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2007年11月26日

『障害者の権利条約でこう変わる Q&A』発刊

11月19日(月)に、解放出版社から『障害者の権利条約でこう変わる Q&A』が出版された。昨年12月に障害者権利条約が国連で採択され、これから日本国内での内容の周知と法律整備が必要となっているが、今この解説本が出されたことはグッドタイミングだ。

DPI日本会議が編集し、東俊裕弁護士が監修している。Q1からQ21までの質問は具体的で、「条約ってなんですか?」、「障害に基づく差別にはどんなものがあるのですか?」、「逮捕された障害者はどのように扱われますか?」「障害者の労働政策にはどのような影響がありますか」などと続く。そしてその質問の執筆には、DPI日本会議の役員他、障害を網羅する各団体の皆さん総勢22人が手分けしてあたった。

私もQ6「障害のある女性の権利についてはどのように書いてありますか?」の項目を担当し、条約の策定過程の論議や目的などを説明した。とにかく、できるだけ平易な文章でわかりやすくという編集サイドからの要請があり、その点には留意したつもりだが、条約の解説なので少し難しくなりがちだった。

女性差別撤廃条約、子どもの権利条約、そして最後の権利条約と言われる「障害者権利条約」。今後、国内法だけでなく条例作りやその他の施策にも大きな影響が及ぶと思われる。当事者や保護者、教職員、行政職員の皆さんには、是非、ご一読頂きたい。県庁の売店などにも置いてもらうつもりなので、是非ご一読を。また、執筆者は1冊1,176円(税込み価格1,470円×80%)で購入できるので、私の手元にも少し置いている。希望なさる方はご一報を。それから、権利条約や障害者福祉にかかわる講演会や集会での販売に協力できるという方は、講演会や集会の日時、主催者の名前、連絡先を事前に下記までご連絡いただきたい。やっと出来た条約の趣旨が着実に広がっていくことを願う。
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尾上年秀さん(ONOE Toshihide)
解放出版社編集部
556-0028 大阪市浪速区久保吉1-6-12
TEL 06-6562-5378 FAX 06-6568-7166
onoe@kaihou-s.com

2007年11月20日

理解できないチッソの体質

県議会水俣病対策特別委員会に所属していて、本県がいかに重い課題を抱えてきているかについて、痛感する日々だ。県政の長年の重要課題である水俣病問題が、何とか全面解決に至るようにという思いは、少なくとも党派を超えて委員に共有されているはずだ。と同時に、被害者である患者団体・個人の皆さんの思いに隔たりがあることは事実で、全面解決にはまだまだ紆余曲折がありそうだ。

今回自民党与党PTが示した救済策は、98年の政治決着後の新たな“決着”を与党として意図したものであるが、この間の国と県の責任を認めた最高裁判決は蚊帳の外に置かれた救済策となっており、これに応じる人たちが果たしてどれくらいなのか、まだわからない。恐らく司法救済を求める人は減ることはないだろう。全面解決へはまだまだ長い道のりである。

それにしても、こんな状況で先が見えないからなのか、もう水俣病は解決した問題であり、これ以上“関わりたくない”と思っているのか、チッソ側の与党PT案に否定的な態度はあまりにも冷淡で他人事だ。加害者側としての責任をあまりに自覚していないこの企業の体質は、昨今の食品偽装で信頼が損なわれているお粗末な企業と何ら変わりがない。こちらは死者までは出ていないが、チッソは多くの熊本県民の命を、水俣湾に排出した有機水銀で奪ってきた。そして50年以上経て、その後遺症に未だに苦しんでいる人がいる。

もちろん水俣には、チッソ以外に大きな企業もなく、働く場を得ていることも事実だ。だからと言って、この企業の体質が社会的に許されるわけはない。政府もチッソに対しては、もっと厳しく対応すべきだ。分社化して負担を軽減し、更に企業イメージをアップしたいようだが、社会的な存在としての企業イメージがアップするには、何より、自らが起こした公害への対応をきちんと行うことが肝心ではないだろうか。

とにかく、時間が立てば経つほど高齢化した患者の皆さんが亡くなっていく現実を、政府もチッソもしっかり考えていただきたい。人の命の時間には限りがある。引き延ばされてはたまらない。

