雇用問題について [代表質問(2009年2月)]
質問
(平野みどり)
厚生労働省が2月27日に発表した1月の有効求人倍率は、全国平均は前月より0.06ポイント低い0.67倍で、熊本県については0.44倍でした。どちらも2003年9月以来9年ぶりの低水準となっており、依然として厳しい雇用状況が続いています。
今議会では、緊急経済対策を盛り込んだ国の平成20年度第2次補正予算と平成21 年度予算を合わせた13カ月予算が提案されていますが、住む場所と働く場を得られ、生きる希望を持てるよう、自治体、国の労働行政機関、事業者、民間支援団体など関係機関が機動力を持って密に連携し、悲惨な事態を回避し、雇用の創出を実現しなくてはなりません。
当初、本年度末に最初の大量解雇があるのではと懸念された労働者派遣法によるいわゆる2009年問題は、既に昨秋から始まっており、その後も解雇の波はおさまらず、雇用の落ち込みのピークが今後どの時期に来るか予想できないほど、雇用環境は厳しさを増しています。
熊本では、本田技研、NECなどしにせ企業のほか、近年企業誘致したソニーセミコンダクタ、富士フイルムなど大手が大量の雇用を支えてきましたが、相次ぐ減産で解雇あるいは労働時間の短縮が進んでいます。
労働行政関係者の話によれば、熊本市周辺の大企業で進んでいる派遣切りなどの雇用調整、正職員の就労時間短縮などは、既に関連会社にも及んできており、熊本市内の地場企業を含め、県内各地に波及しています、何とか雇用調整助成金でしのいでも、今回の雇用状況悪化の広範さとスピードの速さはかつてないほどですということです。
経済危機のただ中で、県としては、県内の中小企業や地場企業の経営状況と雇用状況をどのようにして把握し、現状を認識しているのでしょうか。
さらに、就労支援や雇用創出においては、労働局、市町村、県地域振興局、事業者の連携による地域の実情に合った取り組みが必要だと思われますが、いかが進んでいるのかをお尋ねいたします。
次に、内定取り消しを受けた高校生、大学生への就労支援について伺います。
全国のハローワークを通じて収集された厚労省の情報によると、今春卒業予定者の採用内定取り消しは、2月19日現在で1,574人に上り、1月23日時点の1,215人から約3割増となっています。内定取り消しをした企業は342社と、前回より71社ふえ、その内訳は、大学、短大などが1,280人、300社です。高校が294人、108社となっています。
熊本県内では、平成19年度には1人も報告がなかった内定取り消しが、大学、短大等が15人、7社、高校が9人、3社にも及んでおり、来年度に向けても決して明るい見通しが持てない状況ではないでしょうか。
さて、内定取り消しをされた学生への現時点での就労支援においては、学生も雇用調整助成金等の支給対象とするよう制度が拡大されましたが、その周知は進んでいるのでしょうか。内定取り消しとなった学卒者への支援については、行政、学校、事業者が連携して取り組む必要がありますが、どのような状況になっているのでしょうか。
次に、3番目として、障害者就業・生活支援センターの新たな設置について伺います。
このような不況の中、障害者の雇用環境は厳しさを増しています。ハローワーク熊本のまとめによると、昨年10月からことし1月までに解雇された障害者は25人となっており、一般就労を目指してきた障害を持った人たちに一層厳しい風が吹いているようです。
さて、ハローワークとは別に、障害者雇用促進法に基づく就労支援機関として、障害者就業・生活支援センターが位置づけられています。全国では206カ所、熊本県内には、熊本市、八代市、菊池市、玉名市の4カ所で開設され、地域就労支援ネットワークの核として機能しています。
このセンターは、国と県の負担で設置され、社会福祉法人や医療法人によって運営されています。国は、全保健福祉圏域に設置を求めており、それからすれば熊本では11カ所となりますが、現在のところは4カ所です。
センターでは、身体、知的、精神の障害を持つ人以外にも、発達障害があると思われる人も含めて、就職や生活の支援を行っています。4カ所での丁寧な取り組みは大変好評で、実績も上がっていると聞きます。県内の空白地域には、雇用環境が厳しくなる中、さらなる設置を求める声も上がっています。
