低すぎる東横インの認識
まあ次から次に呆れかえる事件・事実が発覚している。耐震構造偽装問題も、まだまだこれから国会での追及が必要だし、ライブドア事件も海外でのマネーロンダリング、大規模脱税などにも発展し、政界や闇の世界との関連も取り沙汰されそうな状況だ。
更には、米国牛の輸入再開直後の、検査体制不備による危険部位輸入発覚など、“米国のポチ状態”の小泉内閣には、主体性欠如との非難が集中している。国民の安全より米国の意向を重視している罪は重い。中川農水大臣の失職は免れられまい。
そんな中、今度は、私たち障害者を舐めまくっている東横インの“バリアフリー偽装問題”も発覚した。正直、怒りを超えて口あんぐり状態だ。急激に店舗展開していった東横インの利益優先の体質が、“すべてのお客様”から、“コストがかかる規格外のお客様”は排除するという体質であったことを、世間に知らしめた。
西田社長の会見でのコメントは吐き気がするほど低俗だが、成り上がりの経営者にはあのような理念なき、時代錯誤の感覚が少なくないことを想像させる。西田氏は、東横インを世界一のホテルにしたいなどと、のたまっていたそうだが、バリアフリーが考えられていない世界基準などないことを、この御仁はご存じないようだ。
実は昨日、「障害者の政治参加を進めるネットワーク」の年二回の集まりがあり、私は博多にいた。主な目的は、障害者自立支援法への対応についての意見交換だったのだが、東横イン問題に何らかの対応をしようと、参加した障害を持つ議員たちで緊急声明を作り、博多駅前の東横インに提出してきた。ホテル側に事前に訪問を連絡していたところ、不在だ(ほんまかいな?)という支配人に代わって対応しようとしたのが、“研修生”という名札をつけた人だった。支配人からの指示だそうだ。その後ろには、制服を着た“正社員”がいるのにだ。これには仲間たちも直ちに抗議し、しぶしぶ正社員が対応することになった。ちなみに、声明文を読み上げる担当が私だったので、ニュース23など全国放送でも映し出されたようだ。
今回の事件、各地の行政のこれまでの対応も問われていい。米国のADA法などと異なり、日本の法制度が福祉法の枠を出ず、権利法となっていない点は私たちも指摘してきた。従って、拘束力という点では国のハートビル法や各地のまちづくり条例は不十分だ。しかし、その運用如何によっては規制や指導は十分可能だ。行政も、バリアフリーを施主側の良心に頼り、強い指導とその後の継続的チェック体制を敷いていなかったとは言えないないだろうか。また、東横インに類似する、低料金のホテルチェーンなどにも、コストを抑えるため、ハートビル法やまちづくり条例を無視したりしているところがないか、今後チェックが必要だ。
団塊の世代が退職し、高齢者の仲間入りをする。彼らも今後予想される厳しい年金生活の中、高齢になって体が不自由になっても、使いやすく安価なホテルを探し、旅行を楽しむようになる。またそうあることを期待する。「たまにしか利用しない障害者にコストはかけられない」とは言えないはずだ。何より、使えるホテルであれば、私たちの中で情報はすぐ広がり、稼働率は100%近くになることを、あのとんでもない社長はわかっていない。