2007年11月18日

恐るべし!東方神起

今日はまた音楽話ですので、関心の無い方はスキップしてください。

ここ半年ほど、祖母や母のことで慌ただしく過ごしてきてので、家で落ち着いて何かをすることが難しかった。観たかった映画のDVDもいくつか未鑑賞のままだったりする。自分だけの時間と言えば、やはり運転している時だろうか。そしてここ数ヶ月、私をCheer upしてくれているのが、一昨日少し紹介した「東方神起」だ。

知っている人はまだそんなに多くないと思うが、韓国の男性5人のグループだ。そう言うと、「また韓流ですか~」と言われそうだが、私自身はあの“韓流ブーム”に巻き込まれては来なかったし、彼らも“韓流”とは一線を画しているらしいので念のため。2年くらい前から東方神起というグループの名は聞いていたが、今年になって友人に借りたCDで聞いた彼らの歌は、韓国なまりの一切無い完璧な日本語で、彼らが韓国のグループだとは想像もしなかった。

「東方神起」は、3年前に韓国でデビューし、その年の内に日本でも活動を開始している。その名前から、日本での成功やひいては世界進出も視野に入れているようだ。日本と韓国を行き来し、日本語の習得にも力を入れてきている。難しい表現は使わないものの、日本語でのコミュニケーションを十分こなしているのは、音楽にも大事な“耳”がいいからだろう。また日本人以上にきれいな日本語で歌う彼らには、そのための指導者もついているのだろう。彼らをプロデュースする側の力量にも感心する。

とにかく東方神起には驚くことばかりなのだが、平均年齢20歳だと知って仰け反った。あの歌唱力で、ハタチ?!5人それぞれの歌唱力は日本のジャニタレ(ジャニーズ系のタレント)とはそもそも比較にならない。音程がしっかりしていて狂いが無いから、アカペラでは鳥肌が立つほどだ。アップテンポの曲でも、ボーカルとコーラスワークの巧みさは30代の歌手並み。ちなみに彼らが好きな日本のアーティストはゴスペラーズだそうだ。ゴスペラーズも東方神起に一目置いているらしく、夏の野外コンサートで彼らは競演している。この歌唱力のある二つのグループ10人で、ゴスペラーズの「永遠に」を歌ったそうだから圧巻だったことだろう。

東方神起はその上、完璧な技量を持ったヒップホップ系のダンサーでもある。CDの後にDVDで彼らを観てぶったまげた(おっと)。5人が完璧に合わせるパートなど、その切れのあるダンス技術に思わず「凄い!」と唸ってしまう。とにかく聴かせて、見せるグループだ。

私は以前から、“男の子”タレントだけを排出するジャニーズ事務所に疑問を持っていたが、テレビなどで時々観る小学生も含むジャニタレなど、安易な子どもタレントの増産には吐き気がしそうになる。日本のタレントと観客のレベルを低いままにしているのはあの事務所だと言っても過言ではない。とにかく日本の同じ世代の歌手やタレントも、「アーティスト東方神起」に見習うべきだ。それにしても、彼らのような才能豊かな人材を発掘できる韓国の層の厚さにも感心する。

東方神起は、既に韓国では年代を問わず絶大な人気を誇っていて、昨年の歌謡祭は総なめにしたとか。また台湾、中国、マレーシア、タイなど東アジア諸国でも既に評価されている。“日出る東方”から若い5人の“神”が、ヨーロッパやアメリカにも進出し成功することも決して夢ではないだろう。

そんな東方神起の歌を聴きダンスを観てみたい方は、今、yahoo動画で15曲を無料配信中なのでチェックしてみていただきたい。私は最近リリースされた「Forever Love」や「Begin」、「明日は来るから」などのバラードで泣かせいただき、ダンスチューンで元気をいただいている。実力のある彼らを、若い人たちだけでなく、彼らの“オンマ(ママ)の世代”もしっかり応援している!

