第5回川辺川ダムを考える住民討論集会 [みどり日記]
脱ダムを打ち出した長野県知事が「脱帽」した潮谷知事の英断は、”廃ダム”。発電にかかるコストより、維持や改修にかかる費用がはるかに大きい荒瀬ダムを、知事は撤去することを12月議会で明言しました。ダム王国日本での初の快挙だとか。すでに、海を越えたTime誌でも賞賛されるほどで、その影響と意味の大きさにご本人もビックリしているのでは。まだまだ、撤去すべきダムがあると、県内あちこちで声を聞きます。
ところが、荒瀬ダムが撤去される球磨川上流にそそぐ川辺川には、4100億円のダムが建設されようとしています。すわ川辺川ダム事業中止へと動くかと思いきや、国土交通省、しぶとくあきらめません。12月21日に人吉市で行われた第5回川辺川ダム住民討論会はと言えば、推進派の業務命令大動員の結果、1200人のホールに反対派はわずか100人ほどという状態。熊本からの反対派の多くは、モニター観戦となりました。私も、環境ボランティアの皆さんと、雨の中人吉市の会場へ。議員ということで、会場には入れましたが、異様な雰囲気に唖然としました。
動員されていた皆さんは、交替制の先発隊とみえて、早朝からの”出勤”に眠そうで気の毒でした。それでも、国交省の発言の後には、条件反射で大きな拍手。とても意味がわかっていて拍手しているようには思えませんでした。私は、会場最後列の車いす席から仲間と二人で、チョボチョボと反対派に拍手を送りました。
これまでの討論集会では、国交省が反対派の追及に応戦してきた観がありますが、今回は、国交省からの情報が少ない段階で反対派が提案した「河川改修70億円の代替案」に、重箱の隅攻撃でした。反対派は、今回その代替案を撤回し
たのですが、国交省はなりふり構わない態度でした。確かに、反対派のディベートにも、もう少し作戦がいるような気がしましたが、圧倒的に時間とお金(税金)で優位に立ち、なおかつ情報を小出しにするという立場をとっている国交省が、寄り合いの市民団体代表の面々に対して、揚げ足取りに終始している様子に、今回は、ほとほと情けなくなりました。
そして、司会の県の鎌倉氏も、野次や私語を飛ばす会場の人や討論者を、公衆の面前でどなり飛ばしたり人格攻撃するのではなく、民主主義の基本である冷静な対話を奨励する立場で仕切って欲しかったと思います。あの罵倒がインターネットで全世界に配信されているかと思うと、特殊な状況下とは言え、公務員としていかがなものかと思います。いい意味で型破りな県庁職員ではありますが、行司役としては、他にも適任者がいるのではないかと、今後が心配になりました。
さて、この討論会を潮谷知事はどう聞いておられたのかと気になっていましたが、昨日(12/27)の会見での「反対派は必ずしも統一した組織ではなく、意見集約した結果であると思う。国側にも訂正した部分はある。討論集会を通じて、双方とも固定的にとらえていたものが少しずつ変わってきている」とのコメントには、さすがと思ってしまいました。次回のテーマは「環境」です。いよいよ、推進派は窮地に立たされること必定です。とにかく、絶対に川辺川ダムが中止になるまで、冷静かつ熱く”関与”していきたいと思います。