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尾辻厚生労働大臣の退任の涙 [みどり日記]

新小泉内閣の発足に伴い退任する閣僚の中に、尾辻厚生労働大臣もいる。昨日の退任にあたっての記者会見で、尾辻氏は「障害者の皆さんの所得保障が気になる・・・」とコメントし、その後感極まって涙ぐんでいた。この涙をどう解釈するか。

郵政民営化の陰に隠れがちだった「障害者自立支援法」においては、全国の障害者や家族、福祉関係者から大反対の動きが展開されてきた。梅雨時や真夏の酷暑の下で、永田町や霞ヶ関でのデモや座り込みが何度となく続いた。一旦は、解散総選挙で廃案になるかと思われたが、小泉自民党圧勝で再び提出され、難なく可決された。

この間、国会の審議を見ていても、与党側の答弁は、障害者の生活実態を知らないことが見え見えの、納得のいかないものだった。時には、野党側からの追求に答えに窮したり、かみ合っていない答弁だったりした。可決させた尾辻氏は、厚生労働省の役人のシナリオ通りに、忠実に役割を果たしたことになる。ただ、ひょっとしたら、彼なりに法可決後に予想される、事の重大さが次第に理解できて、任を離れた昨日、苦渋の涙がつたい落ちたのかとも思えた。

単に、全国から寄せられる多くの抗議があっても、可決できたことに満足し、こみ上げた涙だとすると、彼もそれまでの人ということだ。とにかく、小泉内閣の進めている改革は、決して社会的に弱い立場の人に思いやりのある改革とは言えない。本来なら、特別会計などの巨悪とも思える搾取や利益誘導の仕組みにメスを入れ、固定的に必要な社会保障にまずは充てるべきだ。それでも負担が必要なら、負担を強いても生活に大きな支障がない人たちからにすべきではないか。また、消費税アップが予定されているようだが、厳格に福祉目的税化しなくては納得は得られない。

いずれにしても、所得保障の仕組みが不十分なまま、1割負担でのサービスを利用できる人がどれだけいるというのだろうか。仲間たちの悲鳴が、あちこちで聞こえ始めている。


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