2007年11月17日

いじめ、体罰のない教育現場を

子どもたちへのアンケートによる全国の教育現場でのいじめの実態が、文科省の調査で明らかになった。中でも熊本県は突出していて、1000人当たりに50人以上が何らかのいじめを受けたと答えている。熊本県教育委員会は、昨年の子どもによる県教委への自殺予告があったため、その直後に緊急のアンケートを実施し、その結果を今回の文科省への回答としたそうだ。そのため他県より念入りの調査になったようだ。もちろんいじめは主観的な要素もあり、受け取り方もまちまちであることは否めないが、他県より本県の方が実態に近いように思える。

私自身の子どもの頃、一部のクラスメートからの対応(攻撃とまではいかないが仲間はずれなど)に、孤独感や疎外感を感じた時期がなかったとは言えない。心の傷とならなかったのは、信頼する大人の存在が家庭にも学校にもあったからだと思う。また、音楽や読書など他のことに関心を向け自分が安心できる時間や世界を作ったり、勉強で気を紛らせていくうちに、学年が上がりクラス替えで環境が変わって解消された。また5歳で父を亡くすという、あまりに突然で衝撃的なことを経験したせいか、「あれほど辛いことではない」と、それと比べてはうまくやり過ごして来れたのだろうと思う。いずれにしても、現在のような複雑化した時代の陰湿ないじめとは異なる、それほど深刻なものではなかった。

今回の結果を、熊本県ではどう受け止めどう対応していくか、これから問われていくことになる。今回報告されたいじめのうち、全国平均81.3%を上回る95.8%が既に解消されたとの報告だったが、これはにわかには信じられない。本当にいじめのない熊本県の教育現場となっているのか、子どもたちにもう一度丁寧に聞いてみたいものだ。子どもの成長は何より「安心して学び、育つことができる環境」をどう保障できるかだ。しかし、子どもの小さな変化を見過ごしてしまうかもしれない先生たちが、今超多忙、超ストレス状態にあることが気になる。先生に察知する力や余裕がなければ、子どももそのあおりを受け、信頼関係を紡ぐはずの友人間で、弱い者への無視と攻撃が蔓延ってしまう。

児童、高齢者、障害者、女性への虐待・暴力禁止のキャンペーンが展開されている。いじめも暴力の一つだ。子ども同士、切磋琢磨して成長するということを否定するものではない。しかし切磋琢磨ではなく、「意図的に他者を蹴落とす、弱い者・異質なタイプの人を排斥する」としたら、それはいじめに他ならない。更に、一部の教員の中には、指導や教育の名の下、体罰を続けている実態がある。体罰を使わなければコミュニケーションや指導が出来ないというのでは教員失格だ。飲酒運転や交通事故などの処分はスピーディーに行うのに、体罰に関しての実態把握やその後の対応、処分が生ぬるいのが気になる。県教委も管理職も、この点も虐待であり暴力であると再認識していく必要がある。

2007年11月15日

献歌は?

祖母の葬儀も終え、久しぶりに議会にやってきた。質問の準備をスタートさせないと、議会担当もハラハラだろう。長年二人三脚で私と弟を育てた相方がいなくなり、母なりに気持ちを立て直しているところだろうが、100歳にもなっていたし、母も「おばあちゃん、やっとゆっくりできたね」という思いだろう。

さて、立場上色々な方の葬儀に出ることは多いが、私にとって一緒に暮らしてきた人の死は、1963年の父、1967年の祖父以来なので、葬儀前後の一連の流れを久しぶりに経験した。今回、葬祭側が「お祖母様が生前お好きだった歌はありますか?献歌(ケンカ)として電子オルガンで演奏いたします」と尋ねるので、叔母たちと思い巡らせた。

英語が好きだった祖母は女学校を卒業して、長崎活水短大(当時は専門学校?)の英文科に進学したものの、ホームシックですぐ退学してきたらしい。いささか根性無しと言えなくもないが、当時は遠路であり、電話も無く寂しさは大きかったのだろう。

その後彼女は結婚するまで、大正ロマン溢れる時代から昭和初期を、自由を謳歌して生きていたようだ。テニスをしたり、政治演説会を聴きに行ったり、祖母の姉家族が赴任していた台湾に旅行したり。時々懐かしく話してくれた。また熊本で初めて誕生した混声合唱団にも入っていたようだ。私も祖母の血を引いたのか、小学校の合唱クラブやら熊本児童合唱団などで唱っていたが、家で「ハレルヤ」や「流浪の民」など練習していると祖母も一緒に加わって歌い出していた。

