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財政再建と教育予算のあり方について [一般質問(2001年12月)]

◆(平野みどりさん)

 ありがとうございました。

 今回、県警本部長の方には質問しておりませんけれども、DVの被害者の方が最寄りの交番や派出所に駆け込まれるというケースがかなりあるというふうに推測されます。実態としてもそうだと思うのですが、女性の警察官を育成していくこともさることながら、現在の警察職員の皆さんへの法の趣旨の徹底、ジェンダーフリーの考え方の定着を図るための研修等を充実させていただきますように、これは要望として申し述べさせていただきたいと思います。

 次に、財政再建と教育予算のあり方についてお尋ねいたします。

 まず、定時制、通信制教育の役割と位置づけ等についてということですが、昨年二月の県議会において、定時制高校での養護教諭配置に関する請願が文教治安委員会において採択され、本年四月より未配置であった荒尾高校、玉名高校、天草高校の定時制のうち荒尾高校に配置されました。一歩前進として喜ばしいことです。
 ただ、学校保健法改正により、既に予算配置されている中で、九州では本県のみに未配置校が存在するということなんですけれども──玉名高校、天草高校の定時制です。
引き続き厳しくこのことを受けとめ、早急に全校配置を実現していかなければならないと思います。

 さて、毎年、定時制、通信制の灯を消すな、熊本県民集会が開かれています。ことしも参加させていただき、定時制、通信制に学ぶ在校生、卒業生、保護者による多彩な学びの場の様子についての報告がありました。当日は、木村仁参議院議員も来賓としてあいさつされ、また、党派を超えた議員の皆さんの参加もあり、定時制、通信制への理解を深めるため、国、県、学校現場それぞれが連携し、取り組んでいく必要があることを一同再確認いたしました。

 報告者は、いじめにより中学時代に不登校になった、勧められて定時制高校を選んだが、一人一人に向き合う先生たちに出会って自分の居場所が見つかったとか、普通高校に進学したが、病気をきっかけに退学、定時制に来て本当の学校を見た気がしている、定時制を選んでよかったと語り、皆、中学時代の複雑な事情が想像できないほど生き生きとした表情でした。

 このような定時制、通信制は、豊かな人間関係づくりがなかなか難しい今の全日制学校のありようの裏返しであるかのようだと、全日制の教員や以前全日制に在校していた生徒が当日発言していました。明らかに定時制、通信制高校は、障害を持つ生徒なども含め、不登校や課題を抱える子供の受け皿になっており、さまざまな生徒に同じ目線で立って丁寧に対応していくことは、本来の教育のあるべき姿ではないかと、多くの生徒や保護者、教職員の皆さんが異口同音におっしゃいます。

 そんな学びの場に、財政再建と関連した補助カットが打ち出されようとしています。

 文部科学省は、平成十四年度より、定時制高校において補助事業の対象者を一年生から有職の生徒に限定し、また、定時制、通信制という時間の限られた学校生活の中で、教職員とさまざまな課題を持つ生徒が触れ合い、適切な生活指導を行うための宿泊による修学指導事業も廃止されようとしています。これについては文教治安常任委員会の審議にゆだねるとして、明らかに聖域なき構造改革による一律カットがダイレクトに教育予算にも及んでいるものと思います。

 日本の構造改革が必要なことは、だれもが認めるところです。熊本県でも、知事のリーダーシップのもと、財政健全化計画が実施されています。しかし、本当に予算の一律カットが正しい選択なのでしょうか。そもそも大きなパイと小さなパイとでは痛みの厳しさが異なります。

 今回の国の補助費削減方針は、厳しい経済環境の中、親がリストラに遭ったり、全日制から定時制に移った生徒や不登校の状態から定時制や通信制に新たに学びの場を取り戻した生徒を含め、社会的に弱い人たちへの教育予算カットと言えます。また、財政破綻の要因に大きくかかわっている分野と何の責任もない分野が一律に対象とされることが果たして許されるのでしょうか。今こそ、将来の日本や熊本を背負って生きる若者の学びの場をしっかりと保障していく必要があると思います。

 まず、定時制、通信制での教育についての御認識と、今般の補助費削減など、財政再建や二十一世紀の人材をはぐくむための教育予算全般のあり方について、教育長に率直な御意見を伺います。

 次に、私学に学ぶ生徒への支援について伺います。

 私学に学ぶ生徒についてですが、不況のため親がリストラに遭って生活が厳しくなる中、授業料の三カ月以上の滞納を余儀なくされている生徒は二百七十五人に上り、一校当たりの平均は二十五・七人で、全国平均の二倍であることが、熊本私立学校教職員組合連合による県下二十二校中十校での調査で明らかになりました。昨日の中原議員の質問にもありましたとおりです。既に未納のため退学した生徒も三人いたということです。

 子供の責任と何ら関係がない退学を回避するためにも、現行の授業料減免補助枠の拡充などで、現下の経済状況に即した県独自の対応ができないものでしょうか。公立であれ私学であれ、将来のある生徒たちの学びの機会が奪われることは、地域社会にとっても、質の高い労働人口を失うという点でも大きな損失で、後世に禍恨を残すことになります。この点については総務部長に御所見をお尋ねいたします。

◎教育長(田中力男君)

 定時制、通信制課程は、働きながら学ぼうとする青少年に対しまして、高等学校教育を受ける機会を与えるために設けられた制度でございます。
 しかし、最近では、中学時代の不登校でありますとか、高等学校の中途退学者などが増加いたしまして、生徒全体の中では、有職者、いわゆる職を持っている生徒が六割、それ以外が四割と、そういう状況になっております。

 このような状況にありましては、生徒の実態に応じたきめ細かな指導が求められるところでございます。今後とも、一人一人の生活実態を把握し、生徒理解に基づいた学習指導、生徒指導、進路指導等を推進することによりまして、定時制、通信制教育の一層の充実に努めてまいりたいと考えております。

 また、教育予算全般のあり方でございますが、財政健全化に取り組む中で、厳しい状況ではございますが、健全な心身をはぐくむ教育、あるいは個性を生かす教育、情報教育の推進といった二十一世紀への挑戦プロジェクトを推進する施策に取り組んでおります。

 教育委員会といたしましては、今後も施策の優先度を勘案しつつ、予算の効果的、効率的配分に努めながら、教職員の資質向上といった緊急の課題にも対応するなど、教育行政を推進してまいりたいと考えております。
 また、国等に対しましても、教育予算の確保に向けて、積極的に要望してまいりたいと考えております。

◎総務部長(中原盛敏君)

 私学に学ぶ生徒への支援についてでございますが、経済的理由により修学が困難である生徒に対しましては、熊本県育英資金制度により修学資金の貸与を行うとともに、授業料の減免を行った私立高等学校に対しましては、私立高等学校授業料減免補助事業により一定額を補助しております。特に、平成十一年度からは、保護者の失業等突発的理由により家計が急変した場合も補助対象に加えまして、支援の強化を図っているところであります。

 最近の県内景気の一層の悪化に伴いまして、授業料滞納者が増加の傾向にあると認識いたしております。今後とも、将来を担う生徒たちが安心して学べるよう、これら支援制度を効果的に運用しますとともに、失業等緊急時の貸し付け制度であります日本育英会の緊急奨学生採用制度や県社会福祉協議会の修学資金制度等の活用につきましても、さらに周知を図ってまいりたいと考えております。


お問い合わせ 平野みどり事務所 860-0066 熊本市城山下代4-7-28 
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