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コンクリートで命は守れない [みどり日記]

昨夜の雨はテレビの音や声が聞こえないほど激しかった。日中の空も厚い雲に覆われ、昼間とは思えないほど暗く、豪雨の中、車の前照灯をつけて走行した。今日も同じように梅雨末期の集中豪雨による被害が、各地で心配されている。既に犠牲者も出ているし、これからの気象情報に注意し、被害拡大を防ぎたい。

さて、昨日は川辺川利水訴訟原告団の皆さんが、県議会に対して、抗議文を提出された。18日に開催された県議会の川辺川問題特別委員会で、「農水新案で一本化されたと確認する」などという決をとったからだ。そもそも、事前協議というメイン舞台に、県議会は構成員として組み込まれてはいない中、特別委員会を立ち上げたこと自体、行政に圧力をかける以外、何の意味もないと私は感じている。もっとも、私たち「県議の会」の3人の委員の意見を聞きながら、初めてこの問題をお勉強し始めた県議の中には、「ほんなこつ。水が今でん必要な農家に水ば引くとに、こん農水新案で2/3の同意はとれんばい」と、本音では思っている人もいるはず。

いずれにしても、自民党が多数を占める委員会での決議や採決は、「ダムにつながる利水案」の、一日も早い裁定に圧力をかけるためだと言われても仕方ない。県執行部はそれに屈して、総合調整役というバランス感覚を崩し、これまでの経緯をないがしろにしてよいはずはない。

今、梅雨の末期の集中豪雨が続いている。これからは台風もやってくる。地球温暖化によって、私たちの想像を遙かに超え、記録を塗り替える規模で、それらは押し寄せてきている。昨日は、知事が委員として参加している、国交省の「河川整備基本方針策定小委員会」が開催されたが、御用学者の面々は、地元の状況も的確に把握していない中、ダムを造る根拠の「基本高水流量7000トン妥当説」で押し切ろうと必死のようだ。「素人ですが」と前置きして、それに反論する知事は孤軍奮闘しておられたようだ。

恐らく、この委員会、残念ながら、最終的には国交省の規定ラインで、幕を引くことになるのだろう。ところが、こんな議論とは異なる現実を直視した動きも起こっている。未曾有の大水害を経験した新潟県が方針の大転換を図っていると、17日の朝日新聞の社説で紹介されていた。「洪水をすべて川に封じ込める方法は現実的ではない」と考えたことによる。刈谷田川では、上流の堤防の一部を低くし、水田約100ヘクタールを遊水池にする計画を進めているそうだ。大量の雨が降った時には、あえて水をあふれさせ、人の住んでいないところに誘導しようというのだ。また、五十嵐川では、水につかりそうな400戸の移転も始まっているそうだ。
http://www.asahi.com/paper/editorial20060717.html

もちろん、必要な河川改修や河床掘削さえなされていないことろはあり、そこは早急に手当されなければならない。しかし、このような工事であれ、ダムであれ、完璧に災害から生命・財産を守ることは不可能なようだ。最小限の被害にとどめるためにも、いずれにしても、「自然に立ち向かうのではなく、自然の力を逃がす、自然の力から逃げる時代である」ことも、あらためて認識したい。国交省と本県の40年に及ぶ川辺川ダム計画についても、このような視点で見直し、現実を踏まえ、これからの河川防災のあり方を考えていく必要がある。


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