文化観光面でのUD、バリアフリーの取り組みについて [代表質問(2009年2月)]
質問
(平野みどり)
観光立県宣言をした熊本県としては、県民を初め、日本じゅう、世界じゅうから訪れるだれもが気持ちよく快適に観光できる環境づくりに責任を持って取り組む必要があります。
日本は、高齢社会のただ中にあり、団塊世代の皆さんがさらに高齢人口に入りつつあります。病気や障害あるいは加齢により、移動に不自由を感じる人が多くなっています。
さて、観光県熊本のバリアフリー化や公共交通機関のアクセスはどう進んでいるのでしょうか。観光地のUD化、バリアフリー化がされている、あるいは完璧でなくてもそれを補う人的対応がシステム化されていると、御本人や同行者も、またそれを目撃した観光客にも、熊本は高齢の方や障害のある人にもアクセスがよくて丁寧な対応をする観光地だなとしてインプットされ、口コミやインターネットで広がります。また、その逆の対応であれば、今度はマイナスの評価がすぐに広がります。
これからは、観光客の中に、高齢者や車いすを利用する人等、障害を持つ人がふえるということを想定しておく必要があり、いま一度県が音頭を取って、公共交通を含む観光面でのUD化、バリアフリー化を進めていくべきだと考えます。もちろん、ソフトの面でも大事ですので、知的障害のある方や外国人の方たちも使えるような仕組みにしておかなければなりません。
私は、議会視察で他県を訪れますが、ほとんどの場合、リフトつき観光バスが用意され、同僚議員の皆さんと一緒に視察を行っています。ところが、熊本県には小型のリフトつき観光バスが1台しかなく、福岡県の西鉄バスが持つリフトつきバスもかなり先まで予約がとれないとのことです。同窓会の旅行やツアー旅行をあきらめるという方も少なくありません。民間バス事業者へのリフトつき観光バスの導入支援が必要ではないでしょうか。
次に、熊本空港と市内を結ぶリムジンバスについてですが、ノンステップバスやスロープバスの導入がされるように、これまでも私は、交通対策総室を通じて、バス事業者である産交バスに対応を求めてまいりました。その結果、昨年から1日3往復、車いすで乗車できるスロープバスが運行されています。
ただ、航空便の発着数からすれば1日3往復では少なく、3時間以上も空港で待たされたという話も聞きます。バスの利便性がこのままなら、新幹線全線開通となると、熊本空港ではなく、福岡空港などから新幹線を利用して熊本に入る人もさらにふえます。県としても、責任を持ってバス事業者に増便を促し、支援していく必要があるのではないでしょうか。
次に、県立劇場について伺います。
県立劇場は、他県からも来られるほど、コンサート会場の音響のよさと演目のよさには定評があります。県劇のバリアフリー化は、やさしいまちづくり事業の一環として、福島知事在任中に行われました。子供の安全性の視点と同時に、UD、バリアフリーの視点で再検証すべき時期に来ています。
例えば、コンサートホールの車いすの席は、1階の最後列に数台分空間をとってあります。しかし、車いすの前は、コンクリートの壁があって会場を仕切った空間になっていて、圧迫感もあり、会場との一体感は感じられません。また、背後には人が出入りするドアがあるという、何とも落ちつかず、すき間風も入ってくる空間です。
県立劇場のコンサートホールも、1階中央部にスペースをつくるなど、UDの視点で改善すべきではないでしょうか。
若い障害者の社会参加の保障という点ももちろんですが、退職後、残りの人生を楽しむべき高齢の皆さんが、車いすになったら快適にコンサートも楽しめず、ホールの片隅ですき間風に甘んじなければいけないのでは、夢どころか余りに寂しく、また、長寿を楽しめるとはとても言えません。早急な改善が必要です。
文化観光面でのUD、バリアフリーの推進について、知事に伺います。
答弁
知事(蒲島郁夫君)
長寿安心くまもとや観光立県くまもとを目指す上で、年齢や性別、障害の有無などにかかわらず、だれもが住みやすい社会づくりを進めていくユニバーサルデザインやバリアフリーというのは大変重要であり、全庁的に取り組む課題であると考えています。
まず、リフトつき観光バスについてですが、導入費用が相当高く、国の補助制度もないこともあり、県内では1台の導入にとどまっています。
また、空港リムジンバスについては、昨年からスロープつき低床バスが1台運行されていますが、今月半ばからさらにもう1台の導入が予定されております。以前よりも利便性が高まるものと考えています。
県としては、すべての人に安心して旅行を楽しんでいただくための取り組みとして、これらの公共交通機関のバリアフリー化は必要であると考えています。
今後とも、スロープつき低床バスの導入を初めとしたバリアフリー化の推進について、交通事業者に積極的に働きかけてまいります。
県立劇場についてですが、コンサートホールにおいては、開館当初から1階席後部に車いす席を設置しております。しかし、必ずしも満足して鑑賞していただける環境とは言いがたいものがあります。開館から既に26年を経過する中、ユニバーサルデザインやバリアフリーの理念から十分とは言えない面もあります。議員御指摘の点も含めて、だれもが快適に利用できる視点から、対応策について検討を進めてまいります。
(平野みどり)
私も空港は利用しますけれども、時々、熊本県の人間ですが、福岡空港経由で行ったりします。やはり便が十分にないということと、やっぱり空港のアクセスがよくないんですね。日帰りとか1泊だと、空港の駐車場にとめて熊本空港を利用したりするんですが、長期になりますと、お金もかかるんですが、何よりも福岡空港に関しては、JRで行って、そして博多駅から地下鉄で2駅、地下鉄も全部バリアフリーですので、私も問題なく使えます。そして空港に出ると、このアクセスのよさなんですね。
熊本の場合は、鉄軌道等が空港に関しては今のところ見通しが立っていませんので、バスによることになりますが、便数を今回増便されるということで、6往復になるということになれば随分便利がよくなると思いますので、ぜひ皆さんも一回御利用になるといいかなと思います。もちろん、車いすだけじゃなくて、一般の方も使えるようなバスですので、よろしくお願いします。
それから、県立劇場に関しましては、私も、音楽でなりわいをと思っていた時期もありますので、大好きなんですけれども、熊本県立劇場に高いコンサートが来ても行きません。というのが、やはりその席が余りにもひどくて鑑賞できるような環境ではないからです。他県や東京に上京したときに聞きに行ったりするようになっています。熊本にいらっしゃる方は、それでは満足していらっしゃらないのは、本当にいろんな方からお声をいただいて、よく私も存じてます。たまにあそこのコンサート会場の後ろの方に聞きに行ったりもしますけれども、一日も早くまともな――観客1人のお金を払って、ただで見せてくれというわけじゃないわけですから、当たり前のお金を出す人に対して、空間をきちんと共有できるようにしていただきたいと思っています。
先週の毎日新聞に、ある工業デザイナーの方が書いておられましたけれども、本当のUDは、ただ場所をつくるだけじゃなくて、一般の方たちと一緒に空間を共有し、楽しみを共有できなければならないというふうにおっしゃっていました。全くそのとおりだと思います。
ぜひ、今後も改善をしていくというふうに御答弁をいただきましたので、当事者の視点という意味では仲間たちもいろんな助言はできると思いますので、県と一緒になってよりよいものにしていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。