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2008年07月26日

障害のある子どものきょうだい支援

連日の熱帯夜は、これからどれだけ続くのだろうか。暑ければ暑いほど、逆に地球温暖化の深刻さを例年以上に感じる。リビング・ダイニングのエアコンの室外機が不調で修理が必要だが、もういっそのこと修理せずにおこうかとも。台所には扇風機を持ち込んで、格闘している。ただ、さすがに寝室だけは1時間冷房を入れて切って寝ている。そうでもしないと寝入れ無い。まだ7月なのに秋が待ち遠しい。

先週から日記が途絶えているが、冷房無しの電灯の下でのパソコン操作は非効率なので、夜は11時過ぎには寝ている。日中、動き回ることも多かったので時間がとれなかったが、今週から何とかなりそうだ。

さて、19日、20日に、日本自閉症協会の全国大会が熊本で開催された。議員としてもご案内があったが、早くから個人的にも参加しようと思っていた。実は、義弟の6歳なる娘が自閉症で発達に遅れがある。彼女の兄たち(甥たち)、両親、祖父母と、皆が温かく彼女を見守っているが、それぞれの立場で彼女のどんな未来を描き、支えていけるのか少なからず不安や心配を感じているようだ。

今回、アメリカで障害のある子どものきょうだいを支援しているドナルド・マイヤーさんが、「きょうだいの思いと支援」と題して、講演された。私は市民会館の最前列で聞いていたが、彼が発するメッセージの一つ一つに思い当たることや現実に合致することが実に多く、大きく頷きながら聞いていた。講演後に名刺交換した際、「しっかり聞いてくださってましたね」と声をかけてくださった。

障害のある子どもへの対応(療育、教育、就労等々)は確かに重要だ。今回の大会でも、様々な手法や考え方が紹介され、保護者や支援者を勇気づけたことだと思うが、当事者と身近で係わる幼いきょうだいたちが、どう受け入れ、自分の感情(恥ずかしさ、辛さ、怒り)などを同じ立場の子どもたちと共有し、解放される場が必要だと、マイヤーさんは訴える。「障害のあるきょうだいのために医者にならなければと思う子どもも多く、概して一生懸命勉強する。親無き後のきょうだいへの責任も含め、プレッシャーやストレスも多い」と。「小児科医に」と期待が寄せられている甥っ子もそう感じたことだろう。

義弟家族は隣県に住んでいるが、地元の統合保育を行っている保育園に徐々に通わせたり、定期的に療育センターにも行っているようだ。姪も、ゆっくりゆっくりとできることが増えている。来春からは地元の小学校へ入学する。ただ、まだ義弟たちは、親の会のようなつながりは積極的には持っていない。今回の大会にも、私たち夫婦からの勧めで初めて参加したが、初めての講演が、ドナルド・マイヤーさんのような、多くの当事者や家族との関わりを実践してきた方のお話でよかったと言っている。甥たちも、「君は君なんだから、何にでもなれるんだよ。何をしようと、何になろうと、色んな支援サービスを活用して妹の支援はできるからね」というマイヤーさんの言葉をしっかり受け止めてくれたと思う。

2008年07月14日

2日間の現地視察だけでは限界がある(有識者会議)

今年は親代わりだった祖母の初盆のため、12日、13日と週末は身動きがとれなかった。川辺川ダム有識者会議の現地調査が行われていた球磨川、川辺川流域のことが気になっていたが、友人らの報告や報道で確認している。

4回までの有識者会議は、実物を見ずに論議されていたので、委員の方々はかなり無理を感じておられたと思う。今回、流域を辿りながら、あらたな視点で考えていただくきっかけとなったことだろう。もちろん、同じ物を見、説明を聞き、推進・反対の双方の主張を聞いても、各委員の治水に関する見解は一致はしないと思うが、これまで幾度も水害を経験した流域住民の65%が、やはり「川辺川ダムは要らない」と今春の知事選でのマスコミの世論調査に答えている事実を、重く受け止めていただきたい。人吉、相良村の首長以外の、当日出席していた流域自治体の首長たちですら、本音と公式な立場での見解が必ずしも一致ではないということにも、思いを巡らせる必要がある。

