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デンマーク便り(2)隣国の原発を止めた国 [みどり日記]

熊本は震度5の地震に襲われたそうだが、皆さん大丈夫だっただろうか。熊本市内でも震度4だったとか。さぞかし怖かったことだろう。

さて、こちらコペンハーゲンは、相変わらずどんよりとした空の北欧だ。時々パラパラと雨も降り、昨日も最高14℃ほどだった。でも皆元気で視察を続けている。

コペンハーゲンは海に面しているが、市内から2kmの海上に20基の風力発電が緩やかな弧を描いて海上に並んでいる。有名な人魚姫の像の前で記念写真をとると、その遙か向こうにこの風力発電のプロペラが映る。当初は景観を妨げるという心配もあったようだが、原発ではなく、返って環境にやさしいエネルギー源に取り組んできたデンマークを象徴するようで好評のようだ。

昨日はこの20基のミドルグルンデン風力発電施設を作った団体を訪ねお話を伺った。現在デンマークには5200基の風力発電施設がある。隣国のスウェーデンは原子力発電を進めてきた国だが、その選択をデンマークはとらなかった。「あなたたちは、とても歴史的な日にデンマークを訪れましたね」と、通訳の丹下さんが興奮気味に語った。デンマークに一番近いバングルデン原子力発電所が、5月31日をもって閉鎖されたのだ。私たちはその歴史的な日に海の向こうに見えるその原発を眺めることができた。

デンマークの人たちは、とても近いスウェーデンの原発で、もし事故があったら、折角自然エネルギーを政策で進めているデンマークに被害が及ぶ、迷惑だということで、スウェーデンに対して30年前から、閉鎖を求めてきて、やっと実現したのだそうだ。今ではスウェーデンも新しい原発の建設はもう行わないそうだが、他の原発も閉鎖していくには、まだ時間がかかるようだ。風力発電施設もヨーロッパの中ではまだ少ない。

そのスウェーデンを午後訪ねた。今回養豚が盛んなデンマークで、バイオガス発電を視察したかったのだが、コペンハーゲン市内から3時間以上(ユトランド半島など)もかかるところばかりだったため、同じ取り組みを行っているスウェーデンのランホルム市(車で1時間半)の施設を訪ねることになった。ここでは、15の畜産農家から家畜排泄物を運び、バイオガスを製造し、市に売っている。精製過程の最後に出たカスは、飼料として農家に戻されるという仕組みだ。

私たちを迎えてくれたシドクラフト社(Sydkraft)のステファンさんと待ち合わせた場所は、車のスタンドだった。そこにはガソリンとバイオガスの供給装置があり、ステファンさんの車にも、ガソリンとバイオガスの取り込み口が2つ付いていた。「将来は、スウェーデンの車は、石油エネルギーではなく、完全にバイオガスだけで走らせたいのですが、今のところは供給場所も限られているので、両方使えるようにしています」とのことだった。原発の国も、エコロジカルな道へと模索を進めていることを実感した。これも、原発の閉鎖を求めた隣接するデンマークの影響が大きいようだ。


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