1970年に、我が家に初めてステレオセットがやってきた時も、家族4人ステレオの前に陣取って、カラヤン指揮のベルリンフィルの演奏や、当時彼女が好きだった尾崎紀代彦、カーペンターズを聴いたりしていた。その後も、ビートルズ、オフコース、山下達郎など、私や弟が好きだったアーティストは、悉く彼女も気に入っていた。昨年4月のみどりの日に、祖母が大好きだったカーペンターズのナンバー10曲を歌ったコンサートを行ったのも、段々耳が遠くなってきた祖母のためでもあった。あの時の嬉しそうな表情を思い出す。

ところで献歌なのだが、結局彼女が90歳くらいの時、最初で最後に買ったCD(レコードではなく)の曲、尾崎豊の「アイ・ラブ・ユー」にしようということになった。100歳くらいになると演歌あたりが普通なのだろうが、ロマンチストの祖母は、甘く語りかける尾崎豊が気に入っていたようだった。尾崎自身のあまりにも若いその死を惜しんでという意味もあったのかもしれない。

もっと耳と目がしっかりしていたら、私が今好きなグループ「東方神起」を聴かせてあげたかった。きっと気に入ってくれるはずだ。天国でも音楽聴いているかな。(仏教ですが・・・)

2007年11月13日

意思が大切にされる介護

晩秋とは思えない澄み渡る青空の暖かい今日、祖母との別れの日はやってきた。涙雨の日とならなかっただけ救われた。周りには子どもや孫たちが見守る中、花に囲まれた棺の中の最期の姿を胸に刻み、「心からお疲れ様でした。ありがとう」と改めて語りかけた。

通夜と葬儀には、彼女のケアにあたってくださった社会福祉事業団、居宅介護事業所なないろの皆さんが、忙しい仕事の合間に駆けつけてくださった。まるで自分の親族との別れを惜しんでおられるかのようだった。彼女たちの徹底した当事者の思いを大切にするプロフェッショナルなケアには、祖母も大変満足していたことだろう。100歳の祖母だったが、ヘルパーさん一人一人の名前と顔を認識していて、「ああ、今日は○○さんね」と、はっきりと依頼や指示ができていた。こんなケースもなかなかないだろう。

また訪問診療や看護をしていただいた秋津レークタウンクリニックの山口先生は、通夜においでになった時、「最期は呼吸不全で亡くなりましたが、病気ではなくどこも悪いところがないので、二番目の死因には老衰と書きました。老衰と書いたのは初めてです。殆どの人が何らかの病気を持って亡くなりますので、矢野さんのケースは珍しいです」と。

明治、大正、昭和、平成と駆け抜けて生きてきた祖母のように、私たちも最期まで元気でとはとてもいかないだろうが、祖母のように、自分の意思を大切にしてもらえるケアが誰でも受けられるように仕組みを充実させていくのは、私たち、政治に携わる者の責任だと改めて思う。

“政治好き”で、この夏の民主党の参院選での勝利を大層喜んでいた祖母だ。政権交代を見せてやりたかった。小沢氏の一件以来、少し混迷している与野党だが、“今度こそは!”という国民の政治への期待を裏切らないためにも、私も含めて引き締めていかなければならない。

2007年11月11日

100歳の祖母逝く

このコーナーで何度か取り上げてきた実家の祖母が、今朝3時に静かに息を引き取った。享年、100才の大往生だった。ただ、少し朦朧としてきてはいたが、最後まで意識があり、身体の衰えが進んだここ1ヶ月ほどは辛そうだった。まだ温かい祖母の顔に手を当てながら、「頑張ったね。ゆっくり休んでね」と、母と一緒に語りかけると涙が溢れた。

夜中だが、直ぐに主治医の秋津レークタウンクリニックの山口秀樹先生がかけつけてくださり、その後看護士お二人が、清拭と衣装の着せ替え等で来られた。尿や便が出にくくなって、浮腫が手足に出て、つついたら破裂しそうなほどだった。それでも、顔は穏やかで叔母たちが死化粧を施すと、1、2年前の元気だった頃の祖母に戻ったようだった。

