民間での障害者の就労について [一般質問(2007年12月)]
質問
(平野みどり)
そういって高等部を卒業したり、一般の高校で知的障害を持つ子供たち、発達障害を持つ子供たちが卒業しても行き場がないということでは困ります。民間での障害者の就労もしっかりと進んできておりますが、では、県ではどうかということで今回質問させていただきます。
既に本県では、身体障害のある方々の雇用は、障害者特別枠として、さまざまな部署で県職員として働き、当事者としての経験や視点を生かしておられます。しかし、知的障害や精神障害のある方々については、まだ就労の門戸は開かれていません。
そこで、保護者の皆さんからの要望の提出を受け、昨年12月県議会で、私は今回の知的障害と精神障害のある方々の県機関でのインターンシップについて質問させていただき、今回実現いたしました。実施期間は、11月5日から16日までの2週間で、知的障害及び精神障害を持つ生徒や施設利用者の皆さん11人が、県機関9カ所でインターンシップを経験しました。まずは、インターンシップを通して、どんな仕事が向いているか、就労上どんな支援や配慮が必要かなどを、働く側も雇用する側も見きわめるための初めての試みでした。
ちなみに、9カ所は、私学文書課、障害者支援総室、労働雇用総室、教育政策課、パレア、自動車税事務所、県立図書館、こども総合療育センター、農業研究センターの9カ所です。仕事の内容は、発送郵便物の重さをはかったり、到着郵便物を開封したり、データ入力作業をしたり、図書館の図書の分類や整理をしたり、こども総合療育センターでは、入所者のベッドメーキングなどを経験しました。
さて、これら受け入れた各部署並びにインターン実習生御本人からの感想や気づいた点、課題などはどう総括されたのでしょうか。また、知事部局や教育委員会では、今回の取り組みについて、雇用にどう結びつけようとされているのでしょうか。
障害者雇用促進法による障害者雇用率の達成という点では、知事部局では2.1%が義務づけられており、現在2.65%で達成しています。しかし、教育委員会は、2.0%が法定雇用率なのに対し、現在1.83%で、未達成の38県の中に入っており、厚生労働省から是正勧告を受けました。教職員の中にも可能な限り雇用をふやさなければなりませんが、事務職員や図書館職員などに雇用を広げていくことは十分可能です。知的障害や精神障害のある人の雇用も含め、教育委員会には一層の努力が求められています。
本年4月から本格施行に入った障害者自立支援法は、施設利用から一般就労を促す法律となっており、全国的にも、都道府県、市町村でも障害者雇用が本格的に進みつつありますし、また、民間への模範として真剣に取り組まなければなりません。熊本市でも、インターンシップと同時に、本年度から、知的障害と精神障害を持つ人を1人ずつ嘱託として雇用し始めました。本県も、さまざまな部署での就労の可能性を探るためインターンシップを終了したわけですが、嘱託、短期雇用などからでも雇用をスタートさせていく必要があります。
来年度に向けての雇用の見通しを総務部長にお尋ねいたします。
答弁
総務部長(原田正一君)
まず、今回初めて実施をいたしましたインターンシップの結果についてでございますが、特別支援学校及び障害者福祉施設から12名の方に御参加をいただき、知事部局、教育委員会それぞれの本庁及び出先機関、これも質問の中で御紹介いただきましたとおりでございますが、9つの所属で受け入れを行ったところでございます。
職場の業務に応じたさまざまな作業を行っていただきましたが、本庁等事務系の職場では、既存文書のワープロ入力、会議のテープ起こし、各種調査票の回答項目チェックなど、初めての事務作業にも意欲的に携わっていただいたところでございます。
実習終了後に、受け入れ所属及び学校、さらには施設それぞれにインターンシップの感想や意見等について調査を実施いたしますとともに、実習生本人にも学校などを通じまして聞き取りを行ったところでございます。
それらによりますと、おおむね実習生にとって職業経験を積む貴重な機会になったとの感想が多く寄せられておりまして、また、受け入れ所属としても、障害者の方を理解するよい機会になったなどの意見が多かったという結果でございます。
インターンシップの改善点や課題につきましては、調査結果を踏まえまして、今後福祉専門家の方も交えて検証を行うこととしております。
なお、来年度も、実施地域や業務内容を広げるなど、インターンシップの充実に引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
次に、これらの方々の県機関における雇用についてでございますが、今回のインターンシップにおいて、まじめに熱心に仕事に取り組んでいただいた実習生の方の姿について報告を受けておりまして、この雇用の可能性についても手ごたえを感じているところでございます。
雇用に当たりましては、障害者の方と県の双方にとってよりよい形となりますよう、障害者の方の適性に合った業務内容及び業務量の確保など、受け入れ環境の整備を進めますとともに、選考のあり方や雇用の形態、期間、これらにつきましても、今後より具体的に整理する必要があると思っております。
したがいまして、今直ちに雇用を始める時期をお示しすることは難しいという状況でございますが、今後、教育委員会とも連携の上、できるだけ早くこれが実現できるように取り組んでまいりたいと思っております。
(平野みどり)
前向きな意欲を感じさせていただける答弁でございましたが、もう現実始めている都道府県、市町村もあります。熊本市も始めておりますので、一日も早く実現するように御努力いただきますようお願いいたします。