球磨川・川辺川流域問題について [一般質問(2008年6月)]
質問
(平野みどり)
今回、蒲島県政が始まって、私にとっても最初の質問ということで、大変緊張しております。こんな厳しい時代ですので、議会も、そして執行部も、そして県民も一緒になってよい方向を見出していける県政でありたいと思います。その一翼を――末席で私たちも頑張りたいというふうに思っております。
今、梅雨のシーズンですけれども、地震災害、この熊本、そして日本、見舞われます。特に、私どもは災害弱者ということで、災害時要援護者になりますので、本当に心配なのですけれども、県におかれましては、ぜひそういった弱い立場の皆さんたちの命、高齢者の方々の救済に向けて、しっかりと、大変甚大な被害が出たとしても取り組んでいただきたいなと思っております。そういった重責も担いながらの蒲島知事の1期目のスタートということになります。
時間がきょうはとても限られております。私の質問時間も多うございますし、答弁も23分という長い答弁だということですので、大変いつもと同じ早口になってしまいますが、できるだけ明瞭に質問していきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
それから、まず1番目についてですけれども、3番と4番を逆にさせていただき、荒瀬ダム問題について4番目に質問させていただくことを御了承ください。
それでは、通告に従いまして質問を始めさせていただきます。
球磨川・川辺川流域問題について、まず、有識者会議の進め方について伺います。
知事の9月議会での判断の前提として、川辺川ダム問題を総合的に検証するための有識者会議を開催することは、県民もマニフェストに記載されておりましたので認知しておりました。ただ、知事が選んだ、どんな委員が、どんな方向で議論なさるのかについては、地元におられなかった知事だけに、期待より不安が大きかったことも事実です。
ところが、委員は、行政学、公共経済学、気象学、森林水文学、農学、地域環境工学、保全生態学等々、多彩な分野から選ばれており、国交省の理屈を踏襲しがちな河川工学からの委員はわずかに1人です。過去3回の議論も、地元熊本での反対派と国交省、推進派のせめぎ合いを超えて、この問題に何らかの新たな視座を与えていこうという誠意ある議論となっており、これまで行政がおぜん立てして議論の方向性を規定していた多くの審議会と異なるカラーを持つと感じています。
しかしながら、東京で行われているため、有識者会議の議論や雰囲気を、地元熊本県民は、報道とわずかな傍聴者からの私信での報告のみでしか知り得ないという、大変残念な状況が続いています。6月10日に開催された第3回有識者会議を傍聴した立場からは、そんな一般県民のこの会議への認識と委員の真摯な議論とのギャップを深刻に感じました。単に知事が判断するための勉強の機会にとどめておいてはならないと思います。徹底した情報公開のもと、参加型民主主義を標榜される蒲島知事には、その点への認識を深めていただきたいと思っています。
そこで、3点お尋ねします。
まず、県が主催することから、住民討論集会や河川計画検討小委員会など、国交省が税金を使って準備した膨大な資料やその主張と手弁当で準備された反対派の資料や主張を、県が代弁して説明するというやり方をとっています。県としては、双方の主張を対等に扱っているとの認識かもしれませんが、国交省の膨大な資料の説明に時間をかけ過ぎだと感じました。
第3回も、せっかく委員がそろっておられるのに、委員からの質問や委員同士の議論に、3時間のうち費やしたのは1時間ほどでした。これでは委員も不本意だったのではないでしょうか。資料は事前に送付されているわけですから、説明は要点だけを簡単に行えばよいはずです。今後の進め方についてどう改善するのか、お尋ねします。
さて、本来、川辺川ダム問題は熊本県の問題ですから、有識者会議も県民が傍聴できるよう熊本県で行われるのが望まれました。短期間であり、多忙な委員全員を丸一日拘束してしまうため、東京開催となったのだと推察します。
しかし、県民が知事の最終判断に影響を与える有識者会議に関心を持つためには、情報公開の適時性が不可欠です。国の予算で行われた住民討論集会ではインターネット中継がされていましたが、県は予算がかかり過ぎるためと見送っています。
委員の皆さん自身は、傍聴も含めて、情報公開について積極的であるのに、それを生かしていないのは問題です。今からでも、今後の議論の適時性と公開性を高めるため、検討すべきではないでしょうか。財政的な問題は重々承知していますが、県民に開かれた県政においては、必要な予算を惜しんでは県民の信頼が得られません。
