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社会的少数派の議員を増やす韓国 [みどり日記]

6月2日、お隣の韓国では、李明博政権への中間評価の意味合いを持つ統一地方選挙の投票が行われた。李大統領の与党ハンナラ党が現有のポストを大きく減らし敗北し、民主党を中心とする野党が躍進した。哨戒艦沈没事件で、北朝鮮に対して強硬姿勢に出ていた李政権の対応に、徴兵制に応じる若者たちや家族の中には「緊張関係はご免だ」という思いもあったようだし、「富める者(強者)には恩恵を与え、貧しい者(弱者)には冷たい」と言われている李政権への批判も、想像以上に大きかったようだ。

統一選挙に先立つ5月5日から7日まで、私は韓国ソウル市のヤンチョン(陽川区)自立生活センター主催の「日本の議員招請国際セミナー“2010障害者有権者選挙参画”」と題する講演に招かれた。私と民主党の参議院議員、金子恵美さんもご一緒だった。会場では、国民の多くが首を傾げる四大河川改修などの大型公共工事は進めながら、前政権時代に比べ福祉予算を大幅にカットする李政権の政策に、仲間たちの批判の声が渦巻いていた。6月2日に韓国全土で一斉に行われる「地方統一選挙」では結果を出したいという強い思いを感じた。つい先日、講演を主催したヤンチョン自立生活センターのイ・サンホ所長が、今回の統一地方選挙でソウル市議会議員に見事当選したというニュースが飛び込んできた。本当に我がことのように嬉しい。

さて、講演の目的は、日本での当事者あるいは当事者に近い議員の活動を知り、韓国での統一地方選挙で障害者議員を増やし、勝利するということだったが、当事者議員の政治参加という点では、実際は韓国の方が大きくリードしていると感じる。ちなみに、金大中政権による民主化によって、まず、「比例区での女性議員の割り当て制」が、国会だけでなく地方議会においても実現している。これにより、女性が政治の世界に進出する道が大きく拓かれた。具体的には、比例代表枠では、最初から候補が氏名され、順位が付けられており、その順位は1)女性、2)男性、3)女性・・・という具合に並び、上位から当選していく仕組みだ。

障害者など、女性以外の少数派が議会に進出する仕組みは、まだ制度化されていないが、既に、各政党は上位の方に障害者や韓国人と結婚した外国人配偶者などを並べて、事実上当選を実現させている。韓国の仲間たちは、「これを女性の割り当て制のように、きちんと国の制度にしなくては、時々の政権や政党の意向で変えられてしまいかねない」と指摘する。今現在は、前政権からの流れもあり、障害者は上位に位置づけられおり、国会では、290人ほどの国会議員のうち、8人の障害のある議員が誕生している。

今回、講演の翌日、DPI韓国の計らいにより、ソウル市ヨイド島にある国会を訪問させていただき、この8人の議員のうち4人の国会議員と昼食を挟んで意見交換する機会を得た。4人の議員は、それぞれ民主党(民主系)、ハンナラ党(保守系、自民党に近い)、未来希望連帯(やや保守系)、民主労働党(社民党に近い)の方たちだった。8人でもまだまだ少ないので、何とか制度化しなくてはならないと皆さん問題意識をお持ちだったが、政党が障害のある議員を国会議員にしているという現実に、少数派の声を国会に反映させようとする「民主主義への取り組みの本気度」を強く感じた。

日本の議会選挙制度は、障害者どころか、女性の登場を促進する仕組みにはなっていない。北欧の国々は、「片方の性が4割を超えないこと」としながらも、できるだけ男女がバランスよく議会に登場する仕組み(クオータ制)などを作ってきたが、学ぶ点は多い。また、参議院は、ある意味専門性や独自性を持った人たちが、6年間という時間軸の中で立法機関の議員としての役割を果たしていく場所だと思うので、比例区においては、それを単に全国的に票数が多い人から順番に議員にしていくという今の仕組みではなく、政党としての理念や方針がはっきりと打ち出せる候補者の選び方や順位のつけ方に変えていくべきだとも思う。韓国の、「女性・男性・女性・・・という順位で並べる」や「マイノリティーこそ上位に位置づける」というやり方は大いに見習いたい。

ちなみに、6月2日の統一地方選挙で、韓国全土で106名の障害のある議員が誕生したそうだ。ため息が出る。菅政権がスタートした。「最少不幸」の国家観を打ち出されたが、それなら本気になって韓国や先進国の実態と取り組みに学ぶべきだろう。


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