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2007年06月29日

慰安婦強制性の否定広告は恥の上塗り

第二次世界戦中の「慰安婦問題」について、米下院が日本政府に「公式謝罪」を求める決議案を可決するに至っている。ブッシュ共和党が求心力を無くし、中間選挙の結果で民主党に惨敗したこともあり、もともと人権派が多い民主党が上下両院で優勢に立っていることで決議までに至ったようだ。

何故今このような決議がという点だ。日本では、「慰安婦」に関して、1993年に河野洋平官房長官が謝罪を表明した談話を発表し、以来政府はこの談話を踏襲してきた。しかし、一部の民間知識層には、日本政府や軍は関与していないと主張するグループが存在する。彼らは、当時、韓国や中国を始めとする各地から女性たちが連れてこられ、日本国内や戦地で強制的に売春させられたこと認めない。これでは、被害者や関係国が苛立つのも当然だ。そもそもあの戦時統制下に、政府や軍が何らかの関与をしなかったという主張こそ説得力がない。

そんな日本の現状に憂慮した今回の一連の動きは、韓国内で慰安婦問題に取り組んできた人たちと在米韓国人が力を結集し米議会を動かした結果だ。「今何故か?」という疑問に、逆に「今頃何故、河野談話を覆し、政府関与の否定を主張するのか?」と問われている。この動きに対して、日本の右派知識人や国会議員たちがすぐさまワシントンポストに意見広告を掲載した。その中で彼らは、「軍や官憲による強制連行を示す記述は(資料に)見当たらない」と、“強制”はしていないという論に立ち、その上で被害者である慰安婦たちの人権が侵害された事実には全く配慮もしていない。贖罪は毛頭感じられないものだ。それに敗戦直後、”不都合”な資料はもとより消却されているはずだ。

この意見広告の後ろには安倍首相が存在していることは明らかだが、結果的にはこの人権感覚の無さに米国も呆れており、この広告は恥の上塗りとなった。どんなに、ブッシュ政権への協力と同調を続けたり、米国の要請で憲法を変えようとしたりしても、その一方で自分の支持グループにあのようなお粗末な意見広告を掲載させては、安倍政権の思慮の浅い稚拙な対米外交は益々窮地に立たされていくだろう。

ちなみにワシントンポストに意見広告を出したジャーナリストの桜井よしこ氏など民間グループと一部の国会議員は名前も掲載している。自民党議員29名、民主党議員13名、無所属2名だ。九州では宮崎3名と熊本1名だが、その1名とは、熊本一区の木原稔衆議院議員だった。全国会議員の中で44名であり、更に他の熊本県関係国会議員の名前は見あたらない中、新人の木原議員のこの問題についての“積極的な行動”が光っている。「小泉旋風で当選させていただいて、その継承の立場にある安倍首相にも忠義を尽くす」という思いでの行動だろうか。あるいはこの問題についての確信的な信条の持ち主なのか。熊本県民は木原稔議員の人権感覚と歴史認識を問う必要がある。

①マイク・ホンダ議員などが提出した米国下院の「慰安婦」関連決議(2007.1.31)
原文および説明
同日本語訳

②慰安婦強制性を否定する日本の国会議員などの「ワシントンポスト」全面広告(2007.6.14)
原文
部分訳掲載サイト
名を連ねた国会議員など

2007年06月28日

高校再編で過疎地はどうなっていくのか

熊本市内から車で約1時間半、県立蘇陽高校は後20分走らせると宮崎県という県境に位置している。一昨日、民主・県民クラブの鬼海県議を除く6名は県立高校再編の対象となっているこの高校を訪問し、生徒を取り巻く環境についてお話を伺った。

各学年1クラスのこの高校には、地元の蘇陽中学の本年度の卒業生40名のうち10名が通ってきている。残りの30名は矢部高校もしくは熊本市内の私学などに進学している。またお隣の宮崎県からも、蘇陽高校の全校生徒の約1/4が通ってきている。

高校再編第二次素案では、蘇陽高校は矢部高校に統合される計画となっているが、蘇陽高校が無くなることの影響はどんな方面に現れるのだろう。何しろ熊本市の2倍の面積を有する山都町だ。町内からでも蘇陽高校に通うのに便数の少ないバスなどを利用している生徒も少なくない。矢部高校に統合されると通学時間が更に長くなっていく生徒も多い。

