トップページおしらせブログ活動報告議会報告政策プロフィール事務局お問合せ
 

« まとめ | 議会報告トップ | DV防止法について »

「川辺川ダムについて」「男女共同参画推進条例について」「教育現場における男女共同参画推進条例の意味について」 [一般質問(2001年12月)]

(平野みどりさん)

 おはようございます。熊本市選出の県民クラブの平野みどりでございます。県政、国政において非常に厳しく、そして重要な課題が山積しておりますが、政治に携わる一人として、責任を持って今後も取り組んでいきたいというふうに思います。
 早速、通告に従って質問をさせていただきますが、本日少しボリュームが多過ぎて早口になると思いますが、どうぞ御容赦ください。よろしくお願いいたします。

 まず、川辺川ダムについて御質問いたします。

 昨日、国土交通省は、川辺川ダム事業の本体着工に向けて、球磨川漁協の共同漁業権などの強制収用の裁決を県収用委員会に申請すると発表しました。懸念はされていたものの、九日の川辺川ダム大討論会直後の決定は、多くの県民の感情をさかなでする無神経な決定と言わざるを得ません。

 さて、今回の川辺川ダム大討論会は、反対、賛成を交えて議論の場をつくるという潮谷知事の大英断であり、心より敬意を表したいと思います。また、長時間にわたり、開催準備や当日の運営に当たられた執行部や地元球磨地域振興局等県職員の皆様には、大変お疲れさまでした。私も県政史に残る場面に立ち会えたことに深い感慨を覚えました。

 終盤、議論が白熱する中、推進派の皆さんが退席するというハプニングの中で、間髪を入れずに立ち上がり、マイクを握って、知事です、議論はまだ終わっていません、話し合いに背を向けていいのですかと制止された場面では、胸に熱くこみ上げるものがありました。そして、知事のその言葉は、この討論会そのものをあらわしているように思えます。これからが、やっと当事者が同じ場所でテーブルに着き、正面から向き合った議論がスタートしたのだと感じました。

 討論会での議論は、並行線だったとか、国土交通省を論破し切れなかったと評する向きもあります。しかし、私は、一民間団体である川辺川研究会が、あくまで国土交通省のこれまで出してきた限られたデータに基づき、川辺川ダム事業を検証して代替案を準備するなど、手弁当でよくぞここまで行えたものだと感心しました。そして、彼らはまず、五木村、相良村の振興策の重要性に言及し、さらに、単に無責任に決壊の危険性の高いダムによる治水に反対するだけでなく、ダム以外の治水の可能性を探ろうと、みずからの案を提示したのです。

 ですから、民間のボランティア組織である川辺川研究会が、仕事としてダム事業を進めている国土交通省の主張を論破できなければ、ダムはやはり必要というストーリーには、そもそも無理があり、無謀と言えます。これまでさんざん開示を求めてきたデータが、やっとあの討論の場で国土交通省から資料として出されたわけですが、まだまだ開示が不十分であるなど、納税者である国民に対して、命にかかわるデータが開示されていないことには大変遺憾です。

 また、短期間での開催準備のため、川辺川研究会の提出した代替案報告書を執筆した中心の学者が、既に大事な用が入っていたため、当日会場に来ることができないなどという事情がありました。そういった意味において、今回で終わりとせずに、今後も議論の場を継続的につくっていく必要があると思います。その際は、まず国土交通省こそが、ダムが前提という論点のみに立ち議論を交えるのではなく、全流域の納税者への説明責任を果たすという点でも、求められた情報を速やかに開示し、県民にひとしく対応すべきだと思います。そのことは、熊本県からも強く働きかけていただきたいと思います。そういう状況を踏まえて質問いたします。

 まず、第一点目についてですが、

冒頭に述べましたように、国土交通省は、この強制収用の手続をとることを決めました。そもそも、この川辺川ダム事業は、既に二回にわたり球磨川漁協が補償交渉を否決し、八代、不知火の漁協も海洋異変にかかわる大きな懸念を払拭することができず、さらに九日の大討論会でも議論が紛糾したままの事業です。

 さらに、新聞のアンケートでも、五四%の県民が反対の立場をとっています。県民世論が二分されているような事業を、国も県も財政が破綻の危機にある今日、強制収用までして事業執行していくことに対して、知事は率直にどうお思いでしょうか。収用への申請決定に対して、昨日、小泉首相も、地元のことを一番よく知っているのは知事、よく相談するようにと談話を発表したとのことですが、国土交通省の進め方に対して首相もくぎを刺したと受け取れます。

