知事との議論に期待
蒲島県政がスタートして1ヶ月が経過した。まずまずの出だしであるとご本人もおっしゃっているようだが、まだ1ヶ月では、知事としての力量は評価のしようもないというのが一般的な県民の思いだろう。
概して、「人の話を聞く、人に対して予断と偏見を持たない」など、「人柄のよさ」は好感を持って受け止められているようだ。この点では心配はしていなかったが、まずは一安心だ。蒲島知事自身の中央公論6月号への寄稿にも、選挙の勝因の一つを人柄のよさと自ら総括しておられ、思わず苦笑してしまった。人柄のよさは自他共に認める蒲島知事の“売り”のようだ。
知事という圧倒的な権限を持つ立場の人であっても、所詮人間である。普通に会話ができなくてはならない。むしろそういう立場だからこそ、包容力、許容力が必要だ。相手を極度に緊張させてはいけないし、ましてや語気を荒げて、相手の発言を抑制させてはいけない。蒲島知事がこれからも、人柄もよく、懐深い知事として更に信頼を得ていかれることを期待したい。
まだ新知事に対して、“様子見”の職員も少なくないと思う。職員の皆さんも、熊本県民のために何をすべきかを常に思考の根底に置き、活発な議論を知事に対して“ふっかけて”いって頂きたい。蒲島知事はそれに応えてくれるはずだ。ただ、議員に対しては知事はむしろ厳しく向き合って、馴れ合わないでいただきたい。特にこれまで熊本県議会の改革を遅れさせてきた多数派である自民党とは、選挙で応援してもらっていても、現実の政治は政治として、県民の利益を最優先に対峙していただきたい。県民はその点については、“人のよい知事”だけにしっかり見ている。
さて、すぐに着手した月額100万円の知事給与カットは賛否が分かれた。私自身は給与分の仕事をしてもらえばカットする必要はないと今でも思っているが、1年目の心構えを表したいというご本人の強い意志は揺るぎなかった。心配する向きが多い職員給与については、財政状況の詳細な分析、人事院勧告、組合交渉等もあり、即切り込みができるわけではないので、あまりナーバスになる必要もないとも考える。
ただ、知事の覚悟を「パフォーマンスで勝手にしていること」と冷ややかに見るだけでいいはずはない。来年度の予算の見通しが立たない中、国の地方への税財源委譲を働きかけつつも、今までの仕事のやり方の見直しを真摯に見直し、新しい着眼点、創造性を身につけていく努力も必要だ。財政再建団体への転落寸前、つまり倒産寸前の会社で、今何をすべきか考えていきたい。「再建団体になって初めてその意味がわかった」という、転落を経験した福岡県赤池町職員らの声は重い。これまでの県政には、もちろん議会も責任の一端を持つし、襟を正さなければならない。是非、県職員の皆さんと共に真剣に取り組んでいきたい。さもなければ暗国の時代に突入する。
蒲島知事のマニフェストの実現に向けて、各部局も部局マニフェスト作りに取りかかったと聞く。各部局がそれぞれ自らの組織を会社と見立て、部長が“社長”としての責任を持って取り組む姿を期待したい。定年前の上がりのポストでは許されない。6月県議会は12日に開会する。今回は新たに1会派が加わり、4会派が代表質問を行う。私も19日に一般質問に立つ予定だ。改めて知事のマニフェストや各団体からの公開質問状への回答を読み返し、質問の準備を始めているところだ。