支援費制度について [一般質問(2001年12月)]
◆(平野みどりさん)
文部科学省の障害児教育に関する認識というのは、世界の常識から少しずれていることは事実なんです。厚生労働省の方は、社会参加を念頭に、地域でのサービス提供ということを基本にしていますが、どうしてもやっぱり文部科学省はまだ分けています。しかし、親のニーズ、そしてその子の社会参加を実現するための教育としては、できるだけ統合した環境の中でということ、これはもう世界の流れですので、そういったことを希望する親さんや子供たちのニーズにしっかり市町村教育委員会が就学指導の段階でこたえていただきますように、今後とも、県としては指導する立場ではないかもしれませんが、連携をとっていただきたいと思います。
最後に、支援費制度についてお伺いいたします。
平成十五年度から、多くの障害者福祉サービスが、措置制度から利用契約型の支援費制度に変わります。措置とは、行政が措置委託先と認めたところのサービスを利用する形であり、支援費制度とは、利用者がみずから指定事業者を選び契約するやり方です。財源が税と保険という違いはありますが、利用の仕組みとしては介護保険に似た仕組みです。
ここで簡単にその流れを追っていきたいと思います。
障害者福祉サービスの利用に関しては、支援費支給を希望する人は市町村に支給の申請を行います。また、市町村は、支給を行うことが適切であると認めるときは支給決定を行い、そして都道府県の指定を受けた指定事業者、施設との契約によりサービスを利用することになります。
本人が決定の範囲内で障害者福祉サービスを利用したときは、利用料の全体額から、本人及び扶養義務者の負担能力に応じて定めた利用者負担額を控除した額が支給されます。ただし、この助成については、指定事業者、施設が利用者にかわって代理受領する方式となっています。また、本人及び扶養義務者は、指定事業者、施設に対し、障害者福祉サービスの利用に要する費用のうち自己負担分を支払うとされています。
支援費制度は、利用者本位、選べる制度と言われてきましたが、本当に障害者が主体となって必要なサービスを選び利用していくためには、十分なサービス量と供給主体が整わなければなりません。そこで市町村におけるサービス基盤整備が極めて重要な課題となります。
例えば、全国的には、障害者計画が策定されている市町村は約七五%、ホームヘルパーの人数などの数値目標も設定している市町村は全体の四分の一にすぎません。ちなみに、熊本県では、市町村の障害者計画の策定状況は、平成十年、十一年度は最下位でしたが、平成十二年度では七〇・二%となりました。このことは評価したいと思います
が、実態としては入所施設の整備が中心で、在宅福祉や地域生活支援のサービスの整備がおくれています。
これから市町村では、ある意味で介護保険以上に民間サービス提供機関やNPO団体との連携を深める必要があり、サービス量やサービスの質を確保していかなければなりません。したがって、県としては、市町村が制度改正を十分に理解し、平成十五年度からの支援費制度に混乱なく対応していけるよう支援していく必要があると思います。
また、支援費制度では、利用者と事業者が契約する形をとりますが、そのための利用者側に立った利用援助の仕組みがなければなりません。障害者一人一人のニードを中心として、自己決定を支援していく活動や当事者の立場に立った権利擁護システムも、地域の中で大切な役割として位置づけられます。
いずれにせよ、今年度末から来年度にわたり、支援費制度についてのさまざまな準備が本格化してきますが、ここでもやはり、地方分権の流れで各市町村が適切かつ的確に対応していけるか、正直言ってかなり私は心配です。制度施行に当たり、県の市町村への働きかけはいかに進んでいるか、また、各市町村での必要な支援サービスの量と質の把握について、私はまだまだ不十分という認識でおりますが、県としては、円滑な制度移行に向けてどう市町村を支援していかれるのか、健康福祉部長にお尋ねいたします。
◎健康福祉部長(田中明君)
昨年六月に社会福祉事業法が改正されまして、これまでの措置制度にかわりまして、支援費制度に移行することになりました。
この改正では、知的障害者等に対する福祉サービスの一部が市町村へ権限移譲されることになりまして、県でも重大な制度改正であると認識しておりまして、昨年度から、その円滑な制度移行に向け準備しているところです。
県から市町村への働きかけ状況と今後の支援についてでございます。
まず第一に、制度改正の周知につきましては、市町村長を初め担当事務者への説明を重ねてきましたが、今後、具体的な手続あるいは支援費の基準等が明らかになり次第、市町村への説明会の開催あるいは指定事業者に関する情報提供など、実務的な支援を行ってまいります。
第二に、市町村におけるサービス提供体制整備についてでございますが、各市町村において障害者プランを策定することが絶対必要でございます。各地域振興局を中心に策定支援に取り組んでいただきまして、今年度末には策定率が九五%に達する見込みでございます。
サービス供給量の確保につきましては、平成十四年度中に次期の県障害者プランを策定することといたしておりまして、その作業の中でニーズを把握してまいります。
第三点目に、市町村の人材養成につきましては、障害者ケアマネジメント従事者の養成研修を実施しまして、これまでに市町村職員百八十三名を含め四百八十一名を養成しまして、制度の実施までに必要な体制を整えたいと考えております。
また、市町村が支援費支給決定を行うに当たり、専門的知見が必要な場合には、県の更生相談所が支援することといたしております。
この制度改正によって障害者に対するサービスが滞ることのないよう、今後とも市町村と連携して、支援費制度の円滑な導入に向けて準備を進めます。
さらに、民間事業者あるいはNPO等の連携など、新たな障害者施策のあり方についても検討してまいります。