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教育について [一般質問(2006年2月)]

1)スクール・セクシュアル・ハラスメント防止について

 あってはならないことですが、本県の教職員による教え子に対するスクール・セクシュアル・ハラスメントや、学校外の性犯罪によって、2000年から2005年までの6年間に、小・中・高校で13名も懲戒免職処分になっています。つい前にも、26才の県立高校教諭が、出会い系サイトで知り合った17才の少女とみだらな行為に至ったとして、逮捕されました。教訓は活かされないのかと、驚きを超えて呆れ果ててしまう報道でした。
 この間、県教育委員会は、2000年に「教職員に告ぐ(緊急アピール)」を発出、2002年には「セクシュアル・ハラスメントをなくすために」のパンフレットを配布、2003年には教職員としての自覚を促す「教職員徽章(バッジ)」を配布、2004年秋には教育長からの「教職員家族への手紙」の発出など、対応や対策をとってこられました。
 しかし残念なことは、対策の中心が教職員の不祥事防止対策に傾斜していることです。不祥事を起こした教職員や服務監督権者の管理職を厳罰にすれば、表面化する不祥事は減るという考えもあるかもしれません。しかし、何より、被害者である児童・生徒の救済こそが重要な視点です。
 さて、職場におけるセクシュアル・ハラスメントは、女性が職場で生き生きと楽しく働く権利つまり労働権が侵害される人権問題です。もちろん、男性が被害者であることもありますが、女性が被害者というケースが大半ですので、ここではその前提に立ちます。
 さて、これに対して、おもに女子である児童・生徒が、楽しいはずの学校生活において、信頼すべき立場の教職員からセクシュアル・ハラスメントを受け、人間不信に陥って学習意欲を失っていく人権問題が、スクール・セクシュアル・ハラスメントです。
 民間の教育相談機関には、表に出せば二次被害によってさらに傷が深くなるスクール・セクシュアル・ハラスメントの相談事例が、表に出ない形で持ち込まれています。スクール・セクシュアル・ハラスメントでは、教員である加害者の立場が強いため、被害を受けた本人や保護者の中で、秘匿されたり、泣き寝入りすることなどがないよう、解決へのシステム構築こそが、県民から求められているのではないでしょうか。

 その際、義務教育課、高校教育課、人事課にまたがる課題であるため、人権同和教育課が、人権の視点で、解決のイニシアティブをとっていく必要があるのではないでしょうか。もちろん、加害者にならないための、あるいは周囲が見て見ぬふりをしないためも、教職員向けの研修も必要ですが、児童・生徒が、スクール・セクシュアル・ハラスメントに遭わないための人権教育、遭った際の救済システムの活用方法などを、教育実践活動として展開するならば、職員研修だけの認識より、遙かに教職員の認識は深まるはずです。スクール・セクシュアル・ハラスメント防止教育を進める際、神奈川県や大阪府、大分県などの先進県の先行事例に照らし、提案をしながら、質問させていただきます。

 まず、部課横断的に対応するために、スクール・セクシュアル・ハラスメントの取扱窓口を、児童・生徒の学習権保障を前提に、人権同和教育課など、人権を扱う部署に設置し、スクール・セクシュアル・ハラスメント防止ガイドラインを作る必要があるのではないでしょうか。
 そして、スクール・セクシュアル・ハラスメントの被害者が、二次被害を恐れなくても安心して救済を求められるように、また、加害者への処分回避が優先されないように、第三者救済機関を設けることも必要ではないでしょうか。
 更に、窓口設置とガイドライン作成に向けて、現場教職員、教育委員会、また、第三者として、大学などの有識者や弁護士、医療や心理分野での専門家などが、制度設計及び制度の運用の課程で、綿密な協議を行い、実施していくことが肝要です。