球磨川・川辺川の美しさと将来的な潜在力については、皆さん評価してくださったものと思うが、地域のコミュニティーを崩壊させてきたこれまでの対立の中の事情などが、果たしてどの程度まで委員の皆さんの理解につながっているのかを考えると、複雑な思いがする。ましてや、4回の会議に参加していた他の委員と異なり、今回たった一回きり参加したオランダ人アドバイザー、ディック・デ・ブラウン氏の発言には首をかしげたくなる。

熊日新聞によれば、「人吉市の人々が流域に住み続けたいと考えるならばダムは必要。従来計画の場所、規模のダムが最適だ」と、ダムを肯定する見解を示したようだ。 世界の水害地域や治水対策などをどれだけ見てこられたかは知らないが、1,2日の視察で、しかも彼に付き添っていた県や推進派(国)の説明がほとんどだと思われる中、断定的であまりにナイーブ(稚拙)な見解は甚だ迷惑だ。

そもそも、海抜0m以下のオランダの専門家をわざわざ呼ぶこと自体に無理や不安を感じていた。恐らく、事前に英語に訳された推進側の資料が、彼の元には届いていたのだろう。地域の実情や歴史、双方の意見が対等にインプットされたとはいえない状況で見解を求めるとこうなるという典型だ。

また、ダム建設には予定地がよいと発言しておられるということだが、まだ記憶に新しい四川大地震級の地震が、日本のどこででも起こることを認識し、建設予定地がシラス台地の脆い地層であることなどを知っていれば、そんな見解はあり得ない。見た目だけでダムに適した場所とされたのではたまらない。あの地震でどれほど日本に住む私たちは、人工的構造物が自然災害によって、更に巨大な危険構造物に化すことを現実感を持って想像できるようになった。

ブラウン氏は、有識者会議の中立性を担保するためのアドバイザーという位置づけのようだが、果たして中立と言えるだろうか。そもそも、アドバイザーが見解を言うべきなのか。蒲島知事には、くれぐれも、他の委員たちとは費やした時間による球磨川・川辺川への思いに隔たりがあるブラウン氏の見解を過大に扱わないでいただきたい。9月の最終判断まで、有識者会議はもちろん、更にもっと流域の声に向き合っていただきたい。

2008年07月11日

クラシックとジャズはいかが?

昨日は、午前からお昼にかけて、久しぶりに音楽の香り豊かな一時を過ごした。高校の同級生で、世界的なソプラノ歌手の佐々木典子さんのミニコンサートだ。今回、熊本県と県立劇場主催で、「クラシックの小箱」と題するコンサートシリーズが始まったが、佐々木さんのコンサートが第一回目となった。

この時間帯の入りはどうなのかと、友人としても心配したが、一階席はほぼ満員で、佐々木さんの幅があり伸びやかで、卓越した実力がいかんなく発揮された歌唱に、聴衆は1時間半ほどの間魅了された。高齢の方たちも多く、料金も千円と手頃であり、夜でなくこの時間帯の方が返って来やすいとも聞く。終了が12時過ぎなので、そのまま県劇内のレストラン「七彩」でランチという方も多く、混雑していた。レストランとしても“おいしい”企画だ。次回は来年2月23日で、熊本出身の山崎貴子さんのバイオリン。今後も楽しみだ。

さて話はクラシックからジャズへ。我が家のご近所に、エレクトーン奏者で吉村由美子さんという方がおられ、2006年に私のコンサートの時、伴奏でお世話になった。その吉村さんの教え子の夫で、現在、デュークエリントンオーケストラのサックス奏者として活躍しているシェリー・キャロルさんが、一昨年に続いて来日し、熊本でコンサートを開くことになった。