本人の意思を尊重して、在宅での看取りが出来た。介護保険だけで対応できるはずもなく、色々な人の手と厚意による部分も含め、難しい局面もあった。それでも、最期の瞬間に親族が傍らにいたことは、私たちにとっても祖母にとってもベストだったのだと思いたい。

通夜は明日12日で、葬儀が13日となる。今週は、12月県議会の質問の準備はなかなか難しいが、40年以上も御世話になった人の死だから、これだけは仕方ない。

2007年11月10日

電鉄・熊本市電を”富山のライトレール”みたいに!

心地よい晩秋の今日、藤崎宮前駅から電鉄に乗り込み、再春荘前駅へと向かった。平野みどりとくらしを政治につなぐ会の希望者による菊池恵楓園でのフィールドワークのためだ。(後日報告したい)

さて、電鉄は車椅子はもちろん、自転車も乗り込めることで有名だ。プラットホームと電車の高低差は、藤崎宮前駅ではヨーロッパ並に殆ど無いが、他の駅では少しあるところも。しかし、無人駅にも年季の入った板のスロープが準備されており、運転手だけでも乗り降りの介助が可能だ。洗練されてはいないものの、ヨーロッパを思い出させるアクセスが電鉄では実現している。LRT(郊外を高速で走る路面電車)を導入し、熊本市電と結節させる構想が長年論議されているが、都市圏交通の改善のためにこれを実現させない手は無い。

実は、今週の7日、新幹線対策特別委員会において富山市のLRTを視察した。旧JR富山港線を路面電車化し、第三セクター方式で運営している。これまで自家用車を利用していた人や、通勤通学の利用者、公共交通を使っていない人(使えない高齢者)など、利用者が増え、見込みより1年早く乗客300万人を達成した。今年度の利用者数は1日平均約4700人で推移していて、昨年4月の開業から1年半での達成だ。

また、富山LRTの車両はモダンなデザインで全車バリアフリーだ。各駅のホームとの段差もゼロだ。見た目も乗り心地も、ヨーロッパの街々で試乗体験したものと遜色がない。熊本県議会の委員や執行部の皆さんと試乗した時間は、平日の4時頃だったが、下校時の学生や中高年の市民の皆さんで結構混んでいた。おもしろいことに、高齢者福祉施設などの利用者の皆さんが、日中、比較的空いて居るときに試乗したり、これまで家から出なかった高齢者の皆さんが、買い物等のため電車を利用し始めているようだ。今後はこのLRT、北陸新幹線の開通後その高架下を通過させ、南北が分断されてきた富山市街地の活性化を勧めることになる。

”乗ってみたくなる”バリアフリーなLRTを、適正料金や時間設定など利便性に配慮した仕組みで運行させれば必ず成功するという、日本の好例が富山ライトレールだ。熊本ではどうしても、車を優先させることにこだわる考えが根強く、折角の好機を逸してしまいかねない。また権益の縄張り意識も少なくない。世界的にも日本国内でも、高齢化や地球温暖化などの様々な観点から、「車」ではなく「公共交通」を最優先すべきであることは、既に自明の理だ。ヨーロッパまで行かなくても、富山でLRTが体験できる。是非多くの皆さんに富山に一度行っていただきたい。特に幸山市長や潮谷知事は是非!

2007年11月09日

命の重さを背負って-アルコール・ハラスメント事件に思う

熊本大医学部に入学したばかりの吉田拓郎さん(当時20才)が、医学部漕艇部の新入生歓迎会で大量の飲酒を強要され、急性アルコール中毒で亡くなった。もう8年も前のことだ。吉田さんのお父さんは、当時県議会事務局に勤務されていて、私もお世話になっていた。ご子息の、あまりに突然で、理不尽な亡くなり方に、お母様やご妹弟を含め、吉田さんたちはどれほど心を打ち砕かれたことだろう。お気の毒で言葉も出なかった重苦しさを思い出す。