 以上、児童・生徒の回復や被害防止を前提とした、スクール・セクシュアル・ハラスメント防止の仕組みづくりに向けて、教育長の前向きな答弁をお願いいたします。

(教育長)
(問3)教育について
(1) スクール・セクシュアル・ハラスメント防止について
(答弁)
 教職員に対しては、これまでも様々な機会をとらえ、セクシュアル・ハラスメントについての認識を深めるよう努めております。
 児童生徒に対するセクシュアル・ハラスメントが生じた場合には、人権教育をはじめとする多面的な視点で連携のとれた対応が特に必要です。そのため、調整窓口を定めて、教育庁内の連携体制を強化するとともに、児童生徒に対するセクシュアル・ハラスメントについての対応方法等について定めるガイドラインづくりに取り組むことといたします。
 第三者による救済については、まずは、各学校における相談窓口を明確化することが第一でありますが、相談者がなるべく安心した状態で相談できるよう、校内の相談員やスクールカウンセラーの活用等について、更に啓発を図るとともに、教育委員会内外の関係機関との連携にも努めて参ります。
外部有識者の助言を求めることについては、以上のような取組みを進める中で、必要に応じ検討して参ります。

(2)第2期整備推進協議会最終報告について
 第2期県立高校教育整備推進協議会(以下、第2期整備協)の第11回会合が2月27日に開催され、最終報告案が了承されました。これに先だって、本年1月と2月には、その中間報告についての説明会が、最終報告の検討に役立てるという目的で、県下8箇所で開催され、参加した学校関係者や保護者、一般県民から、様々な意見が出されています。
 この最終報告書では、少子化に伴い、定員割れを起こしている小規模校等の「統廃合を含む再編成」や「通学区域の段階的拡大」等が示されていますが、その実施においては、分権時代における地方間の格差や保護者の経済力による就学機会の格差への配慮が求められます。
そこで、平成18年度から始まる高校再編整備の基本計画の策定や平成19年度から3年毎に3段階で実施される具体的な実施計画の策定に関して、整備協での議論や各地で出された県民からの意見を踏まえてお尋ねします。

1)「統廃合を含む再編成」についてですが、止まらない少子化の流れの中、高校を運営する上で、必要かつ適正な学級数はあると思います。しかし、統廃合により新しい学校への通学域が広くなり、通学時間がかなりかかることは避けられません。小、中学校と地元で育ち、地元との関わりが密であっても、高校段階から地元を離れることによる帰属意識や愛着が薄れていくことを懸念します。果たしてそのことが、将来どんな状況を招くのでしょうか。「通学区域の段階的拡大」が、将来的に「全県一区」へとつながる時、更にそれは加速すると思われます。熊本市への一極集中、あるいはそこからの流出は避けられないと思われるからです。
 もちろん、同じ県に生まれて、育つ場所によって選ぶ学校が限られていることを、不平等だと思う生徒や保護者の意見があることは承知しています。ただ、地方分権や市町村合併が進む中で、地方を支えリードするしっかりした人材が益々必要になる時代に、その地元で学び育つ人材が少なくなることは、はたして県土の均衡ある発展につながるのでしょうか。
 東京など大都市に富と人が集中して、地方との格差が生まれたように、まさにその構図が、熊本県内で更に加速していくことを懸念しています。
 第1期整備協においては務部長も委員の一人でしたが、当時の総務部長は国からの出向ということもあり、地方の教育について、特段意見が出されなかったそうです。第2期整備協は、まさに、地方分権や合併問題のただ中でしたが、何故か、知事部局から総務部長が委員として出ておられず、県土の均衡ある発展を目指す県計画との兼ね合いにおいての発言は、残念ながら得られませんでした。
 今後の基本計画および実施計画においては、県計画との整合性、及び統廃合がある場合の校舎等施設整備の財政負担も含め、知事部局(総務部長)の関わりは、極めて重要だと考えますがいかがでしょうか。

2)費用負担という点では、統廃合となる場合の遠距離通学者への配慮です。子どもたちの交通手段を、保護者の負担に頼るわけには行きません。整備協の最終報告でも論議されておりますが、スクールバスや地元のタクシーを活用するなどの交通手段を、地元自治体等とも協議の上、手だてしていく必要がありますが、いかがお考えでしょうか。