更に経済的に厳しい家庭も多く、通学時間が長くなり、経済的な負担が増えれば「学校にいかない」子どもたちが増える可能性も高い。また家庭に課題を持つ生徒や中学時不登校だった生徒もいるが、個別の丁寧な取り組みの結果、彼らは蘇陽高校には意欲的に登校してきていると中島校長は語ってくださった。

昨年から頻繁に、熊日の読者のひろばに蘇陽高校の生徒が次々と投稿している。日々の学校生活のことや学校の存続についても書いていた。句読点くらいの添削の指導しかされていないと聞いて驚いた。いわゆるテストでは決して点数をとれる生徒たちではないのだが、文章力は優れている。市内の進学校から転勤してきた先生は、「ここの生徒の方が文章力は高いです」と感心しておられた。ちなみに全県立高校のうち、生徒一人当たりの蘇陽高校の図書の貸し出し冊数は県内の高校でトップだそうだ。図書館も小規模ながら、工夫が凝らされていて充実していた。文書力があるということは、様々な資格試験等に挑戦する際も大いに助けとなる。

もし蘇陽高校がなくなったら、高校に行かず(行けず)、かといって地元で就労の場もなく、収入が安定しない今の農業の担い手にもならない、そんな若者が増えないだろうか。彼らの将来は地域にとっても新たな課題となっていく。

帰途、田植えを済ませたばかり棚田の緑が風にそよぐのを見ながら、一体いつまで田植えをする人がこの町にいるだろうと不安がよぎった。また森を守り育てていく人たちは・・・。「中央と地方」、「熊本市と中山間地などの過疎地」という構図は、一極集中や格差拡大そのものだ。市町村合併においても、元気になった町の声は余り聞かず、むしろ住民サービスの低下を訴える声が聞こえてくる。地方の再生につながる合併にはなかなかならないようだ。この問題と高校再編は表裏一体だ。

学校はまさに次世代の人材を育成し養成していく場だ。地元から去っていく生徒より、地元に残る生徒が大切にされる教育政策であってほしいが、「適正規模でこそ生徒は力をつける」と県教委は力説する。全面的に否定するものではないが、統廃合の後も、過疎地といわれる地域は重い課題を抱え続け、ゴーストタウン化しないかと私の疑問は深まっていくばかりだ。

2007年06月26日

「復活」をBS朝日で見よう!

たまには私の趣味ネタを。以前このブログでご紹介した韓国ドラマ「復活」がBS朝日で7月から放送されることになった。地上波ではないが、BSのアクセス環境を持つ人は多いと思うので、これで一挙に「復活」ファンが増えることは間違いない。好きな俳優はと聞かれて「オム・テウン」と答えても、「誰?それ」と聞き返されることがない日が来るのも間近かな。何しろ半年以上前から“信者”になっている私は、DVDを何度も見返してきているが、その度に発見がありこのドラマの深さに感心する。感情移入も直ちに出来て、I can’t see the drama without crying. って構文が出てくるくらいだ。おまけに韓国語の単語やフレーズもそこそこ覚えた。

BS朝日のホームページの紹介文は次のようになっていた。
「韓国で"復活パニック"と呼ばれる社会現象を巻き起こした驚異的ドラマ。視聴者から熱烈な支持を受け、これまで200万件を越えるサイトへの書き込みを記録。放送後も、専門誌の発行やファンが主催するオフ会が幾度も開催されています。誰も予測のつかない複雑、かつ緻密なストーリー展開と、キャストの卓越した演技力が高い評価を獲得。韓国TV界の各賞を総なめにした、2005年文句なしの韓国ドラマの最高傑作」

「復活」はBS朝日で、7月3日(火)にスタートする。全24話。
毎週火曜 22:00-22:50放送
毎週土曜 13:00-13:50再放送
となっているが、忙しい時は録画をするなりして、一話も逃さぬよう視聴していただきたい。“布教”している私の周りには信者が増えつつある。登場人物の心理や演出などを語り合うと話は尽きない。復活ミーティングin熊本なんかもやりたいものだ。