 二点目について伺います。

 今回の討論会で、国土交通省は議論が尽くされたと考えているのでしょうが、知事も討論会を終えてからの会見でも、そしてきのうの会見でも、議論は尽くされていない、今後も国土交通省は県民が納得いくまで説明責任を果たすべきとの認識をお持ちと受けとめています。あのような規模の大討論会が可能かどうかは別として、ダム事業をめぐるあらゆる観点から、今後も国、県、市民団体や推進派の皆さんが継続的に議論を積み重ねていく必要があると思います。そのような機会を今後もつくっていくおつもりはあるか、あわせて知事にお尋ねいたします。

 そして、次の第二項目の男女共同参画について質問させていただきます。
 男女共同参画推進条例についてです。

 二年前に制定された男女共同参画社会基本法の中で、男女共同参画社会の実現は、二十一世紀の日本の最重要課題であると、その前文で明記されていることは御承知のとおりです。

 この基本法を受けて、都道府県や市町村では条例づくりがスタートし、東京都を皮切りに、現時点までで十六都道県と二十三市町村で条例が制定されました。熊本県では、基本法制定後、男女共同参画白書が取りまとめられ、それに基づく熊本県男女共同参画計画新ハーモニープラン二十一が本年三月に制定されました。

 さて、このプランの後に来る条例制定において、熊本県では条例検討委員会が設置され、専門家による検討がスタートしました。私も検討委員会を傍聴させていただきましたが、弁護士、大学の教員、働く女性、経営者などから成る六名の委員は、それぞれの立場から、とても中身の濃い提案や意見を出されておりました。そして、毎回仲間のだれかが傍聴して、検討委員会での議論の推移を話し合い、私たちの条例への期待は会を重ねるごとに大きくなりました。

 十月に一カ月間行われたパブリックコメントで、条例の素案に寄せられた意見は六百四十五件に上ったそうです
が、果たしてどれだけパブリックコメントや検討委員の意見が条例の成案に反映されるのだろうかと懐疑的にならざるを得ませんでした。なぜなら、素案には検討委員の意見が十分に反映されていなかったからです。

 しかし、ふたをあけてみると、苦情処理機関の独立性が担保できなかった点など、一〇〇%満足のいく条例ではなかったものの、学校教育について独立させた条文になった点や、家庭生活と職業生活の両立の条文が設けられたことなど、評価できる点も多々あり、執行部のぎりぎりの努力がにじんだものとなりました。パブリックコメントという制度も、県民の声を聞きおくだけでなく、県民にとって益する意見を反映させるためのシステムとなるため、今回は大きな一歩となったのではないかと思います。今後は、この条例をどう生かしていくかが大きなかぎであることは言うまでもありません。

 そこで、知事に伺います。

 条例の中に、熊本県男女共同参画審議会で意見を聞くことや相談員を設置するなど、苦情処理体制を整備するとあります。苦情の中には、即応性を要求されるケースや長期にわたる取り組みが必要なケース等あると思います。年に数回開かれ、その場で二、三の意見を出す程度の審議会では機能上意味をなさないと思います。また、審議員についても、十人以内と定められていますが、審議員という役割にふさわしい人の選任が必要です。審議会の持ち方についての知事のお考えと、みずから審議員等御経験豊富な知事として、選任の基準についてお考えを伺います。

 次に、学校現場における男女共同参画の取り組みについて伺います。
 教育現場における男女共同参画推進条例の意味についてです。

 教育現場では、未来を担う子供たちのジェンダーフリーの意識形成に重要な役割を持つことは言うまでもありません。したがって、条例や新ハーモニープランの具体的内容の浸透は最重要課題です。
 ところが、三月にでき上がった新ハーモニープランの冊子は、各教育委員会に配付されましたが、学校現場には届けられていません。教職員間での学習のテキストであったり、児童生徒への教材づくりの資料として各校に一冊はなくてはならないものと思います。その中には、男女混合名簿の推進という文言も明記されているのですが、学校現場では口づてにしかそのことが伝わっておらず、八代市、本渡市、菊池市などでは進んでいますが、全体としては遅々として進まないのが現状です。また、教職員間のセクシュアルハラスメントの事例も後を絶ちませんし、子供への児童虐待とも言える教員の行為など、昨年来、熊本県内でも許されない残念な事件が頻発しております。

