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誰が優先?パーキングパーミット制度 [みどり日記]

年末の地元紙の県内総合面に「佐賀県のパーキングパーミット制度にならい、熊本県でも来年度導入検討」との記事が掲載されていた。「佐賀県のパーキングパーミット制度」については承知していたが、導入へはよほど慎重でなければならない。まずは、佐賀県での導入検討過程と、その後の実態を徹底的に検証すべきではないか。むしろ、現在の障害者用駐車場の利用の仕方ですら理解されていない状況で、さらに新しい登録制度を設けるのは大きな矛盾を抱えることになり、混乱しか招かないのではないかと心配だ。

佐賀県のホームページによると、佐賀県パーキングパーミットは、身障者駐車場利用証を県独自で作るということで、この制度利用証が交付される対象者は、車いすユーザーに限らず、「歩行が困難な方」となっている。つまり、
(1)身体障害者のうち歩行困難と認める者
(2)一時的に歩行困難と認める者
     イ)けが人(車いす、杖等使用期間)
     ロ)妊産婦(歩行困難時から乳児の首が座るまで)
(3)高齢、難病等により歩行困難と認める者

また、佐賀県の担当に直接問い合わせた方からの報告によると、「高齢者の歩行困難」者は、車椅子ユーザーに関わらず、要介護度1以上の高齢者全員が対象で、「歩行困難」の基準はないそうだ。また、違反者に罰則はなく、車のワイパーに県作成の啓発チラシを配付するのみ。管理は、警察でも行政でもなく、施設や民間の駐車場の責任者にチラシを預けておくのみとか。佐賀県在住の方によると、一般県民の認知度はまだ低く、IDカードでなく利用証の紙なので、障害のない人の車が平然と停まっているのをよく見かけるが、啓発のみで罰則もなく、あまり高い評価ではないとのことだ。

私の12月県議会での質問でも述べたが、現在、熊本県で進められている「すべての人、あるいはより多くの人」を対象にしたユニバーサルデザインの問題点の一つは、優先順位が狂ってしまい、本当に必要な人に対してサービスが行き届かないことだ。車のドアを全開しなければ、乗り降りできない私たち車いすユーザーが、未だに多い非常識な駐車違反者だけでなく、優先度が低い方たちとの新たな“軋轢”を強いられるのは、大変不幸なことだ。多目的トイレと違い、駐車場は何時間も待たなくてはならず、車いすユーザーにとっては、耳障りのいい「優先」ではなく、「専用」にこそして欲しい。熊本県在住の要介護度認定1~5の高齢者は62,320人。極端な例だが、高齢者62,320人に加え、妊産婦の全員が登録してしまえば、車いすユーザーの駐車スペースは一体どこに確保されるというのだろうか。

このパーキングパーミット制度を考えるならば、まず一番に検証すべきは「利用対象者の枠」だ。ユニバーサルデザインで言う「誰でも」ではなく、必要なひとに確実なサービスを提供することこそが、行政サービスの果たす重要な役割ではないだろうか。慎重な検討を望みたい。


お問い合わせ 平野みどり事務所 860-0066 熊本市城山下代4-7-28 
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