それから、お父さんは悲しみも覚めやらぬ中、息子さんが「何故命を落とさなければならなかった」を徹底して調べ、真相を明らかにしようとなさった。私も裁判所への署名活動に協力させていただいた。そして、医学生としてあってはならない飲酒強要の危険性の認識欠如、救命を要する者の放置、そして彼らを監督すべき山本哲郎教授(当時、漕艇部部長)の責任感の欠如などが明らかになった。しかし、何故か刑事事件としては不起訴となり、飲酒を強要したとされる側の生徒や監督する立場の教員は無罪放免となった。

全く信じられない判断だった。しかし、このまま彼らが何の責任も問われずに医者になったり、教授が何の反省もなく医者を育てる立場に居続けることに危機感を持つと同時に、それでは息子さん自身がうかばれないという思いだったのだろう、吉田さんは民事での救済の道を求め、再び司法の判断を待った。報道されている通り、一審の熊本地裁では両親の請求は退けられたが、二審の高裁で吉田さんの主張が認められた。つまり、拓郎さんの死は「アルコールを大量に飲んだことが死因である」という司法判断だ。学生や教授には安全配慮義務違反があったと認定された。教授や学生側は最高裁に上告したが、最高裁の判断は“上告棄却”だった。

長い道のりだったが、吉田さんはやっと息子さんに、この悲しい事件が幕を下ろしたことを報告できたことだろう。熊本大学は、この最高裁判断に誠実に従い、今後ニ度と悲劇が繰り返されないよう、アルコールハラスメントの撲滅に一層の力を注いで欲しい。山本教授が、今回の司法判断後も、医学部部長としての地位にとどまるとしたら正直違和感を持つ。また、既に医者となっている当時の学生たちには、医者としての原点で“命を守る”という自分たちの仕事の本質を“拓郎さんの命”と引き替えに経験したことに、医者としての人生を終えるまで、謙虚に向き合い続けて欲しい。

改めて、吉田拓郎さんのご冥福をお祈りします。

2007年11月05日

政治の混沌が心配

7月の参議院での勝利で、すわ衆議院でも与野党逆転を!と意気込んできた民主党が、党の存続も揺るがすような苦境に立たされている。よもやの小沢代表の辞任会見には驚きを超えて、私自身真意がどうにも掴めないでいる。

福田首相が連立を持ちかけたにしろ、小沢氏がそれに応じようとする態度を見せたにしろ、そんな“天下の談合”で国民の政治への不信が払拭できると彼らは思っているのだろうか。確かに、一本も法案が成立していない現状や、テロ特措法の期限が過ぎた今、どう対応するのかなど外交問題も喫緊の課題であり、現状打開の道を探ることは与野党共に大切だ。しかし、「大連立はないんじゃないの?」というのが率直な国民感情ではないだろうか。

このような事態に、熊本県政も動揺が隠せない。昨日は民主・県民クラブの会派会議だったのだが、私たち以上に民主党の鎌田県議も困惑している様子だった。これから衆議院の候補者擁立で盛り上げていこうという時に、“大将”の想像を超える行動の影響を図りかねるのも当然だろう。熊本では野党共闘との声もある中、事態の推移については予断を許さない。

自民党もこれが追い風とは決してならないと思う。むしろ懸念されるのは、国民不在の政治への更なる不信の深刻化だ。国民としても、事態を冷静に見守りつつ、政治が落ち着きを取り戻すことを祈りながら、新たな政界の再編への心の準備はしておかなければならないようだ。政界というものは本当に摩訶不思議なものだ。

2007年11月01日

障害者自立支援法の抜本見直しは急務

30日、東京・日比谷野外音楽堂で開かれた「障害者自立支援法の見直し」を求める集会に参加した。「障害者に福祉サービス利用料の原則1割負担を義務づけた障害者自立支援法の見直し」を求めて、障害当事者、支援者、家族、事業所関係者等6500人もの参加者が会場の内外を埋め尽くしていた。

この“障害者自立支援法”は、2年前の衆議院選後の10月30日に強行採決され、2006年春に全面実施となった。しかし、当初から予想されていたように、利用料の1割負担等、年金が唯一の収入という障害者が多い中、「応益負担」を組み込んだ極めて厳しい法律として、サービス受給者である障害者や家族、更には利用抑制のおありを喰っている事業者等から、反対の声がすぐさま巻き上がった。

