脱温暖化への取り組みについて [代表質問(2009年2月)]
質問
(平野みどり)
アメリカのオバマ大統領は、100年に1度とも言われる経済危機から脱出するために、グリーンニューディールを打ち出しています。これを受け、日本版グリーンニューディールとして、環境に予算を重点配分し、雇用拡大を目指し、環境省を初めとして、アイデアの集約が進められています。
太陽光では、熊本、特に九州は日照時間からも適した地であり、これまで、国や県の助成金という呼び水によって家庭用太陽光発電システムの導入が少しずつ進んできましたが、今後は、さらに量産による低価格化も進めば、家庭用燃料電池とともに、一気にクリーンエネルギーが広がっていくと思われます。これまでのような、地球環境かそれとも経済優先かという対立を乗り越える方向性として歓迎したい潮流です。 その上で、熊本版グリーンニューディールとして、熊本の特性や地域性を生かした取り組みについては、どう進んでいくのでしょうか。
グリーンビジネスとして大局から取り組む一方、グリーンコンシューマー運動の推進など、日常生活レベルや地域レベルでの取り組みや実践も、県民としてともに共有していく必要があります。これまで以上に、県民や環境市民団体とのパートナーシップが重要となっていくのではないでしょうか。
さらに、林業等の第1次産業を脱温暖化の循環型ビジネスととらえ、二酸化炭素吸収源として期待される森林整備等、第1次産業が環境に貢献できる部分に注目しながら本格的に取り組む必要があります。
今後は、グリーンニューディールを広げることにより、スピードが上がらなかった脱温暖化対策が一気に進められるタイミングにある今、庁内プロジェクトチームや外部の実践者を交えた推進会議等の設置も必要ではないでしょうか。
ついては、知事の御所見と今後の取り組みについて、お考えを伺います。
次に、地球温暖化対策条例の制定について伺います。
県民に対するCO2削減の啓発とともに、企業に対してもCO2削減の要請は必要であり、本議会の環境対策特別委員会でも議論が進んできたところです。
国は、温室効果ガスを相当多く排出する事業所に対して、排出量を算定し、報告するという義務づけを行っています。温暖化対策の法律の中でそれが認められ、さらに、昨年6月には法改正が行われ、従来の事業所単位から、さらに企業単位、あるいはフランチャイズ単位という形で、その報告義務の対象を広げる改正が行われています。国によるこのような取り組みから漏れる事業所に対して、県として今後いかに取り組むかが問われています。
現在、県においては、環境基本条例、環境基本指針、環境基本計画が策定されていますが、削減目標の達成に向け、これまでの普及啓発型の事業に加え、実効性が伴うような規制が必要ではないでしょうか。既に22の都府県でも制定されておりますが、地球温暖化対策条例を本県でも制定すべきと考えます。環境生活部長に御所見を伺います。
答弁
知事(蒲島郁夫君)
議員御提案の熊本版グリーンニューディールについてですが、先般、オバマ大統領がグリーンニューディール政策を打ち出したことを、私は高く評価しております。
本県では、特に、水俣病の教訓を生かし、環境保全と経済振興を両立させながら、持続的に発展していく社会づくりを進めていくことが必要であります。
例えば、熊本ソーラー産業振興戦略を策定し、ソーラー関連企業の育成支援とあわせ、新エネルギーの導入促進を図っています。また、間伐などの森林整備を推進し、二酸化炭素吸収とあわせて、県産材の利用を促進しています。
このような中、環境が成長をもたらすと言われるグリーンニューディールの考え方が世界の潮流となることは、本県の持続的発展の追い風になると期待しています。
また、現在の世界的不況という逆境を打破するためにも、環境と融合した産業振興をさらに図っていく必要があります。
このため、庁内横断的な会議において、太陽光発電の普及のための新たな取り組みについて検討を開始したところです。
また、県産木材の二酸化炭素固定量などを認証し、環境資材としての木材の付加価値を高めることで需要を喚起し、森林資源の循環利用に取り組むことにしています。
さらに、事業者の温室効果ガスの排出削減に応じて、環境活動団体に助成する制度を新たに設けます。この制度を通して、環境に配慮した県民の消費行動を一層促進し、グリーンコンシューマー運動の拡大を図ってまいります。
先日、県主催によるシンポジウムにおいて、東京大学の小宮山総長から、省エネ製品買いかえの促進や太陽光発電の新たな取り組みなど、循環型社会の構築について、示唆に富んだ提言をいただきました。
これからも、ストップ温暖化県民総ぐるみ運動推進会議を初め、県民の方々から幅広く御意見をお聞きしながら、本県の強みを生かした施策にさらに取り組んでまいりたいと思います。
環境生活部長(村田信一君)
温室効果ガスの削減を進めるためには、家庭部門や運輸部門の対策も必要でございますが、県内総排出量の5割以上を占めます事業者対策を充実することが重要かつ効果的であると考えております。
特に、条例により、大規模事業者を対象に、温室効果ガスの削減計画の策定と排出量の算定、報告を義務づける制度は、有効な対策の一つであると考えています。県では、この制度の導入により、本県総排出量の1.6%の削減に寄与すると試算をいたしております。
しかしながら、排出削減の促進のため、行政が一方的に条例をつくればいいというものではなく、環境と経済の両立を図っていくためには、経済界と同じテーブルで議論するというプロセスを踏み、共通認識を築きながら進めていくことが重要であると考えております。
今後、条例化に向けて、早い時期に経済界も交えた有識者から成る検討組織を県の環境審議会の中に設置し、幅広く意見を聞きながら、課題を整理した上で、制度の具体的な内容を検討してまいります。
地球温暖化は、熊本のすばらしい自然を次世代に引き継ぐために解決しなければならない重要な問題であり、県として、さらに地球温暖化防止の実効性が上がるよう、県民総ぐるみで取り組んでまいります。
(平野みどり)
グリーンニューディールについてお伺いしました。午前中、西岡県議も御質問されておりまして、答弁はダブる部分もありますが、私どもも、オバマ大統領の誕生で、これはもう地球全体で大きく変わっていくなと。当然熊本も、今までCO2削減がなかなか進まなかったわけですけれども、アメリカが変わり、日本が変わり、そして地域が変わっていくことを感じているところです。ぜひ実効性が上がるように、ともに取り組んでいきたいと思います。
それから、条例づくりの検討を始められるということで、審議会のいろんな方々、民間の企業の方々との御議論もしっかり私どもも踏まえて、条例づくりの一角を占めたいと思います。環境対策特別委員会の皆さんが熱心に御議論していただいた結果、ぜひ条例をつくっていくということを目指していきたいというふうに思っています。