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縮まらない国と患者の距離 [みどり日記]

昨日、環境省が、水俣病関西訴訟最高裁判決後の対応策を発表した。しかしその内容は、水俣病公式確認から今年が50周年であることを考えたとき、あまりに期待はずれであったことは否定できない。何より納得できないのは、最高裁判決による病像を全く無視している点だ。原因は大脳皮質の損傷であるというのが、最高裁の判断であり、世界の医学界の常識であると聞く。そこを国が認めないというのは、世界に恥をさらすことになるという認識が、国にはあるのだろうか。百歩譲って、これまでの認定基準を残すにしても、今回の判決による病像を加えた認定基準の見直しは、どう考えても不可避だろう。

水俣病問題は、長年に亘る行政と患者間の確執やそれによる複雑な地元の人間関係や風土が作られた極めて複雑な問題であり、国や県、あるいは議会も含め、解決への努力が一定あったことも認めたい。しかし、第一義的に責任を持つ国の行政としての不作為が、結果的に民間企業が起こした公害を拡大し、地域の人々の「人間としての当たり前の暮らし」を破壊してきたことを、国はもっと重く受け止めるべきではないだろうか。

ハンセン病判決で国が責任を認め、その後の様々な対応が遅まきながらスタートしていることと対称的な、「もうこの辺でいいのではないか」というささやきが聞こえてくる、今回の対応策であるような気がしてならない。まだ終わらせるわけにはいかない、国と熊本県の重い課題であると、今一度認識したい。県議会厚生常任委員として、これからも気持ちを新たに取り組んでいきたい。


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