トップページおしらせブログ活動報告議会報告政策プロフィール事務局お問合せ
 

« 小中学校の三十人以下学級の実現について | 議会報告トップ | 県出資団体への天下り人事について »

自治体における入札契約制度のあり方について [一般質問(2002年12月)]

◆(平野みどりさん) 少々残念な御答弁でございました。もうこの段階に来ましたら、熊本県としても前向きな一歩を踏み出すべきだと私自身は思っております。
 ちなみに、九月二十四日に、愛知県犬山市では、小中学校全学年で三十人以下学級を実現するという方針を出しました。これで平成十六年度に開始すべく準備が進められていると聞いております。全学年というのは全国で初めてだということです。こういった先進的な取り組みにぜひ学んでいただきながら、実質的な議論をもう始めていただきたいというふうに思います。
 ただ、実はですね、三十人学級に、今の段階では反対だというメールを親さんからいただきました。これは後段で触れますけれども、不祥事の問題や丸刈りの問題とも関係しているんですね。今のような管理型の教育では先生が事なかれ主義に陥ってしまって、かえって少人数では危険だという御意見でした。開かれた教室で、基本的には少人数クラスであっても、その先生たった一人が子供たちにかかわるのではなく、いろいろな先生と教科を通じてかかわることの大切さ、これも大事かと思います。この先生には心が開けると子供たちが思える大人が一人でも多く学校にいるということが、風通しのいい環境づくりにつながると思います。
 そういった観点を忘れずに、この三十人学級をぜひ進めていただきたいと思います。大切な御指摘だというふうに思います。
 では、次の質問に入らせていただきます。
 自治体における入札契約制度のあり方についてです。
 自治体は、住民生活に不可欠な地域サービスを担っていますが、昨今、財政状況の悪化などにより公共サービスの外部化、すなわち民間委託が進められています。こうしたサービスや物品等、政府、自治体による調達総額は、実に六十五兆円に上っています。
 しかし、現在、この入札制度は、価格が安ければよいという価格重視の入札制度になってしまっています。その結果、不当廉売を許容することにつながっており、地域公共サービスの質の確保や最低賃金に違反するなど、公正な労働基準が保障されていないまま落札されるケースが増加しています。社会的に追求されるべき価値が看過され、安いだけの民間委託が推進される結果、不安定な就労、低賃金など、行政として排除すべき行為がその契約手続から発生しており、行政によって社会的不公正が助長されるという皮肉な結果が生じています。
 したがって、今こそ自治体は発注者として、本来自治体が追求すべき社会的価値を多元的に実現できるような入札制度の改革に取り組んでいく必要があるのではないでしょうか。
 平成十一年の地方自治法施行令の改正により、自治体における入札に新しく総合評価方式が導入されることになり、価格、その他の条件で自治体独自の判断ができるようになりました。価格以外のその他の条件とは、例えば、自治体が政策目的に掲げる最低賃金確保という意味での公正な労働、障害者雇用、人権、環境、男女共同参画などなどが挙げられます。熊本県においても、そういった観点の総合評価方式への導入を検討していく必要があるのではないでしょうか。
 幾つかの項目について補足説明します。
 まず、公正な労働基準とは、役務提供型の委託契約で横行するダンピングまがいの契約により人件費が圧縮され、不当に低い賃金で働かされることも起こりますが、そういう事態を防ぐために、委託契約を結ぶ相手方として、自治体は雇用者に一定の賃金水準を保つことを要求することを意味します。
 さらには、福祉も社会的価値の一つであり、法定障害者雇用率一・八%の達成を総合評価の対象とし、雇用促進を図ることもできるのではないでしょうか。
 また、環境面で言えば、民間での取り組みが進みつつあるISO一四〇〇〇シリーズの認証取得を契約の相手方への考慮項目とするなど、評価の基準とすることもできます。
 男女共同参画においては、自治体もその推進に向けて啓発事業を進めていますが、女性が働きやすい職場環境づくりへの取り組みも考慮されなければなりません。また、入札における業者登録の際に、男女共同参画への取り組みについての申告を求め、入札区分のランクを上げることもできるのではないでしょうか。
 確かに、企業の究極の目的は利潤追求です。と同時に、地域社会への責任を負う立場でもあります。しかし、それ以上に、自治体は社会的価値の実現を追求する使命を負っています。厳しい経済環境の中、歳出を切り詰めながら公共サービスを進めていく中でも、自治体は率先して地域社会の変革をリードしていく必要があるのではないでしょうか。
 熊本県において、このような社会的価値の実現を目指す入札契約制度のあり方について、どう取り組んでいかれるか、知事にお尋ねいたします。

◎知事(潮谷義子さん) 自治体の入札契約制度は、最少の経費で最大の効果を得るという原則に基づいて、予定価格以下の最低価格を提示した者と契約するのが基本です。
 その例外として、工事または製造の請負においては、契約の内容に適した履行がなされないおそれがあるときや不当廉売のように公正な取引の秩序を乱すこととなるおそれがある場合は、最低価格を提示した者以外と契約できる制度が設けられております。
 御質問のございました総合評価方式は、価格だけでなく、その契約内容における技術力、性能、将来性、将来コスト等の項目を総合的かつ客観的に評価し、最も有利と判断される者を契約の相手方として決定するものです。この方式によりまして競争入札を行う場合は、それを導入するかどうかの判断、落札者決定基準の設定、落札者の決定のそれぞれの時点で、学識経験を有する者の意見を聞かなければならないなど、発注者が恣意的に競争入札の公正性を損なわないため、通常の入札以上に客観性の確保が求められております。
 このような総合評価方式は、全国的には山梨県の県立美術館システム構築事業、それから兵庫県の大型望遠鏡装置の製作、愛知県、岐阜県などの情報システム関連の調達事業など、高度な専門性、技術力等が求められている事業に採用されているという状況がございます。
 本県では、これまで総合評価方式を採用した事例はございませんが、今後、どのような事業を対象とするかを含めて、十分な検討を行ってまいりたいと考えているところでございます。


お問い合わせ 平野みどり事務所 860-0066 熊本市城山下代4-7-28 
電話:096-319-4080 ファックス:096-319-4081
Eメール:info@hiranomidori.net  ホームページ:http://www.hiranomidori.net/
Powered by Movable Type 3.2-ja-2