 条例の制定に当たり、学校現場でのより一層の取り組みは大変重要であると考えます。中でも、特に重要な教職員の模範となるべき管理職の認識の向上を含め、学校現場における新ハーモニープランを活用した男女共同参画への取り組みについて、教育長の決意をお聞かせください。

◎知事(潮谷義子さん) 

昨日、国土交通省が収用裁決申請のための準備に入ることを表明いたしましたが、この手続につきましては、事業主体である国土交通省みずからが、二回の漁業権補償案が否定された事実、そして九日の大集会での論議も踏まえながら判断したものと私は受けとめております。

 しかしながら、議員御指摘のとおり、川辺川ダム事業につきましては、さまざまな意見が出されていることも事実であります。それぞれの立場から納得し合うということは難しい状況があると思われますが、今後とも国土交通省が、事業のあらゆる段階で説明ではなくて説明責任を負うことは当然であると思います。今後とも、国土交通省において、県民の理解を求める努力をし続けることを強く求めてまいりたいと考えています。

 また、財政が危機的な状況にあることは、私も十分認識をしております。国の構造改革に伴う地方交付税等地方財政の動向が不透明であるということも、これもまた事実でございます。このため、今後とも、議会、執行部が一体となって、この川辺川ダム事業についてはしっかりと取り組みを進めていかなければならないと、そのように思います。

 また、継続的に議論を積み重ねていくことにつきましては、どのような形で機会を設けていくことが必要であるのか、今ここで具体案をお示しするということは大変難しいですが、今後とも詰めてまいりたいというふうに思います。
 今後も、国土交通省に対し、多様な意見を持つ方々との間で公正かつ透明性高く論議することを求めてまいりたいと考えます。

 次に、男女共同参画推進条例についてでございますが、素案の段階から県民にお示しをし、パブリックコメントにかけたということは、ただいまのお話のとおりでございます。

 この中で、新たに設ける男女共同参画審議会は、一点目として、県の施策に対する苦情の処理、二点目として、県の施策の評価、三点目は、県計画の策定及び変更等について御意見をいただく、四点目は、独自に調査、審議し、意見を述べることができるなど、他の県の審議会に比べ幅広い役割を期待しているところでございます。こうした役割を十分に果たしていくことで、今後の本県の男女共同参画社会づくりがより着実に進むものと考えております。

 まず、審議会の運営につきましては、条例に規定している十人以内の委員で、会議の活性化と的確な意見の集約がなされるように配慮しますとともに、必要に応じ専門的な案件を調査、審議する専門部会を設置することとしており、また、付議案件の発生に応じ随時会議を開催するなど、機動性の確保にも努めてまいりたいと考えております。

 次に、委員の選任に当たりましては、男女共同参画社会の形成に関係する各分野から選任したいと考えております。また、委員の選任に公募制を導入することについても検討を進めているところでございます。なお、男女共同参画に建設的で積極的な発言をいただける委員の選任に、私ども同時に努めてまいりたいと考えております。

◎教育長(田中力男君)

 学校教育における男女共同参画の取り組みにおきましては、男女が互いに個性を認め合い、ともに豊かな人生を送ることができるよう、発達段階に応じて男女平等を推進する教育を充実させていく、そのことが必要であると考えております。

 これまでも、学校教育の中では、性別による差別のみならず、一人一人の人権が尊重されるよう、家庭科や道徳の時間を初めとするすべての教育活動におきまして取り組んでまいりました。

 今後、男女共同参画社会を目指した教育をさらに充実させるためには、指導者である全教職員の認識の向上を図ることが重要でございまして、特に、学校運営等に重要な役割を担っている管理職につきましては、各種研修や会議等を通じて、ハーモニープランくまもと二十一の趣旨の徹底と理解を深めていただくよう図ってまいりたいというふうに考えております。
 また、この冊子を各学校にもお配りしながら、職員研修や教材資料として活用することによりまして、男女共同参画の取り組みが一層充実しますように努めてまいりたいと考えております。


お問い合わせ 平野みどり事務所 860-0066 熊本市城山下代4-7-28 
電話:096-319-4080 ファックス:096-319-4081
Eメール:info@hiranomidori.net  ホームページ:http://www.hiranomidori.net/
Powered by Movable Type 3.2-ja-2