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改正河川法の理念について [一般質問(2008年6月)]

 質問

(平野みどり)
 1997年に河川法が改正されました。この改正で特徴的であるのは、住民対話と環境の保全整備が取り入れられた点です。法施行後、河川整備計画原案の策定に際し、有識者の意見を聞くための流域委員会が全国の水系ごとに設置されるようになりました。ただ、各地の委員会は、まだまだこれまでのように役所が形式的に設置したとしか評価できないものが大半であるとの厳しい指摘もあります。
 そうした中で、唯一の例外とも言えるのが近畿の淀川水系流域委員会です。淀川は、滋賀県、奈良県、三重県、和歌山県、京都府、大阪府の6府県を流れる1級河川です。同委員会は、第三者組織により選出された委員により自主的に運営されてきました。6年にわたる真摯な議論を経て、住民の生命と財産を守るという治水の使命を真摯に達成するには、基本高水を根幹とする従来型治水を、それにとらわれない新たな治水に転換する必要があるとの意見を出しています。予算がかかり過ぎるという理由で現在休止されようとしていますが、私たち日本人が21世紀へ向かって持つべき河川と公共事業に対する思想を住民参加で構築していくという点で、大いに学ぶべき取り組みだと評価します。
 さて、このような状況も踏まえ、蒲島知事は、改正された河川法の理念についていかが理解され、今後の河川行政にどう生かしていかれるか、お考えをお尋ねします。
 次に、川を中心に据えた地域づくりについて伺います。
 9月議会での知事のダム問題についての判断は、私たちダムによらない利水、治水を考える県議の立場からは、ダム事業中止と期待しているところです。知事がいかなる判断をなさるにしても、流域・地域再生は蒲島知事の最も力を注がなければならない課題であることは変わりありません。改正河川法の理念にもある住民参加、環境重視に基づき、治水だけではない、川を中心に据えた地域づくりが必要となってきます。
 したがって、単に9月までに有識者会議の議論を参考にダム問題への判断をするだけでなく、その後の地域再生へのビジョンとそれに基づくグランドデザインの構想を同時に進めていかなくてはなりません。
 知事はもったいないという考え方を口にされますが、まさに球磨川、川辺川は地域の宝であり、生かさなければもったいないです。豪雨時の治水だけを考えるのではなく、この宝を生かし、流域住民が誇りと自信をさらに強くしていただくことが何より重要だと考えます。
 例えば、循環型農林業、漁業を生かした観光、スポーツやレジャーなどの観光、水辺の豊かさを楽しむ取り組みなどです。ラフティング、カヌー、キャンプ、グリーンツーリズムなどによる民泊、マウンテンバイク大会、サイクリング、山歩き、アユやヤマメ釣り、海釣りなど、既に取り組まれていることも含め、県として、市町村や民間団体と同じ目線で議論に加わり、一層後押しし、必要な施設整備には可能な限り支援をすることも大切です。学者知事でおられるので、環境や多様な水辺の生態を研究するための研究機関の誘致や大学との連携、子供たちのための水辺の学校、エコツアー等の取り組みなども考えられます。
 もとより人吉・球磨地方は、良質な温泉とおいしいしょうちゅう、さらには、溝口議員が質問されると思われますが、国宝指定された青井阿蘇神社など歴史ある観光資源も有しており、それらとリンクさせれば、県内でも屈指の観光地としてこれまで以上に国内外からの集客が見込め、それこそ可能性は無限大だと感じます。
 森、川、海のつながりを考えながら、人吉・球磨地域において、球磨川、川辺川流域の人々の暮らし、環境、歴史の視点を大切にしながら、川や川の恩恵を受ける地域資源を生かして、川を中心に据えた地域づくりにつなげ、観光資源を磨き上げていこうとするお考えはないか、知事にお尋ねいたします。

答弁

知事(蒲島郁夫君)
 環境や川づくりに対する住民ニーズの多様化など、河川行政を取り巻く社会経済状況の変化に対応するために、平成9年6月に河川法が改正されました。これは昭和39年以来のことです。
 改正内容のうち、河川整備を行う上での法定計画については、河川整備基本方針と河川整備計画の2つに区分されたことは議員も御存じのことと思います。
 そのうち、河川整備基本方針は、一級河川については、国が長期的な観点から国土全体のバランスを考慮し、河川審議会の意見を聞いて定めます。
 もう一つの河川整備計画は、20年から30年間で実施する整備の具体的な内容などを定めるもので、計画の策定段階で住民の意見を反映させる、いわゆる地域の意見、手続などが盛り込まれています。これが昭和39年の河川法と違うところです。
 これから、川づくりに当たりましては、地域住民の皆様の川への思いをお聞きしていくことが大切なことだと考えております。今後とも、改正河川法の趣旨にのっとり、河川環境の整備と保存を進め、地域の意見を踏まえて河川行政に取り組んでまいりたいと思っています。
 もう一つの問いですけれども、球磨川、川辺川は、急流を生かした川下りやラフティング、釣り、キャンプが楽しめるだけでなく、カヌー競技の練習の場としても活用されるなど、すぐれた地域資源となっています。さらに、その豊かな流れは、人吉・球磨地域に豊穣な農地をもたらし、相良700年の繁栄を支え、国宝に指定された青井阿蘇神社などの貴重な文化遺産を数多くはぐくんできました。
 県としても、地域資源の魅力をさらに高めるため、関係機関と連携して広域的なグリーンツーリズムの推進などに取り組んでいます。例えば、川上から川下まで、それぞれの地域がその地域の食材を使った郷土料理を持ち寄って食の祭典を毎年開催するなど、川の恵みを生かした新たな取り組みも始まっています。
 今後とも、地元市町村や地域づくり団体などと連携し、球磨川、川辺川がはぐくんだ地域資源の魅力を最大限に生かしながら、観光資源の磨き上げや地域づくりに取り組んでまいりたいと思っています。


(平野みどり)
 今御答弁をいただいたわけですけれども、私たちが考えるより球磨川、川辺川というのは、観光資源として第一級品だということは他県の方々がおっしゃいます。それぞれ民間での取り組み、行政の後押しなどでいろんな取り組みが始まっていますけれども、それを有機的にリンクさせ、そして川上から川下まで、さっきおっしゃいましたけれども、一体的な川を生かした地域づくり、観光づくりのグランドデザインというものは、まだ十分できていないという気がいたしました。
 地域政策課なのか観光物産総室なのか、答弁をどっちにするのかというようなことでちょっとせめぎ合った部分がございましたけれども、もっと知事が稼げる県にしたいとおっしゃるその意を職員の皆さんたちもしっかり酌んで、担当部署を超えた大きな連携ができるような、そんな発想をしていただきたいなと、この質問を準備するに当たり、ちょっと心配な部分もございましたので、その点申し添えさせていただきたいというふうに思います。


お問い合わせ 平野みどり事務所 860-0066 熊本市城山下代4-7-28 
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