今回も、在熊の豊田隆博トリオにシェリーさんが加わったSuper Quartet Liveとなる。一昨年のCIBでのライブも熱気溢れるもので、ノリノリで堪能させていただいたが、是非、今回も多くの皆さんに、夏の夜のひととき、本場のサックスの響きとカルテットでの競演をお楽しみいただきたい。

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「Shelley Carrol Super Quartet Live」
演奏者:シェリル・キャロル(テナーサックス、フルート)
     豊田隆博(ピアノ)
     村上明(ベース)
     吉村健秀(ドラム←吉村由美子さんの夫)

日時:8月16日(土)18:00開場、18:30開演
開場:熊本市国際交流会館 6・7Fホール
全席自由
■前売券 4000円
■当日券 5000円

主催:Yoshimura Yumiko Music Art
後援:熊本市(熊本市舞台芸術助成事業)
   熊本日日新聞社 RKK TKU KKT FMK

チケットは早々に完売する可能性がありますので、お早めに下記でお買い求めください。
申込み:吉村由美子さん
Tel: 096-329-3932
Mail: aiueo0831jp@yahoo.co.jp
※チケットは平野も少し持っておりますので、私に連絡して頂いても構いません。
※大谷楽器の鍵盤コーナーにもあります。

2008年07月10日

大分県教委だけの問題か?

ここ数年、次々に教員の不祥事が明らかになっている。飲酒運転、酒気帯び運転から、児童・生徒へのわいせつ事件、体罰という名の暴力事件まで。処分されてもまた発生と、その都度、県教委も教育事務所や管理職を集めて、再発防止の訓辞をしているが、それでも後を絶たないのはどういうことなのか。教員は聖職者とは言わない。教員も人間だ。しかし、好ましくない教員としての姿勢どころか、「犯罪者になるな」という、人間として当たり前の規範が求められているといことが、つくづく情けない。

教職員の多忙化やそれ故の孤立化等、職場環境が改善される必要があることは、それも一つの要因と見られる病気休職者数や精神疾患患者数の激増にも現れている。しかし、それだからと言って、この絶えることのない犯罪が許されるわけはない。瞬間の自分の行動が、その後、周囲や自分自身にどう跳ね返ってくるかの「想像力の欠如」も甚だしい。

私のところに入ってくる情報の中には、明らかに犯罪だと思える体罰もある。被害に遭った子どもたちも含め、保護者や支援者がなんとか表に出さず、当該教員の姿勢や学校側の対応に改善を求めても、当該教員は、自分たちの方が被害者だという態度でいると言う。子どもはもちろん、保護者、管理職、そして県教委、更には社会を舐めている。こんな教員こそが不適格教員だ。

折しも、大分県では、教員採用試験や昇進試験に関わる校長、教頭、県教委幹部による不正が発覚、激震が走っている。案の定、逮捕された幹部の証言の中から、県議の介在もあったと報道されている。いわゆる「口利き」だ。議員になってすぐの頃、私のところにも、「教員(や職員)の採用試験を受けます。よろしくお願いします」といきなり、履歴書が送られてきたり、電話で依頼されたことがあった。その時までは、今ほど「口利き」が悪だという社会の共通理解はなかったが、「議員という立場は特定の個人に利益誘導するために使ってはならない」と、すべてを断ってきた。議員の中には、県教委に、合否の発表の前に知らせてほしいと依頼する人もいたようだが、これとて、「この受験者は、あのセンセイと関係があるのか」と、暗に手心を加えて欲しいと言わんばかりの依頼にもとられる。

