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DV防止法について [一般質問(2001年12月)]

◆(平野みどりさん) 御答弁ありがとうございました。

 知事は、本当に難しいお立場にいらっしゃると思います。しかし、県民とのパートナーシップということを打ち出されております。これは、本当に典型的なパートナーシップをどう構築していくかという大きなテーマにもかかわってくると思います。県民の多くの皆さんが知事を信じていますので、知事の本当に正直な思いを政策に実現していただきたいというふうに私は思います。

 それから、男女共同参画についての取り組みですけれども、学校現場での課題、多々あります。ハーモニープランを一冊ずつ一校に配って教材にしていくというお話です。今後とも、男女混合名簿等をどういうふうに進捗しているかなども、各市町村でもフォローしていただくようによろしくお願いいたします。

 次に、DV防止法について質問いたします。

 本年十月十三日に、配偶者からの暴力の防止及び被害者の保護に関する法律、いわゆるDV防止法が施行されました。
 御承知のとおり、DVとは、ドメスチックバイオレンスの頭文字をとった略語であり、この行為は、一般的に、夫婦や恋人同士など、親しい間柄の男女間で振るわれる暴力を指します。今回の新法は、恋人間には適用されませんが、夫婦や内縁など事実婚の男女が対象とされます。

 昨年十一月施行のストーカー行為規制法では、警察や公安委員会が、つきまといをした加害者に対し警告や禁止命令といった行政措置をとってきたのに対し、DV防止法は、ドメスチックバイオレンスを犯罪と明記し、その暴力から被害者を守る新たな手段として、裁判所が関与する保護命令が盛り込まれたのが画期的な点です。

 保護命令とは、被害者からの申し立てがあった場合、地方裁判所が、加害者に六カ月の接近禁止と二週間の自宅からの退去命令をすることができます。そして、違反すれば一年以上の懲役または百万円以下の罰金に処せられます。国会での法案審議の攻防も、加害者の自宅退去など、財産権に踏み込む被害者保護のための措置をいかに法制化するかでした。市民団体や女性国会議員を中心とした全国からの働きかけが、やっと法務省の厚い壁を突き崩したと聞いています。

 DVの実態ですが、これまで潜在していたDVの被害を受けている人が、近年声を上げ初め、九九年の総理府の男女間における暴力に関する調査では、妻の二十人に一人が命の危険を感じるくらいの暴行を夫から受けていることがわかりました。また、警察庁の統計では、二〇〇〇年の夫から妻への殺人、傷害、暴行の検挙数は千九十六人で、前年より倍増しています。熊本県でも、九九年の十五件から二〇〇〇年は二十二件とふえています。二〇〇一年十一月末で既に十四件報告されています。

 また、厚生労働省によると、二〇〇〇年度に、各都道府県の婦人相談所などへの来所によるDV相談は約九千二百件で、離婚問題を上回り、項目別でトップでした。熊本県でも、婦人相談所における来所及び電話相談を合わせた相談件数は、前年度より百五件もふえ二百二十四件ありました。

 そこで、これからこの法律を都道府県や市町村でどう運用して実効性のあるDV被害者保護を行っていくかが問われてきます。 まず、新法は、民事不介入ではなく、積極的にDVに介入していくように、警察に対して被害発生を防止するための必要な措置をとるよう求めています。
 さらに、地方公共団体は、暴力を防止し被害者を保護する責務を有するとされており、来年度から婦人相談所などに配偶者暴力相談支援センターを設置し、一時保護や自立支援に当たることが義務づけられるなど、都道府県の役割が明記されました。

 熊本県では、法の施行前に、既に司法・警察、医療、行政などが参加した県レベルのDV対策支援ネットワークと十の地域振興局単位のネットワークを発足させるなど、他県に比べ体制づくりへ前向きに取り組んでいます。

 民間シェルターとの連携、支援について伺います。

 さて、被害者の保護で重要な役割を果たすのがシェルターと言われる避難所です。既に熊本県内にも民間のシェルターが開設されており、加害者の暴力から逃れるための身を隠す場所として運営されています。
 婦人相談所内の一時保護施設は原則二週間の保護とされており、暴力から心も体も回復し新しい生活をつくり上げていくための準備施設としては、余りにも短い期間と言えます。

 そこで、熊本県としては、既存の民間シェルターとの連携や支援、これからシェルターを立ち上げようとする民間団体との連携、運営支援などをどのように考えておられるか、健康福祉部長にお尋ねします。