(注)このドラマ、トルストイの「復活」とは関係ない。英語版のDVDのタイトルは「Revenge」となっていたが、ちょっと違和感あり。単なる復讐劇ではないと思う。

2007年06月25日

県庁内に知的障害者の就労の場を

昨日、熊本大学で行われた道州制に関するシンポジウムに参加した後、時折激しく雨が降る中、下通りのパルコ前に向かった。参議院選を目前に、民主党代表代行の菅直人氏が遊説で訪れていた。熊本3区の西原村と熊本市の二カ所での遊説だった。急な来熊だったので、私も会員の皆さんに連絡する余裕もなくメールで数人に連絡しただけだった。

従って動員があったわけでもないので、菅氏が到着するまでは人もまばらだったが、ワゴン車から菅氏が降りてくると、道行く人が彼にどんどん近づいて握手を求めてくる。彼も紆余曲折あり、今は代表を降りている立場だが、独自の求心力で一時代のリーダーシップを発揮した人なので、オーラも放つし、人を引きつける演説はさすがという他ない。

そのお陰ではないが、一緒に動いていた松野信夫さんも注目を浴び、2区だけでなく全県の県民に広がっていく力を感じたのではないか。年金問題や緑資源開発問題で、保守王国熊本にも変われるチャンスがやってきた。老後の安心が根底から揺らいでいる年金問題でわかったのは、結局のところ官僚に牛耳られてきた「税金横取り天下りシステム」を抜本的に変えられなかった自民党政治を一度終わりにしなくてはダメだということだ。県全体ではまだ知名度が低い松野信夫さんだが、「自民党にはもういれん」という自民党支持の方からも聞こえてくる声を「松野へ」と着実に変えていかなければならない。

さて6月定例県議会も先週22日で閉会した。熊本市議会も今週閉会する。今回熊本市議会の一般質問で市役所での「知的障害者のインターンシップ」についてスタートさせるという答弁があったそうだ。既に雇用も始めている熊本市だから、単に一定期間のインターンシップで終わらせることなく、常用雇用につながる仕組みを併せて作っていって欲しい。私も12月定例県議会で県での「知的障害者インターンシップ」を含む雇用について質問した。今、人事課を中心にこの秋のスタートに向けて、こちらも準備が進んでいるはずなので確認していきたい。

千葉県をまた引き合いに出すが、県庁内に文書室のような働く場が設置されていて、知的な障害のある人、精神障害を持つ人等が県庁内で発生する冊子のコピーや綴じ込み、あるいは発送などで働いているそうだ。熊本県でも、県庁や教育委員会の業務の中で、知的障害を持つ人ができると思われる業務の洗い出しをしているはずだ。今、授産施設も作業所も障害者自立支援法の枠組みの中で容易された新たな形態に変えながら、就労の場作りに必死になって取り組んでいる。県庁内に設置されている熊本県手をつなぐ育成会運営の喫茶店「りんどう」だけでよしとすることなく、県自体も積極的に雇用の場作りに努力していかなければならない。

2007年06月24日

急ぎ過ぎる子ども条例策定

このところ週末は総会関係の出席が続いている。それも梅雨に入ってからだから激しい雨のため、駐車場で混み合ったりと予想以上に時間がかかったりする。到着が遅ないようにしなければ。

23日の土曜日は、バックアップ女性の会主催の講座で熊本日日新聞記者の太路秀紀さんのお話を聞いた。太路さんは、熊日で最初に育児休暇をとった男性記者だ。彼の話を聞くのはこれで2回目だ。最初は取得期間が終わった直後だった。生まれてすぐから6ヶ月間“専業育児”した長女は既に3歳だそうだ。早いものだ。

太路さんは相変わらず気負わず正直な人だ。話を聞いた者に新しい気づきを与えてくれ、「こんな男性もいるんだ」と希望を持たせてくれる。太路さんはその名字から、熊日内ではハンカチ王子やハニカミ王子ならぬ「子育てオオジ」と呼ばれているとか。残念ながら、太路さんの後に育児休暇を取った記者は、女性は複数いても、男性はまだいないそうだ。記者という職業にとっても育児休暇取得は、洞察力に深みを与えるいい経験のはずだが、まだ“清水の舞台”になっているようだ。太路さんだけが「育児休暇取得パパ」であり続けさせてはいけない。

同じように、熊本の民間の中小企業よりはるかに育児休暇を取得しやすい公務員や教員も、まだ片手で数えられるほどしか男性は取得していない。太路さんは言う、「乳児と24時間一緒にいて世話をすることでマネージメント力とリスク管理力が養われる」と。子育て経験を持つ参加者は大きくうなずいていた。職場では、時間と労力を意識せずに漫然と仕事を進めるタイプの人も少なくないが、子育て経験は、常にリスクを意識しつつ、段取りよく仕事を進める訓練になるのだ。

