生活密着型のIT普及について [一般質問(2002年12月)]
◆(平野みどりさん) ありがとうございました。
先ほど私が計五十六団体の出資団体の数を挙げましたが、この数が出てくるのに大変な時間と大変な労力がかかりました。一発では出てきません。かなり固いガードの中で、こういった人事が行われているんだなということが想像されました。
私のところに、県民クラブの方に、出資団体の方から、やはり自分たちの首を守りたいという思いもあるけれども、これはやはり客観的に考えて出資団体のあり方について見直していく必要があるのではないかなと、みずからの血を流してでもそういうことをする必要があるのだというような、告発なり御提言があっています。
個別具体的には委員会の方でも質問していただくというようなことにしたいというふうに思いますが、財政健全化の中で効率化ということだけでなくて、やはり天下りのポストを維持するためにあるところもないかというような厳しい目で見ていただきながら、整理をしていただきたいというふうに思っています。
では次に、生活密着型のIT普及について御質問いたします。
電子自治体の構築など、本県の情報化の問題については、本議会でも大西県議、鎌田県議など若手IT議員の皆さんたちが、これまで幾度となく質問してこられました。私もパソコンなしでは議会活動が進められない一人ですが、一昨年立ち上げた自分のホームページ上で、日記とも活動報告とも言えないつたない文章をほぼ毎日掲載し続けております。こちらから発信したり、県民の皆さんから御意見をいただくため、便利で有効な方法の一つであると思います。
また、今回一般質問を準備するに当たって、過去に議員の皆さんがどう取り組んでこられたかを参照するため、インターネットを通じて熊本県議会議事録検索システムを大いに活用させていただきました。
さて、世界に目をやりますと、平成十四年三月の総務省通信利用動向調査によれば、日本のインターネット普及率は四四%の世界十六位であり、過去三年では、他国が伸びてきていることにより毎年相対的に順位が下がってきています。ちなみに、世界一はスウェーデンで六四・七%です。また、日本国内におけるインターネット普及率については、熊本県の場合は二九%で全国四十位となっています。
つまり、ITやインターネットという言葉は、テレビや新聞などに登場しない日はないくらい一般的になってきましたが、その普及についてはまだまだ十分ではない現状があるようです。
世界においては、先ほど申しましたとおり、インターネット普及率世界一位はスウェーデンで、二位はアイスランド、三位はデンマークとなっております。いずれの国も福祉先進国であるという点は示唆に富むものです。高齢者を含め、だれもが使いやすい環境がそこにあるのだと想像できます。
さて、五百四十五億円の国の予算措置がなされ、そのうち本県においても国から十億円の予算がIT講習会につぎ込まれてきました。それだけかけた講習会の成果がどのくらい行き渡って、どのくらい定着しているのでしょうか。さきのインターネット普及率のデータからすると、とても楽観できません。
特に今回は、高齢者や障害者など、デジタルデバイド、つまりITの恩恵を受けにくい人たちが取り残されていくことを言いますが、そんな状況にならないように、特に講習会の実施場所への配慮や進め方の工夫がなされてきたと聞いております。講習後も日々活用されているのか気になります。
さらに、政府がどんなに莫大な予算を講じても、私にはITなんか関係ない、パソコンがなくても生きていけるという人たちがおられ、今後、使う人と使わない人の格差が拡大していかないかと心配しています。誤解のないように言っておきますが、私はそんな方々に強制的にパソコンの前に座ってもらい習得してもらうべきだとか、切り捨てるべきだと言っているのではありません。むしろ、そんな皆さんが、大きな決断や努力を払うことなく、自然にITの恩恵を生活の中に取り入れられる仕組みづくりや技術開発にこそもっと力を注がなければならないと思うのです。
例えば、ごく近い将来には、テレビのリモコンで番組を選択するような気軽な感覚でパソコンにアクセスし、情報を受発信することができるようになるようです。既に足立区では、ひとり暮らしの高齢者のお宅のテレビに特別な機器を設置し、リモコンのような簡単な端末の操作を覚えていただいて、買い物や話し相手など、生活上の手助けをしてもらえる人を募ったりという、地域密着型の実証実験も始まっています。
熊本県においても、民間も行政ももっと知恵を出し合い、大手企業の技術開発の進みぐあいと国の取り組みを待つだけでなく、ローカル、つまり地域での生活に密着したさまざまな取り組みが期待されます。
ちなみに、平成十二年に立ち上げられた特定非営利活動法人ネクスト熊本には、理事や幹事や会員など、行政や熊本の地場の大小さまざまな企業が名を連ねており、ここでの活発な論議や研究が期待されています。地域が年々高齢化していく中で、ITがどんな役割を果たし得るのか、高度な技術の競い合いだけでなく、生活を起点としたソフト開発や実証実験などをもっともっと活発に展開していくべきではないでしょうか。しかし、ネクスト熊本のメンバーの中には、まだそのような実態ではないと退会を考えている企業もあると聞き、残念に思っています。
県の事業を委託しているネクスト熊本を初め、IT関連のNPOや団体とのさらなるパートナーシップを深めるためにも、活発な展開への後押しが必要なのではないでしょうか。
そこで、二点企画振興部長にお尋ねいたします。
一点目は、本県でのIT講習会後の定着状況とその後の日常レベルでのフォローアップについて、二点目は、本県の生活密着型のIT普及への方向性や考え方について、それぞれお尋ねいたします。
◎企画振興部長(田島淳志君) 本県のIT普及について二点のお尋ねでございます。
まず、平成十二年度から取り組みましたIT講習会については、県内でおよそ九万二千人の方々の受講があり、四十歳以上の方や主婦層の受講が多い中、九割の方々から理解できたとの評価をいただいております。
受講後の調査におきましては、中高年の方々で見ても、パソコンを購入したいと回答された方が三六%、また電子メールやインターネットを利用したいと回答された方が五三%という結果が出ておりまして、IT講習会が、中高年の方々を含め、パソコン利活用のきっかけとなった方も多かったのではないかと考えております。
また、受講者の多くは初心者の方であったため、県といたしましては、本年四月から県民交流館パレアの中にIT学習相談室を設置し、日常のパソコン利用時の各種の御疑問等にお答えする体制をとっております。また、市町村においても、IT講習会の継続的実施、またIT相談等に取り組まれております。今後もIT利用の定着が進むよう、フォローアップの充実に努めてまいりたいと考えております。
次に、生活密着型のIT普及についてでございます。
議員よりいろいろ御指摘をいただきましたが、既存の技術や機器、ソフトをうまく組み合わせることによりまして、高齢者や障害者の方でも容易に機器を活用できるようにすること、また、日常のさまざまな場面で、生活がより便利になることを具体的に感じていただけるような環境づくり、これが重要であります。これがひいては生活に密着したIT活用の普及につながるものと考えております。
このため、本年度から、NPOや各種団体にも御協力をいただきながら、手話通訳のインターネット配信、また子育て支援でのIT活用の実証実験等に取り組んでおります。
今後とも、NPO等の方々の多様なアイデアやノウハウ、これを活用させていただくべく、さらに連携を強化しながら、暮らしや地域社会に役立つIT化を推進してまいります。