さて、大分県で発覚した教員採用や昇進についての今回の不正、熊本でもありはしないかと誰もが思っている。大分県でも、金品の授受を伴う犯罪、口利きでの便宜供与等、どの程度をどこまで遡って調べるのか、あるいは証言以外に証拠はあるのか等、解明には難しい点も多々あると聞く。本県においても、税金が使われる公務員の採用や昇進に、不正の余地が無いか、これまでの仕組みを再検証し、必要な実効ある防止策を急がなければならない。来年度から知事部局が施行する「要望や口利きの文書化と情報公開」の仕組み作りに、県教委でも直ちに取り組む必要がある。

今年度の教員採用試験が目前だ。大分県同様、臨時採用の先生が担任を持っているなど、「本採と同じように働いているが、一向に採用されない」と、何年も受験し続ける人が多い熊本県だ。親が教員や管理職や県職員の教員は有利だと、まことしやかにささやかれている実態もある。教育界への口利きが多かった議員もいたようだ。

本県の不祥事の多さは、教員採用段階での基準のあり方の不透明さ、あるいは管理職昇進や配転が、同僚の管理職や“力のある誰か”の働きかけによってなされることと、相関関係が無いと断言できるのだろうか。不幸なのは、一部の、教員としての当たり前のモラルもなく、力量も無い教員に教えられている子どもたちであり、体罰という暴力を平然と学校現場で行使し、子どもや保護者や心ある同僚職員や管理職を舐め続ける教員も現に存在することだ。

「子どもを真ん中に置いた教育現場の実現」に、これ以上の不正と暴力などの犯罪は許されない。

2008年07月08日

熊本駅舎建て替え事業費は妥当か?

「熊本駅在来線駅舎の建て替え費用が5億円から約30億円に?一体またどうして?」
とにかく県民はこの額の変化に驚き、巷の話題となっている。そもそも、建築家の安藤忠雄氏がデザインを担当すると決まった経緯に、平成18年度の新幹線対策特別委員会の委員の1人だった私は、当時、首をかしげた。

今回の費用アップの経緯はこういうことのようだ。熊本の玄関口として、駅の顔とも言うべきデザインを、著名な建築家安藤氏に強く推す声があって(誰だか?)、当時の潮谷知事はこれを容認した。ところが、30億円近くもの見積もりになったことがわかったが、「数字が独り歩きしてしまう」と、知事在任中は金額を公表してこなかった。今回、朝日新聞が情報公開請求し、蒲島知事は公表の判断をした。

当時私も、「財政が厳しい中、著名な人のデザインとなれば、桁外れの金額になるのではないだろうか。ただ、熊本の事情もご存じだろうし、彼を推す人とのつながりも深いだろうから、ボランティア的な金額で取り組んでいただくことが確認されているのだろう」と思いながら、むしろ、「誰もが使いやすい機能的な駅であるか、パークステーションというエコロジカルな駅の顔となれるか、安藤氏の駅の経験や実績はどうなのか」と、委員会で県に質した。本来、建築家として著名であるかどうかは別として、全国や県内の建築家が参画できるような、東駅前広場のようなコンペ方式にすべきなのにと感じていた。

しかしながら、やはり安藤氏の参画は高くついていた。鹿児島駅や博多駅の開発と比べて、30億円は将来の熊本のために、決して高いとは言えないと考える県民もいらっしゃる。また今回の件について、蒲島知事も「夢のある熊本駅を実現するためにも関係者の合意を図りたい」と言っておられるが、再来年には「財政再生団体」への赤信号がついている熊本県であることは誰より知事が身にしみておられるはずだ。同様に、費用負担の影響を受ける熊本市もJRにも必要以上の負担を強いるわけにはいかないし、納得してもらえるとは思えない。

「駅は街の玄関であり、顔である」ということは誰もが認める。しかし、駅に求められるのは、構内の快適な乗り降りや移動ができる機能が保証されていることだ。私たち委員も何度も委員会で発言して来たが、高齢社会であり、外国人を含めた他県の方々が安心受け入れられる駅であることが何より重要だ。高層駅ビルを高架の上に作るわけではない。2階層のビルの外面と、熊本駅の在来線駅舎の建て替え費用だ。この夏には、整備方針が決められるそうだが、県は、安藤事務所、市、JRとの協議において、大幅な費用削減や負担割合の調整に最大限努力する必要がある。透明性のある議論を期待している。