子育てを男性も女性も担うことは、子どもにとってもいい影響があることは言うまでもない。そして時代の要請でもある。向き不向きは、私たちが考えるほど大きいものではない。太路さんも、出産と母乳を乳首から授乳することこそ男性は出来ないが、それだけしか違わないと断言する。免疫力を付けるのに適とされる母乳を、冷凍して与えている働く母親も多い。また、子育て中にイライラする瞬間もあり、それを子どもにぶつけて後で自己嫌悪することもあったというが、こんな貴重な経験は児童虐待してしまう母親の心理と重なる部分だ。

さて熊本県では子育てをしやすい県にするために、「子ども条例」を準備中だ。確か渡辺県議が2月定例県議会で条例作りを提案しておられた。これは具体的な規制を入れる条例ではなく理念条例になるようだが、折角作るなら県民様々の層の皆さんの声が反映された条例にすべきだと思っていた。ところが、1,2回有識者による意見聴取会が開催されただけでで、9月定例県議会に提案され制定が目指されているようだ。子育てがしやすい環境作りには、今子育て中の人たちを含めた多くの方々がこの条例作りに参画して欲しいのだが、意見聴取会では公募もなく、有識者の他は太路記者を含め2,3人の子育て中の親が意見聴取されているだけだ。

何より肝心の「子ども」の意見は?作文コンクールか何かで優秀だった子どもたちを集めて声を聞いただけだ。子どもがみんな輝くためには、様々な家庭で育っている子どもたち、友だちから阻害されて苦しい思いをしている子どもたち、障害などにより不利な立場に置かれがちな子どもたちなど、丁寧に声を聞いていく作業が必要なはずだ。折角条例作りを決めたのなら、何もそんな急がなくてもいいはずなのだが、今秋に子育て関係の大会が開催されるらしく、9月までに作っておかなければならない“事情”があるようだ。誰のための条例なのか不思議に思える。これでは主人公の子どもが置き去りだ。

「障害のある人もない人も共に暮らしやすい千葉県づくり条例」(千葉県版障害者差別禁止条例)の策定過程で、千葉県は丁寧なタウンミーティングが各地で開催し、意見や苦情が積み上げていったことを以前このブログでも紹介した。確かに時間はかかり、手間はかかる。しかし行政は、条例を作るにあたり、「県民のための県民による条例作りの下支えをする」役割に立つことこそ大事なのではないだろうか。知事は「ユニバーサルデザインとパートナーシップ」をことある毎に口にされる。しかし、子ども条例策定で「パートナーシップ」が見えないのは私だけだろうか。

2007年06月21日

土木工事の地域要件に疑問

先の2月定例県議会で中小企業振興基本条例を突然の自民党の提案だったが採択した。議会提案の条例が異例の短期間で作られる前例となった。中味の議論も十分でなく本当はしっくりいかなかったが、非自民系の中小企業も含めて皆さんが条例を望んでおられたこともあり、私たちからのいくつか条件も入れて採択させた。自民党としては、県議選を前に業界への顔作りということ、更にそもそも議員達の関連企業の経営にも影響することから、焦りがあったのだろう。

その中で彼らが特に守ろうとするのは、土木工事等の県発注工事であることは見えていた。県は一般競争入札を7月から4000万円以上に拡大する方向で準備している。全国知事会では、1000万円以上にするよう求められているので、熊本県も本来ならまだ金額を下げる努力をしなければならない。しかしそのことを置いて、先に今度は地域要件で抵抗とは解せない。

そもそも一般競争入札の導入は、「談合は違法行為であり、税金の使途をゆがめ、県民の利益に著しく反するので是正していこう」ということのはずだ。しかし談合を“必要悪”と思っている議員や関係者も多い。建設常任委員会で「談合はいかんとですか?」と執行部に臆面もなく聞いた議員もいたそうだ。開いた口が塞がらない。だから自民党県議団は、時代の流れに逆らえないとは思いつつも、談合が出来にくくなるこの一般競争入札には相当な抵抗を見せている。