今回の集会は、“悪法”のそしりを免れない自立支援法が成立して2周年であることと、参院選後の与野党逆転の結果、自立支援法抜本見直しの機運が高まっていることなどから、私が副議長を務めるDPI日本会議、全日本聾唖連盟、手をつなぐ育成会、日本障害者連盟などから組織された日本障害者協議会などが呼びかけた。 全国各地からの報告では、「工賃をもらっても利用料を払うと手元にお金が残らない」、「生きるためのサービスがなぜ『益』となるのか。『応益負担』は撤廃すべきだ」など、身体、知的、精神の障害当事者、事業者から次々に訴えた。

また、国会の時間をやりくりして、国会議員も日比谷野音でのシンポジウムに参加し、現状の認識と展望について論議した。参加政党は、与党側から自民、公明、野党では民主、共産、社民の5政党。民主党の障害者施策担当の園田衆議院議員(岐阜)が、「1割負担を廃止する改正案を参院に提出した。抜本的見直しが必要」と主張し、共産、社民も同じ主張をしたのに対し、与党側議員は「所得保障をしたうえで1割を払えるようにすることが大事」など、制度の根幹をいじらずに、枝葉を変えることによって運用を改善しようという主張に終始し、これに対して会場からは大きなブーイングが起こっていた。

私はこの集会と同時に行われた厚生労働省門前集会にも参加し、ちょうど昼休みで庁外にどっと流れ出てくる職員たちに、仲間たちともにマイクで訴えかけた。「全国の議会をリードする形で、熊本県議会ではほぼ抜本見直しと言っていい内容の意見書が、全会一致で採択されました。地方の当事者も、自治体も悲鳴を上げています。一日も早く抜本見直しを実現すべきです」と。

障害者自立支援法は、当初参院選の与野党逆転の結果を受けて、参議院で民主党が“法案攻撃”を打つ中の一つとして提出し、議論が進み、抜本的な見直しが早まるかと思われていた。しかし、テロ特措法等の議論や防衛省を舞台とした官僚の接待疑惑が浮上し耳目を集める中、トーンダウンしているのが現状だ。また、厚労省はともかく、かたくななのは財務省だ。「一部必要な軽減措置がなされているし、制度2年目で見直しには早すぎる」という、財政当局である財務省の激しい抵抗にあっているとも聞く。そもそも自立支援法自体の制度設計が複雑かつ稚拙で、継続が困難な法律であることは棚に上げて、官僚の認識は実態とそぐわないひどいものだ。

30日全国集会の翌日の31日には、熊本でも日中と夕方から集会が開かれた。そのうち夕方の集会の主催者は、「障害者自立支援法を考えるくまもとネットワーク」で、昨年の「障害者自立支援法利用者負担軽減を求める会」が継続して活動を続けることとなった。

集会は、「障害者自立支援法1年半の検証~“福祉”が悲鳴を上げている」と題したもので、約200人が国際交流会館に集結し、障害当事者、親の会、事業者、ヘルパーらが熊本の生の現状を、時には涙ながらに訴えた。「どんなに軽減措置がされても利用者負担はやはり厳しい」、「必要な福祉サービスが利用できない」、「事業所が潰れてしまう」、「自治体間格差も大きい」、「もう既に、自分がケアに入っている障害者の方が2人亡くなっている」と訴えは相次いだ。先月末には、将来を悲観して、知的障害者の息子を絞殺した母親が逮捕されている。母親の罪は許されるものではないが、この親子を安心して支えられる福祉制度でないことが、彼女を追いつめたことは明らかだ。

最後に共同代表の東俊裕さんが、「自立支援法は、昨年末成立した国連障害者権利条約で確認された障害福祉観に、根本的に抵触するひどい法律だ。世界的にも恥ずかしい日本の現状であることを訴えていこう」と呼び掛けた。法改正への見通しは決して楽観できない。しかし更なる悲劇がこれ以上起こらないように、一日も早く“人間らしい暮らしができる”福祉国家に、日本も舵を切り直す必要がある。


お問い合わせ 平野みどり事務所 860-0066 熊本市城山下代4-7-28 
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