2008年07月07日

「かばマニ」実行で議会との健全な関係を

いよいよ梅雨明けとなった。例年よりかなり早いが、雨は既に例年以上に降っていたそうだ。猛暑の夏は長くなりそうだが、できるだけ、省エネ、二酸化炭素削減でがんばりたいものだ。今日は7月7日。全国的にライトダウンの取組みが呼び掛けられている。我が家も早々に食事を済ませ、部屋を暗くして、静かに過ごしたい。

さて、6月定例県議会は先週閉会した。2008年度の肉付け予算を可決し、厳しい財政状況の中の蒲島県政の船出となった。厳しいながらも、選挙を通じて掲げてきたマニフェスト(かばマニ)の実現にも取り組まなければならない。

今回の代表質問や一般質問では、当然マニフェストを改めて確認する質問を各議員盛り込んでいた。事業関係はもちろん重要だが、知事としてのスタンスについては更に重要だと思っている。自民党の代表質問で、前川県議は、かばマニの中で気になっていたのだろう、「口利きの文書化と情報公開」と「政党や議員への選挙応援」について改めて質問していた。

自民党としては、「議員の政治活動をすべて口利きとリンクされては叶わない。正当な議員活動まで制約されはしないか」ということだろうし、「その時々の政治状況下で、首長が特定の政党や議員を応援することは否定されるものではない」という主張だった。

しかし蒲島知事は、それらの質問に対し、「要望や口利きの文書化と情報公開については、今年度中に要綱を作り、来年度から施行する」、「特定の政党や議員への選挙応援は行わない」ときっぱり。潮谷知事の時にはとうとう実現していなかったことだ。是非、蒲島知事には、この答弁の通りに必ず実行していただきたい。

ところで、自民党は、これまでの知事同様、議会前の予算説明に知事をひっぱり出している。これは止めにしてもらいたい。知事も部長以下に任せたかったようだが、苦肉の策で、各会派への平等を保つため、今回、議会前の非自民への予算説明に、知事も同席するということになった。私たちは、他県に例がないような知事の予算説明への出席を望んではいないしし、今後自民党も再考していくべきだと思う。ちなみに、非自民への説明は、マスコミも入れ公開としたが、自民党は”密室”となっている。

さて、蒲島知事は、ランチミーティングで若い職員と直接対話をする機会を積極的に作っておられることは、評価したい。知事が自分の考えを述べるのではなく、むしろ職員が発言しやすいゼミのような雰囲気だそうだから、大学の教員であった経験が活かせているのだろう。恐らく、今のところ各部、各課の“優等生”の皆さんが選抜されていると思うので、今後は是非、自薦・他薦で、課題を抱える職員も含め、いろんな職員が直接知事と対話ができるようにして頂きたい。

昨日のブログでは、かなり厳しいことも指摘させていただいた。ここ数ヶ月、色んなことがあり過ぎて、事態の真偽や関係者の真意も掴めないまま、考えをその都度まとめるのが難しかったというのが正直なところだが、議員として私が何をどう考え、どう動くかは、書ける範囲で綴っていくことの重要性を認識しているので、今後はタイムリーに取り組んでいきたい。

2008年07月06日

「美しいダム・愛されるダム」はあり得ない

蒲島県政がスタートして3ヶ月になろうとしている。たった3ヶ月だが、私にはとても長い期間のような気がする。4月、新しい熊本県政のページがどう開かれるか、県民の多くが注目した。「誰が知事になっても舵取りは決して容易ではない」、選挙期間中聞かれたフレーズだが、全くその通りで、蒲島知事も実際に知事になって日々感じてこられただろう。しかしだからこそ、まずはじっくり県政の隅々を丁寧に深く検証しながら、舵取りを進めていただきたいと、そう思うのは私だけだろうか。

