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一体誰が急がせているのか、新利水計画一本化 [みどり日記]

昨夜も国営川辺川土地改良事業の新計画、いわゆる新利水計画に関して、事前協議が開催された。予定があったため(熊本市長選がらみ)、今回は傍聴することができなかったが、県が意図するような一本化に、簡単に向かいそうもないようだ。私は何も、平成19年度への事業化のタイムリミットと言われる14日に、一本化への結論を急ぐ必要はないと思っている。まだ時間を掛けていいのではないか。

そういうと、「もう十分時間はかけてきたじゃないか」と関係当事者の一部には肩を落とす向きもあるかと思う。3年間で七十回以上という事前協議に参加された関係者の、仕事とは言え、並々ならぬ努力には敬意を表したい。しかし、それでも尚、結論を急いで欲しくない。

そもそもこの事業は、多目的ダム法の目的の一つ利水において、その事業同意取得で違法性有りと司法が判断し、仕切り直しになっている事業だ。それも、当初計画から40年という月日が経っている。ここ数年で“けり”をつけるには、あまりに時間が経過してしまった。この間、地元の農業事情や自治体の財政状況は、国の政策とも合間って、大きく変貌してきている。人も年を取り、過疎が加速している。容易に未来を展望はできない状況だ。それでも、水が少なくてすむ果樹栽培や茶栽培などで工夫してきた土地だ。

そんな中で、自治体や農家に、“将来どう変化するかわからない費用負担”を提示できない中、見切り発車させることが許されるのだろうか。相良村は、事前協議で“異端”のように取りざたされるが、人吉球磨六市町村中で最も負担が大きいことを考えると、将来、一般町民の生活にも影響する可能性もあることから、反発するのも至極当然だろう。

更に、利水訴訟原告・弁護団は「新案はダムに依存しない確証がない」などとしているのだから、もっと依存しない確証を示す努力をすべきではないか。ダム事業や水利権における国交省と農水省の力関係から考えれば、もっと深く細部にわたる開かれた議論がなされるべきだ。そうでなければ、利水事業の後にはダム事業が続くとして、県民はダムそのものの治水効果とその費用負担も含めて、率直に疑問を持ち続ける。

9日に、私たち「ダムによらない治水・利水を考える県議の会」主催で、第4回の学習会を開催した。利水弁護団の板井弁護士と相良村の矢上村長のお二人に、現状認識について、丁寧でわかりやすい話しを聞かせていただいた。県は、最近つとに激しい自民党県議団からの働きかけで、平成19年度の事業化を“至上命令”と受け止め、焦りとも言うべき、ややバランスを欠いた言動を露呈させながら、うまく行司役が務められていないように感じる。確かに、地元にとって直接の糧になる“公共工事”が、一日も早く欲しいという声も強いだろう。しかし、それが、一日も早く水が欲しいという農家の切実な声として、同じボリュームで重なって聞こえてこないのは、私だけだろうか。

あらためて、「19年度への事業化のタイムリミットは14日」だとしても、逆に、ここまで事前協議にかけられた人と時間を、なし崩しにしてしまうような、拙速な判断が強行されないよう切に祈りたい。


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