3)全日制では就学が困難な生徒の選択肢として、定時制・通信制高校はその存在意義が増しています。定時制については、統廃合を進めることなく、県全体での配置バランスを考慮すべきではないでしょうか。また通信制については、施設不足が訴えられており、健全な就学環境保障のため施設拡充に取り組む必要があります。更には、定時制・通信制双方、生活面・精神面等課題を持つ生徒も多いため、クラス定数の見直しや加配など、現場の声の切実な声を聞きながら取り組む必要があると思いますが、いかがでしょうか。

4) 就学意欲の欠如が著しい生徒への対応に、現場からは悲鳴が聞こえてきます。たとえば、熊本市から市外の高校に、“玉突きされた子どもたち”などですが、“目標を持てない”まま中途退学となっている現状もあります。将来的に社会の中で生産活動に入らない層となり、社会負担を増加させる可能性も少なくありません。簡単に答えが出る問題ではありませんが、適切な進学や進路指導、高校でのカリキュラムの改編等も含め、抜本的な検証や対応が必要と考えますが、いかがでしょうか。

5) 統廃合や全県一区となった場合、好むと好まざるとにかかわらず、遠距離通学になる場合が増えると思われます。また、どうしても下宿させなければならないケースも出るでしょう。そうなると、スクールバス等の手段が講じられるケースばかりではありませんので、保護者の経済的な負担が増えるのではないでしょうか。今後、実施計画段階で、保護者の経済的負担による奨学金申請が増える場合、現行の奨学金枠で十分なのかを、事前にシュミレーションしたり、実施計画状況を見ながら、勘案していく必要があると思いますがいかがでしょうか。
以上5点について、教育長にご所見を伺います

(2) 第2期整備推進協議会最終報告について
 (答弁)
 まず、知事部局とのかかわりについてですが、「県立高等学校教育整備推進協議会」、いわゆる整備協は外部有識者等の意見を聞く場として実施しており、総務部とも、その都度会議の報告を行うなど情報交換をしながら進めてまいりました。
 その最終報告を受けて、来年度から県立高校再編整備等の計画策定等を行う予定。この計画策定の過程においても、他の事業と同様、総務部をはじめ知事部局との連携を図ることとしております。
 次に、県立高校の再編整備に伴い遠距離通学となるような場合の対応についてですが、整備協の最終報告において「再編整備に伴い通学事情が著しく悪化するような場合は、交通手段の確保等についても十分留保する必要がある」と記されており、この趣旨に沿って対応を検討して参ります。
 次に、定時制・通信制過程の再編整備等の考え方等についても、整備協の最終報告の趣旨に沿って対応して参ります。
 また、定時制過程の1学級の生徒数は、いわゆる高校標準法で40人を標準とすることが定められており、この標準を下回る人数での学級編制は現在のところ考えておりません。
 なお、生徒指導上課題のある学校等に教職員の特別な配置を行っており、学校からの要望を踏まえ、平成17年度は定時制高校1校に非常勤講師1名を配置するとともに養護教諭の複数配置を行っております。
 次に、中途退学となっている子どもたちへの対応についてでありますが、本県の公立高校における中途退学者の割合は、平成14年度が2.1%、15年度が2・0%、16年度が1.8%と年々低下するなど、「適応指導研究指定校」等の対応により成果を上げています。今後とも、就学意欲が一層高まるよう、学校におけるきめ細かな適応指導等に努めて参ります。
 最後に、奨学金制度についてでありますが、県立高校の再編整備等と奨学金申請件数との関係の把握が難しく、計画策定段階でのシミュレーションは困難と考えます。
 なお、再編整備等により通学事情が著しく悪化するような場合は、整備協最終報告の趣旨に沿って、奨学金制度及びその運用の改善を含めて、交通手段の確保等について対応を検討して参ります。


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