そこで、障害者就業・生活支援センターの障害者就労支援の実績と課題、さらに、今後の増設についてお尋ねいたします。商工観光労働部長、御答弁をよろしくお願いいたします。
答弁
商工観光労働部長(島田万里君)
まず、県内中小企業や地場企業の経営状況等の把握につきましては、県内9カ所の公共職業安定所に配置をいたしております地域雇用対策推進員による地域の企業への訪問調査を行っております。また、部内の関係課による聞き取り調査を行っており、私自身も、重立った企業のトップを訪問して、直接状況を収集しているところでございます。
これらを総合いたしますと、世界的な景気後退の影響により、本県経済を牽引していた自動車や半導体関連産業等の経営状況が非常に厳しくなっております。
また、今年3月までに、非正規労働者を中心にして3,000人を超える方々が雇いどめや解雇になることが予想されるなど、雇用情勢も極めて厳しい状況にあると認識をいたしております。
次に、就労支援や雇用創出の取り組みについてでありますが、労働局とは、中小企業を対象にした融資制度や雇用調整等の助成金に関する緊急セミナーを開催するとともに、今年2月から熊本市水道町に設置をしました共同就職支援センターの運営に連携をして取り組んでおります。また、市町村とは、緊急雇用創出基金やふるさと雇用再生特別基金による雇用創出事業におきまして連携して取り組んでまいります。
次に、内定取り消しを受けた高校生、大学生への就労支援についてでありますが、まず、国は今年2月に、内定取り消しの未然防止のために雇用調整助成金の適用範囲を拡大し、また、内定取り消しを受けた学生等の救済策として、若年者等正規雇用化特別奨励金の適用範囲を拡大したところです。
県では、これらの制度改正について、中小企業緊急セミナー等により周知に努めておりますほか、高校生につきましては、本年1月から、キャリアサポーター15名を県立高校22校に配置をして、内定取り消しを受けた生徒を含む就職未内定の生徒に対して、面談や求人開拓等の就職支援を行っております。
また、地域雇用対策推進員やジョブカフェくまもとに配置をしております若者しごとカウンセラーが、高校、大学、短大などの依頼により求人開拓に取り組むなど、若年者を対象にした就労支援を行っております。
最後に、国と県が共同して実施をしております障害者就業・生活支援センターの実績と課題についてでありますが、平成20年度は、2月末で、4センターで民間企業等への就職が197件、年間相談延べ件数が1万5,118件と、全国平均と比較をしましても高い実績を上げております。
しかしながら、平成16年度の事業開始以来、就職支援実績を積み重ねてきた結果、就職者への生活支援等のフォローアップにも取り組んでいることから支援対象者数が増大をし、センター職員への負担が大きくなっております。
県としましては、既存施設の支援体制の充実を国に提案していくとともに、障害のある方がより身近な地域で支援を受けられるように、支援が手薄な天草や人吉・球磨地域へのセンターの設置について検討してまいります。
(平野みどり)
厳しい中ですが、取り組みをよろしくお願いいたします。
最後の3番目の質問の197件ということで、全国よりもかなりいい実績が出ているということでした。天草、人吉・球磨に設置を検討していくということですので、ぜひ、11保健圏域はすぐには難しいと思いますが、少しずつふやしていただきたいなと思います。障害者の雇用となりますと、どうしても就職させただけではだめなんですよね。その後の定着とか生活も含めた支援が、知的障害を持つ人たち、発達障害を持つ人たちに必要です。
今回商工観光労働部長なんですかというふうに、後ろの方からも議員の方に質問を受けたんですが、福祉でやることと、そしてまた商工でやることというのが分かれてて、当事者としてもどっちなんだろうと迷うことがあるんですが、ある意味商工観光労働部で、障害を持つ人たちの福祉ではなく働くという位置づけで対応されているということは、いい意味でも評価していきたいなというふうに思っています。当事者の皆さんにも、この障害者就業・生活支援センターをぜひ活用していただきたいなと思っています。