県出資団体への天下り人事について [一般質問(2002年12月)]
◆(平野みどりさん) 今回この質問を準備するに当たりまして、入札にかかわる所轄の課にいろいろお話を聞きました。総合評価方式等を県全体でどういうふうに取り組んでいくかということを検討する部署というのがなかなか見当たらないと。それぞれ土木部、農政、そして物品調達だったら総務という形に分かれている中で、県がこれからお付き合いをしていく企業に求められる資質、ある意味総合評価方式には、技術力ですとか、質とか、そういうことは最低守らなければいけない項目として挙げられるべきなのでしょうけれども、自治体が発注するということの意味合いを考えたときに、もっと最低賃金が保障されるような雇用環境をふやすための、そういった取り組みへの姿勢というのが、私は必要ではないかなというふうに思っています。
アメリカのバルチモア市では、低価格競争の行き着くところがきわまって、ホームレスの方たちが給食サービスに随分並ばれたと、どうしてかなということを考えたときに、そういった不当な廉売行為、契約が野放しにされて、最低な生活が保障されるような状況がなかった、つくられていなかったということで、条例をつくり、そういった事態の改善に努めてきたということで、それは全米に今広がっているということです。そういった自治体に求められる役割ということを、もう一度考えていくべきではないでしょうか。
私たちは、どうしても、やはり今財政厳しい中で、安ければいいというような形に流れてしまいがちですけれども、かえって社会保障を受ける人たちがふえていくという事態を看過してはいけないというふうに思います。
ちなみに、千葉県では、千葉県の入札資格の中に新たに今回追加された項目として、障害者雇用率、環境ISOの取得条件などが入れられているそうです。また、福岡県の福間市では、男女共同参画条例がつくられたんですけれども、その中に、男女共同参画への取り組みをしっかりやっているところを入札資格に勘案するというようなことも盛り込まれているそうです。そういった誘導的な政策をぜひ今後熊本県でも検討していただきたい、これは初めての質問ですから今後だと思うんですけれども、ぜひ進めていただきたいというふうに思います。
では、次の質問に移らせていただきます。
県出資団体への天下り人事についてです。
県出資団体のあり方については、行政改革と財政健全化の観点から、これまで多くの議員の皆さんが取り上げてこられました。その間、平成十一年十一月に、熊本県出資団体等の見直しに関する方策等により見直しも進んできております。
また、全庁的に行われている行政システム改革プランにおいても、生活者の視点に立って、行政サービスをより効果的、効率的に提供していく県政運営システムの構築が目標となっており、県出資団体についても、当然組織機構や業務内容、事業内容などの見直しを進めなければなりません。
さらには、財政健全化計画においても見直しの柱の一つであることから、出資団体への補助金や委託金などの財政支援の廃止や縮減が図られており、土地開発公社や住宅供給公社のあり方も見直され、両公社は道路公社とあわせて事務局が統合されるに至っています。
さて、平成十二年に、財団法人水俣病問題解決支援財団ほか一団体が解散し、財団法人水俣・芦北地域振興基金に統合されました。また、平成十三年に、熊本テクノポリス財団ほか一団体が解散し、財団法人熊本県中小企業振興公社に統合されたことにより、現時点での県出資団体等の数は、県の出資額が五〇%以上の団体は二十二団体、二五%以上の団体は二十団体、二五%以下の団体が六団体、県からの出資はないものの補助金交付先や委託先である団体が八団体の計五十六団体となっております。
そして、これら五十六団体に現職県職員や退職県職員が在籍していますが、流動的ではありますが、このうち、県OBは二十七団体に三十三人が在籍しています。現職の県職員については、業務上県からの指導や連携が必要な場合出向しているのでしょうが、退職県職員の人事、つまり平たく言えば天下り人事は、熊本県も中央省庁よろしく脈々と続いている現実があります。
県出資団体においては、県財政を反映して補助金カットが続き、事業縮小や人件費への影響も出ており、小さい団体においては台所事情が年々厳しくなっているようです。そんな状況を認識しているモラルの高い退職県職員が来る場合は別として、小さい組織に県に在職していたときと同じ感覚で仕事をする人が来れば、かえって混乱を来すこともあると聞きます。
また、そもそも出資団体としても、組織や業務の活性化などの改革が必要なところへ、プロパー職員から比べれば高額な給与を受け取る天下り退職者が数年置きに入れかわり立ちかわり来れば、効率化どころかかえって非効率であるとの指摘もあります。
さらには、団体によっては、プロパー職員や退職県職員は退職金積み立てを行っていますが、二、三年在籍した後、次から次に県OBがその積立金から退職金を受け取って去っていくのだそうです。プロパー職員にしてみれば、自分たちの退職時に果たしてその積立金が残っているだろうかと、先行きが不安になるとも聞きます。
県としては、出資団体とはいえ、あくまでも独立した団体であり、県として内部の問題には関知できないということかもしれませんが、県から出資をしていたり、補助金を出している団体である限り、その業務内容、職場環境、財務内容については責任を持たなければならないのではないでしょうか。幹部退職者の行き場を維持し続けることが目的化している団体もあるのではないかと疑問に思います。
県出資団体のうち、年に二団体ほどに対して外部監査が行われているそうですが、天下りの弊害も含めて、財務状況だけではない総合的な監査をスピードアップして行う必要があるのではないでしょうか。
私は、公務員はぬるま湯だという言葉には反発を感じます。一生懸命公僕としての自覚と責任を持って業務に当たっているたくさんの人を知っているからです。しかし、公務員、それも幹部に上り詰めたからといって、退職後もその地位が影響してポストを得られるということは許されないと思います。
県出資団体の天下り人事のあり方についての認識と今後の県の対応について、総務部長にお尋ねいたします。
◎総務部長(古田勝人君) 県出資団体への再就職についてのお尋ねでございます。
本県では、早期退職による新陳代謝を図るため、現在、課長級以上で年度末までに五十九歳に達する職員に対して退職勧奨を行っております。この退職勧奨を受け入れ再就職を希望する職員については、退職職員受け入れの要請があった団体に対して紹介を行っております。その際には、退職した職員のそれまでの経験や能力、適正等に照らして最もふさわしいと思われる人材を団体と協議した上で紹介をいたしております。
厳しい御指摘をいただきましたけれども、退職職員それぞれ、再就職後も県での経験等を生かし、団体の業務運営の向上に精いっぱいの役割を果たしていると認識しております。
ただ、社会経済状況が変化する中で、それぞれの団体において、組織の統廃合や事務局の統合、さらには役職員数の見直しなど、経営の効率化と自立性を高める努力がなされている状況もございます。したがいまして、今後は、関係団体に対する県の人的、財政的支援や指導監督などのかかわり合い方も変わってくるものと思われます。あわせまして、本県退職職員の再就職のあり方についても、このような団体を取り巻く環境の変化も踏まえ、今後の課題としてよく検討してまいりたいと、そのように考えております。