことである。
 今後は、この報告書に基づいて施策が進められていくことになりますが、その際、障害のみに着目し、障害を克服するもの、乗り越えるもの、治療するものとして捉えるではなく、障害とともにある一人一人の成長の中で、必要なニーズにどう対応していくかという視点が不可欠。

子どもたちの心の有り様や個別の問題や課題の多様性に向き合い、包み込むことこそが、教育の専門性

 そして、私は、インクルージョンという考え方を、障害を持つ子どもにだけ適用させていくのではなく、様々な課題や事情を持つ子ども一人一人に向き合うときも、インクルージョンつまり、包み込んでいくという考え方を基調にすべきだと考える。インクルージョンの反対は、エクスクルージョン(排除する)ということだが、不登校や出席停止などを考える際、包み込む視点があったかを、学校現場でも問い直す必要があるのではないか。
 これまで、いわゆる障害児・健常児などという分け方に何の疑問も持たずに来た方も多いと思う。やっかいで迷惑な存在として障害を持つ子どもたちを捉えてきた側面は否定できない。しかし、よくよく考えると、どこからが障害があってどこからが障害が無いのかを、果たしてどう線引きできるのか。子どものニーズに向き合う教育は、どの子どもにとっても必要であり、子どもたちの心の有り様や個別の問題や課題の多様性に向き合い、包み込むことこそが、教育の専門性でである。
 すなわち、インクルーシブな教育の実践は、すべての子どもたちを取り巻く今日的教育の課題を考える方向性であり、敢えて言うならば、詰め込みや画一的評価に偏りがちな今日の教育を変える力を持ち、子どもたちの「生きる力」につながると確信を持って言うことができる。障害を持つ児童・生徒等に対するインクルーシブな教育についての見解と、更に広くとらえた包み込む教育と教育改革について、教育長に伺う。
 また、本県でも、保護者や本人の希望により、小・中学校において、個別のインクルージョンが実践されている例はあり、今後は制度としてニーズに応じた支援が実施されていくものと期待する。後期中等教育については、平成13年度から大阪府立の4つの高校で、知的障害のある生徒の受け入れがスタートするが、本県においても研究する必要がある。しかし、まずは本県の当面の課題である、養護学校高等部や高等養護学校への全員入学を実現することではないか。全員入学が果たせていないのは、九州8県のうち本県だけ。財政が厳しい状況であることは、十分承知しているが、インクルージョンの基本である、教育を受ける機会を保障するという意味においては、社会的に一番弱い立場におかれている人たちに、これ以上しわ寄せが続くことは許されないのではないか。教育長に伺う。

(答弁:教育長)

  これからの特殊教育は、障害のある子どもの視点に立って、一人一人のニーズを把握し、必要な支援を行うことが重要であると認識している。
 本県としても、市町村教育委員会と連携した早期からの教育相談や保護者・本人の意向を大切にした就学指導、さらに個別の指導計画に基づく質の高い教育実践に努力したい。今後とも、インクルーシブな教育の理念を尊重しなが取り組んでいく。
 また、すべての子どもの教育においても、個性を重視し、個に応じた教育の充実に努めながら、その在り方について研究していくことは、教育改革を進める上でも意義があると考える。 なお、養護学校高等部や高等養護学校への全員入学については、希望者がいずれかの養護学校へ入学出きるよう努めてきており、H13年度は全員が入学可能な状況にある。


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