時代のニーズや透明性の確保等の理由から業界が再編されていく過程はどの分野にもある。熊本県だけ業界を守り続けていくわけにはいかない。むしろ自民党こそ、「健全な企業に集約していきましょう」とリーダーシップを果たさなければならないのではないか。地域要件は一見すると、「地元の工事は地元の企業で」ということだろうが、この結果が緑資源開発絡みの小国の森林土木工事での談合ではないか。この体質から脱していくことこそ、今の熊本県に求められている。それが県民の声だ。

先日の私のブログに、県議会での正副委員長ポストについて書いた。それを読んだある方からこんなメールをもらった。「確かに執行部が政策誘導していく側面もあるが、そのポストにある間に土木に限らず、福祉などにも利益誘導をしていく議員の体質もある」と。ポストに拘るのにはこんな理由もある。今回の地域要件が導入されても「競争性は十分確保できる」と土木部は答えてはいるが、本心はどうなのか。少なくとも彼らが提案したものでないことは明らかだ。とにかく全国知事会を前にして、一般競争入札に後ろ向きの県だと思われないよう、地域要件などを他の分野に波及させないよう、“抵抗勢力”、“談合体質温存勢力”に負けないでいただきたい。

2007年06月20日

呆れる”わがまま会期延長”

通常国会の会期延長が決まった。よくもまあ、この時期にと呆れる。既に様々な関係者や関係団体がこの夏の参院選は公示が7月5日、投票日が7月22日で動き出しているが、それが各々12日、29日へと1週間延びる。こんな土壇場に参院選の日程が変わるなんて異例中の異例だから、既に選挙関連の印刷物が刷り上がっていたり、夏のイベントが企画されていたり、佐賀県では高校総体と投票や開票会場が重なっていたりと、飛んでもなく迷惑な事態が各地で起こっている。これを税金の無駄使いと言わずして、何と言えるだろうか。候補者にとってもこの1週間で約300万円の支出増になるそうで、お気の毒というしかない。

それにしても、こんな迷惑な事態が起こることを知っているはずの安倍首相は、とにかく幼稚な執念を貫き通そうと必死だった。つまり、現場の悲鳴が反映されていない中味の教育3法や新人材バンクで天下りの抜け穴を作っただけの改正国家公務員法などの成立だ。彼なりに、減ったポイントを取り戻そうとしたのだろうが、野党の声にも耳をかさず、与党の数の奢りで強行してきた安倍政権を国民は厳しく見ている。今回の数々の強行は、年金問題で限界点まで達している国民の怒りの炎に、返って油を注ぐことになるように思う。本当に読みの甘さは近年稀に見る首相だ。

熊本での参院選と衆議院補選への影響はどうなのか。どの陣営も数々の予定の変更が余儀なくされる。私たちにとっても長く暑い夏が続くということだ。しかし長ければそれだけ、政府のこれまでの愚策や暴挙、官僚に牛耳られている政府の非力を、訴えていく機会や時間が増えたとも考えられ、チャンスでもある。トップがあれだから、相手陣営も必死だろう。衆議院3区も大事だが、とにかく私としては参院選に力を入れたい。明後日閉会を迎える。個人的には、近々出版される障害者権利条約の解説本の共同執筆など、予定が立て込んでいるが、出来る限り参院選集中で頑張りたい。

2007年06月14日

可能なはずがない委員長の複数兼務

乾ききった大地を潤す恵みの雨がやってきた。個人的には動きにくくなる季節ではあるが、仕方ない。異常気象は世界各地で頻発していて、今年の日本の梅雨は遅くきて早く明けるそうだ。長く暑い夏の水不足が深刻にならないといいのだが。

さて連日6月議会で一般質問が続いている。私は今期後ろから2列目、ベテランの西岡県議の前に着座している。前を見ると4列もある。全国一平均年齢が低い熊本県議会だが、いい意味で活性化していくことを期待している。民主主義は数を取った者が勝利という単純な思考ではこの難しい時代は乗り切れない。少数にこそ真実や現実があることも少なくない。しかし、熊本県議会の自民党の諸氏は、多数の奢りでそんな思考を持てないでいる。実に哀れだ。新人の皆さん、これが当たり前だと思っては大間違いですよ!