荒瀬ダム問題が、県政の4つめの課題(3つは川辺川ダム、水俣病、財政)として浮上してしまった。本来なら、「当初より堆積土砂撤去や本体撤去に予算がかかりそうなので、もう一度、検証してみたい」と口火を切りながら、企業局だけでなく関係する部局を含めチームを作って検証作業に入るべきものだろう。ところが、センセーショナルな知事の「撤去凍結」発表だった。その会見は、「100億円も撤去という生産的でない事業に使うなんておかしいでしょ?だから私は撤去せず事業継続するんです」と、私には聞こえた。

企業局はと言えば、撤去を決めた潮谷知事の県政時には、堆積土砂撤去費用の予算オーバーの見込みを知事に言い出さないまま、当然議会にも経過報告もないまま、怪しくなってからもベールをかけてきた。「新しい知事になった時が好機。全部説明して撤去を凍結してもらい、事業継続してもらおう」と思ったのだろう。そうすれば、企業局の荒瀬ダムや藤本発電所関係の職員の配転はなく、業務を継続できる。そもそも企業局自体の存廃すら取り沙汰されている中、組織防衛と言われても仕方ない。

そこに、通産省の何やらというOBが、「自分たちが作ってきた水力発電用ダムが壊されるなんて許させない」と、荒瀬ダム撤去凍結を求める要望書を蒲島知事に提出する。グッドタイミングだ。蒲島知事は、これらを実に素直に受け入れ、ダム撤去凍結と発表した。「チーム熊本県」として、庁議において三役や部長たちが議論することもないままの発表は誰の目にも、異例中の異例と写った。ある幹部職員がこう私に聞いた。「蒲島知事は他の分野でもこんな手法で進めるつもりでおられるのでしょうか」と。少なくとも186万県民の生活を思うが故のこの職員の困惑した表情に、「そんなことはないと思います」と返したものの、今の私はそう願うばかりだ。

知事は「スピード感を持って」という言葉を多用される。確かに、今の時代は日々状況も変化するし、時間との勝負という側面も政治には求められる。知事の任期は4年。4年以内に成果を上げるという時間感覚を持つことは重要だし、熊本県は2年後に財政再生団体へと転落しかねない崖っぷちであることも事実だ。しかし、「急いては事をし損じる」だ。厳しい認識を持ちながらも、まずは熊本での情報ネットワークや人脈ネットワークを、県庁内外にじっくり張り巡らしていくことが何より大切ではないだろうか。そのネットワークには、役に立たないものもあれば、信頼性が疑わしいそれもあるだろう。しかし、それを見極めるにも時間が必要だ。

中央公論に、知事選での勝因の一つを「人柄のよさ」にあったと、蒲島知事は自ら分析されていた。蒲島郁夫という人の「人柄」が悪いとは誰も思っていない。「人柄」や「人間性」は人心を引きつける大きなファクターだ。しかし、私ごときがおこがましいが、政治家には「人柄」以上に、状況を多角的に分析したり、俯瞰して見て、冷静かつ慎重に判断する力が求められる。

県民生活を支える県政は、実に多岐にわたり、国内外の状況変化を受けたり、更に近年は目まぐるしく国による制度改正が続くなど、複雑化している。私も10年議員をしているが、オールラウンドに熟知するにはまだまだ経験と学ぶ機会が必要だとつくづく感じる。知事の周りの幹部職員たちも、あらゆる機会を作って知事に仕組みや現場を知っていただけるよう、取り組んでいることだと思う。確かに彼らの説明や言い分が、必ずしも県民の求める方向と同じでない場合もあるかもしれない。しかし、それもまずは聞きながら、自身の信頼できるネットワーク情報を総合しながら、政治家としての政策を膨らませていっていただきたい。とにかく、功を急ぐ必要はない。

