トップページおしらせブログ活動報告議会報告政策プロフィール事務局お問合せ
 

« 相良村の国営川辺川利水事業不参加とダム建設反対表明について | 議会報告トップ | 教育について »

肥薩おれんじ鉄道について [一般質問(2006年2月)]

 まず、開業から現在までの経営的課題について伺います。
 新幹線新八代駅から鹿児島駅までの開業に伴い、鹿児島本線八代駅から川内駅までが、「肥薩おれんじ鉄道」として、開業したのは2004年3月13日でした。後3日で丸2年が経過します。おれんじ鉄道は、熊本、鹿児島両県及び沿線市町等が出資する第三セクター鉄道会社として設立され、会社概要にはこう記されています。「熊本県と鹿児島県両地域の人々のふれ合いや愛を結ぶための、安全で安定した輸送手段として、また、地域に密着した観光や産業の活性化の役割を担い続ける鉄道としての大きな期待が寄せられています」
 果たして現在、人々のふれ合いや愛は結ばれているのでしょうか。安全という点では大きな事故も起こっていませんが、沿線の利用者の皆さんにとって、安定した輸送手段となっているのでしょうか。地域に密着した観光や産業を活性化の役割を担い続けていると言えるのでしょうか。

 肥薩おれんじ鉄道の2005年中間期決算(2005年4月から9月まで)によれば、出資する鹿児島、熊本両県が経営の目安としている減価償却費を除いた損益は、1985万円の赤字となっております。つまり、初の償却前の赤字となりました。それから半年、今月中にも2005年通期の決算が発表されますが、下期は、行楽シーズンではない閑散期にあたることからすると、赤字幅は更に広がっているものと思われます。
 開業初年度となる昨年3月期決算では、経営基本計画で、開業後9年間の黒字確保を見込んでいる減価償却前の黒字が、運賃収入の伸び悩みから900万円にとどまっておりました。これは、経営基本計画の中で初年度見込まれていた黒字9900万円のわずか一割弱にしかあたりません。その後1年が経過しておりますが、開業2年目にして早くも、通期での償却前赤字転落は避けられない厳しい状況です。
 償却前収支は、車両購入などの減価償却分を除き、実質的な単年度収支を示す経営の目安ですが、赤字に陥った場合、両県や沿線九市町、JR貨物からの出資金の残金を取り崩すほか、将来的には新たな公費による赤字補填も発生することになります。

 さて、当初から経営計画の甘さは指摘されていましたが、予想を遙かに上回るスピードで経営状況の厳しさが増している原因は果たして何なのでしょうか。南九州道日奈久-田浦インター間の開通や原油価格が高騰し、軽油が値上がりしたことも影響しているでしょう。しかし何と言っても、JR時代に比べ、特急がなくなったことや運賃が1.3倍になったことによる、日常生活の足として鉄道を使っていた人たちが、離れていたったことが主な原因であることは明らかです。

 もちろん、これまでビール列車の運行、沿線観光スポットを活かしたキャンペーン、JR快速電車の乗り入れ、海水浴客をターゲットにした臨時ダイヤ、おれんじ鉄道友の会を設立してのマイレール運動、65歳以上を対象としたシルバー定期の発行、水俣駅、八代駅でのダイヤ改正での利便性向上など、経営努力が図られてはいます。
 しかし、一端離れて行った利用客は、そう簡単には戻ってこないというのが通説だと言われているように、開業時に、JR時代とあまりに違う運賃と利便性に、通勤・通学客が激減していったことは、今に至るまで大きな影響を与えています。新幹線の陰で、沿線利用客の皆さんが以前にも増す負担と不自由を強いられていることに、私たちはもう一度真摯に目を向けなければなりません。
 そこで、まず今期決算を前に、肥薩おれんじ鉄道の現状について、いかが認識しておられるか地域振興部長に伺います。