以前このブログでも紹介したが、熊本県議会は他の九州の県議会と異なり、自民党は第二会派以下に、正副議長はもちろんのこと常任委員会の正副委員長のポストを渡さない。一昨日、特別委員会の正副委員長の選任があったが、ここでも同じだった。しかも、「常任委員会の委員長と特別委員会の委員長の二つを兼務」している議員もいる。どちらか一方だけでも本来は大変な仕事のはずだが、掛け持ちできるということは、県執行部が手取足取りしてくれて、「事前レクチャー」なるもので執行部からの予習させてもらい、彼らが書いた原稿を棒読みすれば済むからだろう。

委員長は本来、「各委員の意見を引き出し、現場の実態を知り、委員会しての独立性を保ちながらイニシアティブを取り、執行部と切磋琢磨していく」役割がある。そしてそんな姿こそ県民の利益に叶うはずだ。しかし、今の県議会の委員長は、執行部の手のひらの上でどうにでもなる存在だと言われても仕方ない。「先生、先生」と外見上はうやうやしく対応されながら、本音では「この『アホ』が!」と思われていると知ってや知らずや・・・。とにかく、本来の委員長の職責は兼務できるようなものであるはずがないのだが、兼務させているこの異常事態。何度も言うが、委員長や副委員長の兼務も、第二会派がポストを持っていないのも、「九州では熊本県だけだ」。自民党だけでなく、無所属の諸氏もこれに同調している。いずれはタイミングを見て、自民党に入ろう、入れてもらおうという方たちが大半だから、逆らっては得策ではないのだろう。彼らは決して、本来のIndependentという無所属ではないことは明らかだ。

まったく呆れかえり、恥ずかしい熊本県議会だ。今後もその実態を県民の皆さんに知っていただき、内外から変えていくためにあきらめずに努力したい。あっ、よい事も一つ!やっと政務調査費や費用弁償についての見直しのための検討委員会が立ち上がることになった。9月県議会か12月県議会から仕組みを変えていけると期待している。

2007年06月07日

さわやかな季節に呆れる不祥事の数々

日中は夏を思わせる気温まで上がるが、まだ朝夕は風がここちよい。梅雨に入るまでのさわやかな初夏を楽しみたい。

さて、さわやかとはほど遠い事件が起こった。本当は言及もしたくもないが県庁職員のセクハラ不祥事だ。まだ遭遇したことはないが、飲酒すると露出する“やから”は少なからずいると聞く。某マスコミの宴会では恒例だとか。まだセクハラが言葉としてもなかった頃、女性がいようがいまいが“裸踊り”は始まるそうで、驚くとともに不愉快この上なかったと当時パート職員だった女性から聞いたことがある。まさか今もあっているとは思いたくないが。

直接的に危害を加えようとしているのではないからという言い訳は効かない。酒が入るとつい・・・、ということも通らない。そこにいる人が普通に見たり聞いたりする中で不愉快と思う行為はすべてセクハラであり、性犯罪だ。時折、シャツをズボンの中に入れ服装を整えようとする際、そこに女性がいようがいまいが、ベルトをはずし、チャックを下ろし始める男性がいるが、これも不愉快極まりない。注意できる人には注意しているが、どんなにダンディーを自認してもこんなおっちゃんはゴメンだ。

さて驚くと同時に心配している事件がまた一つ。もちろんコムスンの業務停止だ。介護保険導入と同時に、全国展開してきた介護事業体はそう多くはないが、その中でもコムスンはTVコマーシャルも打ち、知名度は抜群だった。しかしもともと娯楽産業からの進出で、誰もが大丈夫かなと心配していた。開設当時は、事務所内での職員間でのセクハラの問題で被害者から訴えをうけたこともある。人事管理もまともに出来ていなかったようだった。

しかしながら、厚労省の責任も重い。介護保険のメニューだけは作り立ててきた厚労省は、全国展開を進めるコムスンの虚偽申請等胡散臭さはあっても、選べるどころかサービス事業そのものがない地方の小さな自治体ではコムスンが必要不可欠な事業体となっていたことも知っていたはずだ。

今回の処分は遅きに失した。厚生労働省のお粗末な行政力を露呈したとも言える。この際、コムスンの過去と今の実態を掘り起こし、損害があれば賠償させていく必要もある。更には、不正がコムスンに限らず徹底して起こらない体制づくりを急がなければならない。しかし、介護の現場では、「大変な仕事なのに給料が少なすぎる」という労働者の悲鳴が各地から聞こえてきているわけで、まともに家族を養えるほどの給与が保障されるような単価の見直しを進めなければならないのではないか。