そして、政治家として、もし誤った認識であったり、誤解を与えてしまう発言をしてしまったり、発言のニュアンスが違うように受け取られとしたら、素直にそのことについて誤るという姿勢は重要だ。政治家の率直さには、県民は信頼を置く。6月4日の荒瀬ダム撤去凍結という知事会見での発言は、八代市民や球磨川流域の皆さん、そして、熊本県の山や川や海の再生を心から願う県民にショックを与えた。その事実に、まず知事が素直に謝る姿勢が、このこじれてしまった問題の解決の第一歩であると思う。関係者が情報や知恵を持ち寄りながら、歩み寄り、現実的解決方策を見いだすための前提ではないだろうか。

最後に、知事は「美しいダム、愛されるダムに」と発言されるが、これはもう勘弁していただきたい。そもそもダムが環境に深刻な影響を与える構造物であることは、広く認識されているわけで、今の時代、ダムに「美しい」とか「愛される」という形容詞はあり得ない。知事の環境への認識が疑われてしまう。

2008年07月05日

頼もしい女性議員の活動

今朝も、梅雨のどんよりした雲が空を覆っている。今日も傘が手放せない一日だ。昨日のころころと変わる天気にも困ったものだった。運転していても、ジリジリとした陽射しが照りつけるかと思えば、同時に、フロントガラスには大粒の雨が。いわゆる天気雨なのだが、かなり極端で妙な天気だった。

そんな雨の中、夕方、菊池市へ向かった。菊池郡市や玉名郡市の女性議員の皆さんが定例的に行っている意見交換、情報交換の場に呼ばれた。市町村合併の荒波の中、女性議員は県全体としては減ってしまったが、議会の数が減り、定数が減る中、今、議員を続けている女性たちは、実力と行動力がある方たちだとつくづく思う。

教育や福祉や男女共同参画というテーマは、もはや女性だけの分野ではないし、そうでなければならないが、長年取り組んできた彼女たちの経験や指摘は、市町村議会という住民とのフロントラインに位置する議員ならではの、生活感溢れるものだ。

特に、環境問題などはゴミの出し方から、再利用、再生エネルギーへの可能性へと、その町ならでは産業構造や住民意識と関連していて、それぞれの町の特徴が反映されている。県として、市町村をどう支援していくべきか、改めて示唆を頂いた。有休地での飼料米生産や給食センターで機械化されていく中での学校給食への地産地消の取組みなど、頂いた宿題について調べて、フィードバックしていきたい。

政治という場に、女性が半数近く、議員として存在することが当たり前になる日はいつなのだろうか。チャンスが与えられれば、女性も議員として期待以上の仕事が出来るのだということを彼女たちの話を聞きながら、つくづく実感した。せっかく女性県議が3人いるので、是非、意見交換する機会を作りたいとの提案もあった。是非、実現させたい。

2008年07月04日

私の選挙収支報告にミス

議員の収支報告としては、年に一回、政務調査費の使途報告を議会に提出するとともに、後援会である政治資金管理団体の会計報告を選挙管理委員会に行わなければならない。私の場合、いわゆるこの団体は、後援会である「平野みどりとくらしを政治につなぐ会」となる。

更に、4年一回、改選時の選挙が終わると選挙費用の収支報告も行う。県議会の場合、昨年4月が改選だったが、私も選挙が終了後、「選挙運動費用収支報告書」を選管に提出した。

ところが、一年前に提出したその報告書に、自分でも信じられないミスがあったことがわかった。今年の5月、これを見つけたNHKの記者から電話があり気づいた。つまり、公選法は、現職議員が同じ選挙区内の有権者に寄付をすることを禁止しているのだが、私の収支報告書では、熊本市議がその人の選挙区である有権者(この場合は私、平野)に寄付をしたと記載していた。

