「女性の品格」は「人間の品格」 [みどり日記]
新聞などには「今週の書籍売り上げランキング」なるものが掲載される。特に気にはしないものの、目に入ると「そうか、こんな本が売れているんだ」という程度でインプットしている気がする。それにしても宗教系の本が出ると、信者の皆さんが大量買いされるのか、すぐさまトップに君臨する。そう言えば、かつて「読んでください」と見ず知らずの方が、ご自分の宗教本を送ってくださったことがあった。こんな方たちが、ランキングを支えているのだろうと、いつも宗教の力にはびっくりする。
そんな宗教とはまったく無縁だが、ここ数年の文庫ブームの中、「バカの壁」とか「国家の品格」などがダントツの売り上げを記録した。前者は買ったが、後者は買っていない。「国家の品格」はちらっと立ち読みしたが、「アメリカ追随はダメ!」という点は共感するものの、筆者の国家観と私のそれは違うようだった。
さて、昨年から年が開けた今も売れ続け、ベストテンの1位や2位あたりにあるのが「女性の品格」だ。凄い売れ方だ。筆者の板東眞理子さんとはどんな人なのか。ご自身が霞ヶ関のエリート官僚で夫と子ども二人。仕事と家庭を両立してきた人だ。恐らく彼女の時代は大変だっただろう。ご本人も頑張ったのだろうが、十分な社会資源が整っていない時代は、夫や家族の支えや理解も大きかったのではないか。その後内閣府の男女共同参画局の局長を務め、日本の在外機関で働いた後、退職後の今は、昭和女子大学の学長を務められている。私も世界女性スポーツ会議が開催された一昨年、熊本でお会いした。何度も県主催の講演などで来熊されている。
さて、「女性の品格」だが、最初は、「品格」のない私には、この言葉が引っかかってしまった。しかし、とりあえず文庫本という手軽さもあって購入した。「礼状が書ける」、「約束を守る」、「型どおりの挨拶ができる」、「得意料理をもつ」と項目が並ぶ。「なるほど」とか「そうだよね」という点も多かった。ただ、「ここまでできたらスーパーウーマンじゃん」と我が身に照らし合わせるとしんどさも正直感じたので、「目標として頭の隅に入れておいて、参考にしつつも、私は私でいこう!」と自分を納得させた。
また、読み進みながら、「これって『女性の品格』といいながら、男性にも当てはまるし、むしろ『人間の品格』では?」と思っていたところ、板東さんがあるテレビ番組でインタビューを受けていて、同じようなことをおっしゃっていた。そうか、これって男性に対してのメッセージでもあるんだなあ。そんなところが、この本が女性だけでなく、男性にも広がった理由かもしれない。
そんな板東眞理子さんと蒲島郁夫さんは、先々週東京で行われた男女共同参画のシンポジウムで一緒だったそうだ。お互い大学教授という立場で知り合いなのだろう。そのシンポジウムでは、猪口邦子さん(自民党)、円より子さん(民主党)、福島みずほさん(社民党)も一緒だったそうで、蒲島さんの熊本県知事選出馬について、党派を超えて応援したいとおっしゃっていたそうだ。少し複雑な状況なので、実際、皆さんが熊本に来て応援していただけるかは微妙だが、思いは同じなのだろう。
板東眞理子さんは、2月27日に行われる蒲島さんの本(「運命」に加筆した本で、タイトルは未定。講談社から出版)の出版記念パーティーに出席するため、熊本に来られるそうだ。メガヒット「女性の品格」ほど売れることはない(失礼!)だろうが、多くの人が手に取ってもらえるといいのだが。