とにかく短期的には、本県でも利用者の不安が増大しないよう、取り組まなければならない。

2007年06月05日

政務調査費返納のわけ

2006年度の熊本県議会議員の政務調査費報告が公開された。支給される年額360万円のうち、今回私は501,280円を「返納」することになった。つまり使い切れなかったわけだ。昨年田上県議が同じように返納しておられたが、正直言って私も返納にすることになるとは思わなかった。普通に活動しているつもりだったのだが、何故返納になったか、会計簿を見ながら私なりに分析してみた。

2006年度はとにかく選挙の前の年であり、本来の議員活動の支出と選挙に絡む支出とを混同しないように細心の注意を払った。昨年12月から今年の3月にかけては特にそうした。そのため、按分が許されている印刷物や人件費などが、政務調査費での支出としては少なかった。更に、例年3,4回は東京を始めとして他県に個人的に視察や調査に行くのだが、やはり熊本での予定が立て込み例年通りには行けなかった。私が動くと介助者の分の費用も発生するが、その点での支出が極端に少なくなった。また、高額な機材購入もなかったためこの点の支出も抑制されていた。

いずれにしても、決して「ええかっこしー」で返納する訳ではない。来年以降も「返納を目指して」なんてことは考えていない。当たり前の議員活動を進めるのに政務調査費の存在は大きい。生活費としての議員報酬から切り崩して議員活動を進めるのは酷過ぎる。ただ、その額についてはこういう時期なので再検討されてもいいかもしれない。まずは領収書の添付や情報公開を一日も早く実現して、堂々と政務調査費を使わせていただけるように改善していきたい。

2007年06月04日

国会に必要な金政玉(キム・ジョンオク)の議席

私が副議長を務めているDPI(障害者インターナショナル)日本会議は障害者NGOであるが、活動の一つとして厚労省を始めとした省庁や政党との協議や提言を行っている。そしてこの度、DPI事務局の中心で活動してきたメンバーの一人、金政玉(キム・ジョンオク)さんが民主党の比例代表候補者として、7月の参院選挙に出馬予定だ。先週の30日、民主党が各地で行なっている「NGO意見聴取会inくまもと」が開催され、「障害者福祉」をテーマに活発な意見が交わされた。そしてここにキムさんも意見を聴く立場で出席していた。私は司会ということでお手伝いさせていただいた。

さて、その名からわかるとおりキムさんは在日韓国人だ。小児麻痺に罹り障害を持って生きていく中で、障害者運動のリーダーの一人となった。国連障害者権利条約や国内法である障害者差別禁止法の素案作りにも深く関わってきた人で、それぞれの素案作成にあたっては、あらゆる立場の障害者団体や親の会、人権団体の意見をとりまとめる非常に重要な役割を果たしてきた。

そんなキムさんが国政を目指すと聞いて、日頃のおっとりとした雰囲気からは想像できずに最初は少なからず驚いたが、彼はこのタイミングで、当事者であり障害者福祉の政治的側面をよく知る自分が、今こそ国会に必要だと思ったのだろう。支援費制度からいきなり障害者自立支援法という悪法(制度設計が複雑で矛盾だらけ)に変わり、2年後にその見直しの時が来るが、事情に精通している彼のような議員が国会に議席を持つことは極めて重要だ。

出馬にあたり、キムさんは日本国籍を取得した。山口県下関市で生まれ51歳の今まで日本で暮らしてきたキムさんだが、選挙に出るとなると現行法では帰化するしかない。既に参議院には、韓国人で帰化した大学教授の白真勲さん(ハク・シンクンさん)が既に民主党の議席を持っているが、韓国語読みで出馬するのは「キム・ジョンオク」さんが初めてだそうだ。支援は、障害者団体や患者団体、薬害被害者団体などに求めているが、当然ながら民団を始め様々な民族マイノリティーグループにも求めている。既に多くの外国人やその2世、3世たちが暮らしている日本の現実を考えた時、「人権」を多角的に捉えていくパイプは必要だ。

7月の選挙までには、またキムさんに熊本に来てもらい、熊本選挙区の松野信夫さんとのジョイントを企画する予定だ。その際は、「障害者問題と人権問題のエキスパート」であるキム・ジョンオクさんを多くの皆さんに知っていただきたいと思う。


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