事実関係としては、選挙の無い例年、「平野みどりとくらしを政治につなぐ会」の総会を3月に行っていたため、当該市議は当然、後援会への例年の年会費として1万円納金したつもりであったのに、選挙年であったため、私たちの方がうっかり、その年会費を現職議員以外からの選挙のための寄付金の中に仕分けしてしまった、ということだ。

ちなみに、現職議員が選挙区内の議員(私の場合、市議や国会議員)の後援会に会員として入り、年会費を納め、議会便りなどを受け取り、活動に参加することは、法的にも認められている。

さて、この指摘を受け、直ちに、この1万円は選挙運動収支報告書から削除し、本来の「平野みどりとくらしを政治につなぐ会」の政治資金収支報告書へ追加訂正し、選管に届け受理された。今回のミスを気づかずに、選管に選挙運動収支報告書を提出していたことは、議員としては初歩的なミスで申し開きのしようがないし、何より相手先の議員にとっても晴天の霹靂であったと思う。ご迷惑をお掛けしたことに心からお詫び申し上げたい。

議員活動10年目に入り、新人ではない立場であるが、改めて気を引き締めて基本に立ち返り、このようなミスが発生しないよう取り組みたい。

2008年07月01日

有識者会議を傍聴して

川辺川ダムに関する「有識者会議」を、第三回、第四回と傍聴した。9月議会で蒲島知事は、ダムを作るか否かを判断するとマニフェストで公約としているが、有識者会議は知事判断に向けての提言を出す会議と位置づけられている。ところが、県の議事録公開などが遅く、どうしてもマスコミの報道のみでしか、これまでこの会議について情報が得られなかった。どんな議論があっているのか議員としても率直に知りたい、知るべきだと考え、環境団体のメンバーとともに参加した。

第三回は治水、第四回は環境がテーマだったが、県の説明は、単に国交省(推進派)、反対派のこれまでの集会等での資料の説明で終わっており、中立といいながら、県としての主体性が見えないことを残念に感じた。

第四回では、委員から「環境がテーマのはずだが、こんな資料ではがっかりだ」との意見がいきなり出たり、「鮎の産卵場所は?」問われても県側は答えられないなど、傍聴席で聴いていて冷や汗が出た。ダムがあるために俎上できないから、稚鮎をトラックで上流まで運んで放流していることすら説明できない。その他にも、「特質的な希少生物は?」と聞かれても国交省の資料以上のことは説明できない。「環境面での荒瀬ダム、瀬戸石ダムとの関連は?」と聞かれても、そこには深く触れない。委員同士の議論が、今回の環境というテーマで深まらなかったのは、県側の準備不足と認識不足と言われても仕方ない。

ダム対策室、河川課、自然保護課は県側として来ていたが、一体、今回のテーマについて、万全の準備をして望んだと言えるのか。いみじくも、環境という視点で、球磨川・川辺川について総合的に説明できる職員はいないということが露呈してしまった。失礼ながら、毎回議論を聞いておられる蒲島知事だが、ダムについてどう学習しておられるのか危惧する。私たちは、これまで何年も、環境団体の皆さんから、学習会や現地見学を通じて学ばせていただいて、少しは国交省の議論の矛盾なども理解できるようになったが、初めて聞いて気づくのは困難だろう。

第5回は12日・13日に、やっと地元で本物の川を辿りながら、委員たちはこれまでの議論と重ね合わせていかれることになる。毎回、県からの資料だけでなく、関係団体からの意見書等も届いており、”予習”は大変だと思う。そして、恐らく現地で委員を取り囲む地元首長や団体も様々だろう。その中から、川辺川ダム問題のリアリティーに少しでも近づいて頂くことを、心から祈るばかりだ。もちろん蒲島知事も同様だ。


お問い合わせ 平野みどり事務所 860-0066 熊本市城山下代4-7-28 
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