 そして、被害者の生活再建支援について、さらに伺います。

 被害者への生活再建支援については、被害者が専業主婦で加害者の扶養に入っている場合も多く、生活していけるだけの仕事につくことはすぐには厳しい状況です。さらに現下の不況が追い打ちをかけています。
 被害者の中には、生活再建に向けて、一時的に生活保護を適用させて心と体の回復を助ける必要がある人も少なくありません。その際、夫の健康保険で治療を受けると病院が特定され、居どころがわかるため、生活保護の医療扶助の適用も必要となります。また、新たな地での就労に必要な住民票を移動させた場合、加害者からの追跡を受けないため、住民票情報のブロックなど被害者保護の積極的な取り組みも必要です。

 このように、被害者が、暴力から解放され、一人の人間としての尊厳を取り戻し、新たなスタートを切るためには、それぞれの段階での丁寧な対応が必要です。配偶者暴力相談支援センターにおいて、市町村や県外の自治体、さらには民間の支援団体との連携が極めて重要と思われますが、生活再建までの支援について、県としてはどのように取り組んでいくお考えか、健康福祉部長にお尋ねいたします。

 さらに、新法により保護命令を申し立てる際、既存施設の相談員が被害状況を聞き取った相談記録を作成するなど、事務量のアップは必至であると思われますが、相談員等職員の増員が必要だと思います。その点についても健康福祉部長にお尋ねします。

 最後に、今回の新法では、保護命令で守る対象に子供が入っていません。DVと児童虐待は相関関係があると言われており、本来なら子供への保護が必要であることは明らかです。その際、学校では、子供の転校先を加害者に教えないなど、DV防止法自体を十分理解し、法の趣旨を生かした対応が必要と思われます。この点に関して教育長に伺います。

 以上、一点目、二点目、三点目については健康福祉部長、四点目については教育長にお尋ねいたします。

◎健康福祉部長(田中明君)

 民間シェルターとの連携についてでございますが、DV対策の中で、シェルター機能は被害者の保護という観点から重要なものであると認識しております。既に民間の立場から、相談対応、緊急一時保護あるいは自立支援等に取り組んでおられる女性保護団体もございまして、県としても、現在の取り組みや課題などについて、意見交換会などを行っているところです。

 今後、これからシェルターを立ち上げようとする団体を含め、これから民間団体の方々と積極的に情報交換を行いながら、連携や支援のあり方などについて検討を進めてまいります。

 次に、被害者の生活再建支援についてでございます。
 母子生活支援施設等の安全な居場所の確保や、あるいは就労支援、生活保護対応などには多くの関係機関の協力が必要となります。このため、今後も引き続き、県内の関係機関や民間支援団体のみならず、県外の行政、民間の各関係機関を含む広域的な連携のもと、被害者の生活再建支援に取り組んでまいる所存です。

 次に、支援体制整備につきましては、今年度、婦人相談所における婦人相談員を増員するとともに、一時保護所に警備員を配置したところです。
 今後、相談や一時保護もふえ、法施行に伴う保護命令関係事務等の新たな業務が発生することも予想されるところです。対応の中核となる婦人相談所を初めとする対応体制のあり方について、より効率的、効果的なものになるよう検討を行いまして、適切に処理してまいるとともに、各種研修による関係者の専門性強化に努めてまいる所存です。

 また、既に地域振興局単位に立ち上げましたDV対策支援ネットワークを活用しまして、教育、福祉、警察、医療等関係機関や民間団体との幅広い連携を図りつつ、的確に対処してまいりたいと考えております。

◎教育長(田中力男君)

 お話にもございましたように、この法律では子供は対象になっておりませんが、配偶者からの暴力の発生によりまして子供が受ける精神的被害も大きいことが考えられます。そうした意味で、子供の保護あるいはその支援、大変重要であるというふうに思っております。

 したがいまして、まず、教職員に対しましてDV防止法の趣旨が理解されますように、また、学校においては、日ごろから子供一人一人の家庭状況の実態把握など情報収集に努めながら、家庭への連絡を密にし、さらに民生委員、児童委員等地域の方々や関係機関との連携を図るなど、子供を中心に据えた対応がなされますように、市町村教育委員会を通じて指導してまいりたいというふうに考えております。


お問い合わせ 平野みどり事務所 860-0066 熊本市城山下代4-7-28 
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