さらに、議事録のホームページでの公開についても、極めて遅いと言わざるを得ません。5月15日に行われた第1回の議事録が、6月12日にやっと掲載されています。遅かった理由は、委員からの確認が戻ってくるのに時間がかかったためと聞いていますが、最終版ではなく、校正が未確認である旨を説明した上での議事録の掲載は一般的に行われていることです。説明部分は割愛して、委員からの質疑や議論の部分からでよいので、大変な作業ではないはずです。せめて2~3日後にはアップされていなければ、情報化時代の自治体として恥ずかしいと言わざるを得ません。
さて、この委員会の残念なことは、現地をいまだに見ずして議論が始まったことです。委員の方々自身が、その点には困っておられるのではないでしょうか。やっと第5回目に現地視察が予定されていますが、時間は限られていますので、委員の方々はもちろん、それぞれの立場の県民が納得のいく視察のあり方を十分に検討しなければなりません。
そこで、委員の方々が反対派、推進派の双方から直接話を聞く時間をとること、現地の視察での案内にも双方の代表が随行し、説明に関与することを計画すべきだと考えますが、いかがでしょうか。繰り返しますが、有識者会議も税金で運営されており、情報公開と住民参加が不可欠であることを忘れてはならないと思います。
以上、有識者会議における国交省、反対派双方の主張の提示の仕方、情報公開のあり方、現地視察の持ち方の3点について、理事にお答えいただきます。
答弁
理事(上野信一君)
有識者会議での議論に当たり、委員の方々に川辺川ダム事業の内容や経緯などを十分御理解いただくため、まずは事務局が説明を行い、これをもとに議論するという方針を第1回会議で了承いただきました。この方針に沿いまして会議を進めております。第2回、第3回は、治水がテーマであったため、説明に時間を要しましたが、今後は委員による議論が中心になってくると考えております。
また、国土交通省及び住民団体、両方の資料を用いながら、それぞれの主張などについて中立、公平な説明を行っており、今後も同様に対応してまいります。
次に、情報公開についてでございますけれども、川辺川ダム問題に対する県民の関心も高いことから、積極的な取り組みが必要と考えております。
このため、会議資料や議事録をホームページに掲載し、会議を直接傍聴できない方々でも会議の状況がわかるように、できる限りの情報提供に今後も努めてまいります。
議事録については、記録の作成及び内容の確認のため、掲載まで時間を要しておりますが、御指摘を踏まえ、委員の方々の協力をいただきながら、できるだけ早く掲載できるように努めます。
また、インターネット中継につきましては、情報提供の有効な手段であることは御指摘のとおりでございますが、費用を初めもろもろの課題がございまして、実施は困難であるというふうに考えております。
最後に、有識者会議による現地調査につきましては、現在準備を進めており、流域の状況をつぶさに見ていただき、それらを踏まえて議論いただく予定でございます。
現地調査は、限られた時間の中で実施することになるため、説明は会議と同様に県が行う考えでございますが、賛否双方から意見を聞く場を設けることができるかどうかも含め、具体的な調査行程は、委員の方々とも相談しながら検討することとしております。
(平野みどり)
議事録に関しては、できるだけ早く委員の方々の承認も得て掲載するということでしたが、あとに関してはちょっと心配です。
有識者会議、本当に県民とは乖離しているなと感じました。第3回を聞いていまして、いろんな審議会を私も傍聴させていただく機会はありますが、ただそこに座っているという委員が多いことも事実です。ところが、この有識者会議の委員の皆さんたちは、国交省側の説明を聞いた後でも、反対派の方々はこうおっしゃっていますけれどもどうなんですかというふうに、反対派の方々の意をとても酌み取ろうとする意向も様子も見えて、中立であろうという、莫大な国交省の資料がありながらも、やはりわずかな反対派の資料の中でもそういった真実を、真実といいますか、反対派の方々の思いもしっかりと酌み取ろうという、そういった誠意が感じられる会議になっています。という意味からも、9月の判断に向けて、県民が参画できるような有識者会議であってほしいと思います。
現地視察に関しても、今できるだけ平等にというようなことを言われましたけれども、どういう持ち方をするかについても、住民の方々にも意見を聞かれて行っていただきたいというふうに思います。同じことを同じように見るのでも、立場が違うと発言も指摘する内容も違ってくるのは当然ですので、どうぞよろしくお願いいたします。