 次に、利便性向上のための具体策について伺います。
高齢の方が多く沿線に住んでおられることなどから、一日も早く、肥薩おれんじ鉄道とJRの連絡を改善する必要があります。たとえば、以前は佐敷や日奈久から乗り換え無しで熊本まで来ていた方々が、今は、通常2回乗り換えを強いられておられます。以前のように乗り換え無しか、せめて一度だけの乗り換えで、熊本に来られることを、どんなに望んでおられることでしょうか。乗り換えの場合でも、同じプラットホームが利用でき、連絡時間に無理やムダがない“人にやさしいダイヤ”にするなど、利用者の視点に立ったダイヤ改正にすべきではないでしょうか。
 おれんじ鉄道とJRの相互乗り入れについては、単に季節的な臨時快速便を走らせるだけではなく、通常ダイヤでの定期的相互乗り入れとして、実現に向けて協議する必要があります。技術的にできないわけではありませんので、どうすればできるかを、前向きに検討し協議して行く必要があります。今すぐ着手できることから、5年後の新幹線全線開通時までに、段階的に進めることまで、利用客や県民にもわかりやすく見通しを示す必要があります。
 協議において、JR九州だけを相手にする交渉に限界があるのなら、鹿児島県と連携して、国に対しても強く支援を求めていく必要があるのではないでしょうか。
 県財政が益々厳しさを増す中、肥薩おれんじ鉄道が大きな負担となることも懸念されますが、沿線利用客の皆さんが、これ以上、新幹線のしわ寄せを被っているという閉塞感と共に、「高運賃で使いづらい」おれんじ鉄道から離れていかないよう、そして一端離れた方々が、もう一度、戻って来られるよう、利用客の利便性向上に取り組む待ったなしの時期であると思います。今後の抜本的な改善策について、地域振興部長に所見を伺います。

(地域振興部長)
 (問4)肥薩おれんじ鉄道について
(1) 開業から現在までの経営的課題について
(2) 利便性向上のための具体策について
  (答弁)
(1)肥薩おれんじ鉄道は、平成16年3月の開業以来、年間約180万人以上の方が利用し、通勤・通学をはじめ生活交通の基幹的な地域の交通手段として、また、周辺地域の産業や観光振興等のための公共交通手段として重要な役割を果たしていると考えております。
 しかし、肥薩おれんじ鉄道が引き継いだ路線は、採算性が最も厳しい路線であり、当初から会社の経営は厳しいことが予想されていましたが、平成17年度決算見込みとしては、減価償却前の赤字が予想される厳しい状況を迎えております。
 このため、沿線自治体等で構成する肥薩おれんじ鉄道沿線活性化協議会を中心として、沿線情報の発信や5,000人近いおれんじ友の会の会員の確保や企画ツアーなどの利用促進策の実施及び経費の徹底した見直しによるコスト削減に取り組んでおります。ただ、沿線地域の高齢化の進行、学生数の減少及び高速道路の延伸等に伴う旅客収入の大幅な減少、原油の高騰により燃料代が1,500万円増加するなどの影響がでています。
 県としては、こうした実態を踏まえ、鹿児島県及び肥薩おれんじ鉄道株式会社等と連携して、経営基本計画の見直しを進めており、現計画の収支見通しを抜本的に検討するとともに、JRなどに人件費負担の軽減や共同切符の開発等の支援等を要請し、一層の利用促進策の実施や経費の徹底した削減等に取り組むこととしております。
(2)次に、利便性の向上についての具体策ですが、平成17年3月のダイヤ改正で、利用者から強い要望があった八代駅での乗り継ぎ時間は、平均13分から平均7分に短縮し、同一ホームでの乗換えは11本から22本に倍増しております。さらに、土日の快速電車の1便の増便、最終列車の繰下げによるJRの遅い便との接続等の利便性の向上に努めてきており、これにより、佐敷や日奈久方面からの熊本方面への利便性は、相当に改善されたと考えています。
 さらに、沿線住民等の要望に対応し、土日の快速列車の熊本方面への乗出しについても、会社と連携して具体的な検討に入っています。今後とも、その他可能な利便性向上策も検討し、順次取り組んでいきたと思います。
 いずれにしても、肥薩おれんじ鉄道は地域に密着した鉄道であり、沿線の方々のマイレールという熱い思いや5,000人近いおれんじ友の会をはじめとするサポーターの支援をしっかり受け止め、県としては、沿線活性化協議会を中心に、沿線自治体等とも連携して、積極的な利用促進に取り組むとともに、経営改善に努めて参ります。


お問い合わせ 平野みどり事務所 860-0066 熊本市城山下代4-7-28 
電話:096-319-4080 ファックス:096-319-4081
Eメール:info@hiranomidori.net  ホームページ:http://www.hiranomidori.net/
Powered by Movable Type 3.2-ja-2